レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

苦し紛れのドイツカテゴリー

2008-02-08 14:21:08 | ドイツ
 新聞に、ドイツ文学者で文芸評論家で翻訳家の川村二郎さんの訃報が載っていた。合掌。
 私の見た読売の記事では、翻訳として『ウェルギリウスの死』の名が挙がっていた。私にとってもまずこれである。実のところ、ヘルマン・ブロッホのこの長編は、ずいぶん難解で私は理解したとは言えないのであるけど、--アウグストゥスを美しく描写してあるので気分が良い。四十路を越えながら25才このかた変わらぬ、とか、ほとんど可愛らしいといってもよく、とか、あいかわらず少年のような、なんて。史実をいえば、このとき44歳になろうとしていてもう孫がいるのに、それで可憐な美少年のようだというのか。
 (これについて、ここのブログで前に書いたような気がするけど、「ローマ」カテゴリーを読み直しても出てこない。もし別のところにあれば、--私が言わずにいられないのだと納得してもらうしかない) 
 あの本は図書館で借りただけである。復刊したら買う。
 たしか、アイヒェンドルフの『のらくら者』の訳もこの川村さんにはあったはず。ほかでも読んだに違いない。

 ドイツ語の翻訳といえば、去年、『捕虜』という本が学研M文庫から復活して嬉しい、と書いたけど、いまは、かつてソノラマの航空戦史シリーズで出ていた『不屈の鉄十字エース』も同文庫になっている。東部戦線で活躍した「黒い悪魔」(なんて名前は黒い機体のせいで本人は金髪、童顔、通称「ブービ(坊や)」ことエーリヒ・ハルトマンの伝記。では、『砂漠のキツネ』もリクエスト!

 いま、週替わりのドイツのカレンダーは、謝肉祭の様子として、ミノムシのような衣装をつけた道化が映っている。さそかし寒いだろう。その寒さの中でせめてもの気晴らしで騒ぐのだろうな。
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2 コメント

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汗でグッショリ (pfaelzerwein)
2008-02-08 19:22:20
謝肉祭は逸早いこの水曜日で終わりましたが、月陰暦は巧く出来たもので、霜が屋根の上に乗っていても、ビキニで日光浴が出来るような陽射しです。

私は、蓑虫ではないですがシュヴァルツヴァルトの衣装をつけてシュッティックに参加した事があるのですが、汗でグッショリになりました。
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「灰の水曜日」とか (レーヌス)
2008-02-08 20:13:09
「バラの月曜日」とか、雰囲気のある名前がカレンダーには載っていますね。
 シュヴァルツヴァルトならば少しは縁があるのですが、フライブルクでパレードを見た日は冬らしい気候でした。
 またいつか見たいものです。
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