レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

特捜部Q 新刊

2018-05-01 07:58:32 | 
『特捜部Q 自撮りする女たち』
 デンマークのミステリーの人気シリーズ『特捜部Q』の第7弾。順番通りに順調に訳されているものはけっこう少ない、このほかはスウェーデンのヘニング・マンケルのヴァランダーくらいだろうか、アイスランドのアーナルデュルのもそうだろうか。
 殺人が過去のものと最近のと類似した事件があり、その関わりが疑われる一方、また別の連続事件も起きる。
 ソーシャルワーカーの若くはないアネリは失業者たちの相手をしているが、怠惰に福祉によりかかっている連中に憤りを感じている。おまけにガンが見つかり、絶望と共にある企てを進める。
 失業者女3人の中でも、次々に妊娠出産をくりかえして手当をせしめ続けている女はクズの中でも最低のクズである。

 レギュラー陣の一人であるローサは精神不安定で、ますます悪化している。それは父の精神的虐待に起因していた。その父は工場で、ローサの目の前で死んでいたのだが、たとえローサにその責任があったとしても、私は「よろしい私が許します」と佐藤愛子さんふうに言いたい気持ちである。

 ところで、チョイ役でアイスランド人の女(これもろくでなし)が出てきて、フルネームでない場合はなんとかドッティルと言われている。これは、なんとかの娘の意味で姓でないことがデンマーク人にも知られていないのか、それとも、知っているけど名前で呼ぶことに抵抗があるからなのか気になる。アイスランド製の小説『魔女遊戯』でも、捜査に来たドイツ人が主人公をフラウ・○○ドッティルと呼んでいてそのままだった。
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