レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

「れる・られる」

2019-11-13 17:44:30 |   ことばや名前
 mixiで紹介されていた記事から。(AERA)

「全国のユニークな顔をした芸能人のみなさん、ユニークな体形をした芸能人のみなさんに、夢と希望を与えられた」
 10月15日に東京国際フォーラムであった今年の「ベストジーニスト賞」の発表。オーバーオール姿で登場した出川哲朗さんは冗談交じりにこう話し、拍手を浴びた。受賞したのはほかに、長谷川京子さんや山本美月さんら。毎年恒例のにぎやかなイベントで盛り上がったが、実はジーンズ業界は今、危機にある。

 引用終わり。記事の主旨はこの際どうでもよい。
 「れる・られる」の用法は、可能、受け身、尊敬語(の代用)がある。
 この「夢と希望を与えられた」の「与えられた」はどの意味だろうか?
①ユニークな容姿の芸能人に夢を与えることができた
②ユニークな容姿の芸能人によって私は夢を与えてもらった
③ユニークな容姿の芸能人に、夢を与えることをなさった

 受賞者である「出川哲朗さんは冗談交じりにこう話し」とあるので、③ではないだろう。司会者あたりがこのように受賞者を評したのならば①や③にとることができる。いま「出川哲朗」で検索してみると、正統派の容姿とはほど遠い人物のようなので、そういう自分でもこんな賞をもらえるのだという意味で①もあり得る。ほかの受賞者も非正統派容姿ならば②にもとれる。あ、主語を話者ではなくて、こういう催しを指すと見れば、受賞者本人の言葉でも③に考えることもできる。
(「与える」という言葉はなんか偉そうな感じなのでそれはどうかと思う)

 私は常々、れる・られるを尊敬語に使うことに抵抗を感じるのだ。「される」でなく「なさる」にすればすっきりして誤解もまねかないだろうに。
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