レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

少女漫画ルネッサンス

2008-06-01 06:54:27 | マンガ
『ロマxプリ』という雑誌が創刊された。謳い文句は「少女漫画ルネッサンス」、誌名は、「ロマンティック・プリンセス」の意味。
「ロマxプリ」
水木杏子原作の新作とか、かつてのヒット作『レディ!』by英洋子(私は読んだことない)の続編からしても、「モト少女」を対象としていることは見当がつく。「30年来の少女マンガファンに向けて発進せよ!」「華麗で繊細な少女マンガを復活させよ!王道に戻るのじゃ!」--などと言われては、私など名指しされているようなものではないか。
 水木原作、橘花夜『ローレライ』、なるほど、古き時代のロマンス。絵の洗練がいまひとつな点(でも「残グリ」で読んだときよりもだいぶ可愛く見える)が惜しいけど展開は気になる。
 津寺里可子『星少女』  大正の東京、父を探す少女七生は伯爵家の若に拾われる。道楽者の次男と軍人の兄、もちろん双方美形でお約束。
 この作家、絵はすばらしくキレイだけど話がどうも、という印象があるけど、まだ期待している。この絵でぜひ洋装も見たい。
 真崎春望『東京シーク』、ハーレクインのぶっとびを日本に持ち込んで、少女マンガドリームと混ぜた感じ。
 「ロマxプリクラシック」として、旧作再録の枠を設けてある。今回は志摩ようこ(原作名木田恵子)『ロリアンの青い空』、フランスの田舎の幼なじみ4人の恋。
 次号では水野英子。するとこれらは、ほぼ現役ではない作家の大昔の作品を採り上げる主旨なのだろう。 ※
 綾部瑞穂『Sweet Revolution』 とある会社、残業するOLのところに美形のパティシェが現われて極上の菓子で癒してくれるという、その名も「スイーツ王子」--。なんだか、この雑誌で浮いてるよ・・・。『さくら』あたりならば問題なさそうだけど。

 雑誌の方針に賛同するので次回も買うけど、--続くのかと不安だ。縦ロールお姫様の絵の表紙は開き直りに違いない。現役少女はあれで既に逃げそうだ。どピンクの装丁はもう少し考えてほしい。
 華麗なコスプレロマンの伝統に、長い道のりを経てきたトランスジェンダーの意識を加味した方向性でいってもらいたいと思う。
 あ、風俗考証のリアリティという点もおさえて。「なんちゃって西洋」ではもはや見られないから。 

※私がほかにリクエストするならば、
美内すずえ『かえらざる氷河』
池田理代子『ズライカ』『クローディーヌ・・・!』

 作家のリクエストはたくさん挙げられる、あずみ椋、市川ジュン(この際『アン』ふうの世界で)、戸川視友、TONO、川崎苑子etc。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする