レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

児童文学の西洋史ものいくつか

2014-03-19 10:11:46 | 
テア・ベックマン『ジーンズの少年十字軍』 岩波少年文庫 上下巻
 児童文学の棚で目にとまった。70年代のオランダの作品。
 現代の少年ドルフが父の友人たちの発明したタイムマシンで中世に飛ぶ。現代に戻る機会を逃して途方にくれるが、やがて怪しげな修道士に率いられた少年十字軍に加わりリーダーシップを発揮していく。
 ドルフが友だちになる放浪学生でのちに皇帝フリードリヒⅡ世に使える数学者となるレオナルド・フィボナッチ・ダ・ピサという中々かっこいいキャラが、実在であるということはこの本で初めて知った。

カーリン・ブラッドフォード『九日間の女王さま』
 これも棚を物色していて発見。訳者が石井美樹子さんだし、タイトルからジェイン・グレイだとすぐわかる。
 悪役筆頭のノーサンバランド公爵だけでなく、娘を利用するジェインの両親も地獄に堕ちろと思った。父親は実際処刑されたけど。

『カニグズバーグ作品集  誇り高き王妃  ジョコンダ夫人の肖像』
 ジョコンダ・・・モナリザ?と思ったらそのとおり。しかしメインはイル・モーロに嫁いだベアトリーチェ。レオナルドの不詳の弟子サライの視点で描かれる。ベアトリーチェを、美しくないことをわきまえて生きて、内面の美しさ・深さを得た人として描くことはまあいいのだけど、そのかわりイザベッラ・デステに対する扱いが意地悪過ぎる点はひっかかった。
 『誇り高き~』は、アリエノール・ダキテーヌ。このアリエノールは中々茶目っ気を感じさせるキャラだった。

コメント (2)
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