レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

マンガ ローマ帝国の歴史3

2007-06-03 19:59:36 | ローマ
 塩野本で言えば『悪名高き皇帝たち』にあたるパート。この3巻の中ではいちばん暗い。カエサルメインの1巻は、その名にふさわしく(注)「オレはやるぜ オレはやるぜ」で駆け抜けて爽快さがあり、2巻のアウさんは地味だけど劇的な盛り上がり、真っ当な業績の評価される幸せがある。・・・その点、ユリ・クラのその後は辛い。特にティベリウスの場合、明らかに愚劣な行為を為したわけでもなく、地道に世につくしたはずなのにそれが認められないという切なさ。いったいなにが悪かったのだろうと辛くなる。そりゃ、この人の人生の不幸の元凶は(三重の意味での)義父だろうし、晩年の不幸の一部は本人の性格、一部は奸臣セイヤヌスだろうが。華やかな存在の甥ゲルマニクスとの間に、敵意があったとも限らないのに、なにかと周囲も雑音になっていそうだし。

 腑に落ちないのは、セイヤヌスの件。あくどい陰謀が発覚したので粛清されたはずなんだけど、そのへんが出てこなかった。出すぎたからというだけで死刑だとあんまりに見えないか?

 カリグラ、ネコみたいな目だ。容姿だけけっこうカワイイのがこの際コワイ。
 さかもとさん、キワモノ扱いされてた時期もあったそうだから、ハメはずせばいくらでもエグく描けるネタがこの巻には満載だ。

駆け足気味なのは否めないけど、
さかもとさん、お疲れ様でした。

注 『動物のお医者さん』の準レギュラーキャラであるハスキー犬シーザー。「オレはやるぜ オレはやるぜ」といつも騒々しくファイト満々なやつ。
 
コメント
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