レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

オリンピア・キュクロス2巻 ブラックナイトパレード3巻

2018-12-28 17:11:04 | マンガ
『オリンピア・キュクロス』2巻 ヤマザキマリ
 壺の絵付け師だけど運動能力に恵まれてしまっている「草食系オタク」青年デメトリオス、前回は東京オリンピックにタイムスリップしていた。今回もやはり悩んで壺にこもって雷が落ちるとスリップ、マンガに出会ったり、円谷選手に再会したり。
 私自身は、大の運動嫌いで苦手で期待もされず、マラソン大会なんでただひたすら終わりさえすればそれでいい、結果なんてまったくどうでもいい、という身の上だったけど、いい成績を期待されて追い詰められる円谷選手には心が痛む。こんなことはくりかえされてはならない、なんて陳腐な言葉だけど実感である。
 この作品は翻訳紹介されていないのだろうか、いろいろな点で世界にぜひ発信してもらいたい、マンガというものの冷遇の時代とか、かつての東京オリンピックが日本にとって大きな意味を持ったこととか。

『ブラックナイトパレード』3巻  中村光
 三春の天敵カイザー君(君づけする義理はないんだが、カイザーと書くほうが偉そうで抵抗あるので)の過去の事情、そして当然ながら鉄平くんの事情。こういうのと比べると、片親でも三春は真っ当な親で幸せなほうかもしれない。
 このまえ見た『グレーテルのかまど』で、なまはげみたいなサンタクロースで悪い子にはニンジンとかいう話が出てきたけど、その手の、石炭だのジャガイモだの、「がっかりプレゼント」のほうがかえって役にはたつねぇ。
 大迷惑な苺大福女からカイザー君を助けた三春の手腕は中々のもの、けっこう頭もまわると感心した。
 現実には、誠意が報われないことも多いとはいえ、・・・三春がんばれ、幸せになれよ~!

 上記の2作、偶然、国際的ヒット作を出した作家のものである。これらもぜひ海外進出してもらいたい。


コメント
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