レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

『占領都市ベルリン』

2016-03-16 08:46:52 | 
ピエール・フライ『占領都市ベルリン、生贄たちも夢を見る』 
「アジアミステリリーグ」
 例によって上記のサイトで知った、ドイツ産ミステリー。
 ドイツが戦争に負けて共同統治にある、ただしまだ壁はできていない時期の話。連続殺人が起き、被害者は金髪碧眼の若い美人で米軍基地に勤めているという共通点がある。ドイツ人警部と米軍の青年将校が捜査にあたる。
 殺人が起きた後で、その被害者のそれまでの人生が語られる。身を売った過去もあり、手を血に染めた者もあり、ソ連兵に凌辱された者ももちろんあり。それでも少なくとも根柢の良心は失くさず必死に生きてきた女たち、過去の恋人に再会したり、捕らわれていた父の釈放が間近だったり、これから幸せになろうとしていたところで・・・。なんとも切ない。
 警部の息子は闇市に出入りしたり、アメリカ人記者をだまくらかしてタバコをせしめていたりするけど、作者自身の体験の反映かもしれない。
 いい作品なのに、--下記のレビューでも指摘しているように、表紙がよくない。凄惨な殺人事件だけどことさらにグロテスクに描いてあるわけではない、内容よりも下品すぎる表紙絵。
 もしも手にする機会があれば、表紙にだまされないでねと言いたい。
「占領都市ベルリン」


マックス・ベントー『羽男』  角川文庫
 これまた上記サイトで知った。そしてこれも舞台はベルリン(現代)。そして、連続殺人の被害者が金髪女だという共通点もなぜかある。
 (金髪女が殺される役というのもステレオタイプの一つであるらしいけどね)

 面白かったけど、ミステリーとしての難点は

           ネタバレ行あけ




 犯人は早くから登場しているべしというルールに反して、半ばも過ぎてから出てくる、「主な登場人物」にも出てないし。
コメント
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