

11月9日の宵の口は夜空の小さな星たちが Twinkle Twinkle Little Star で、お空のダイヤモンドだったのですが、23時過ぎにはしっとりと落ち着きました。全天で最も明るい恒星シリウスはゆるやかに瞬いていますが、オリオン座のリゲルとベテルギウスは瞬いていないように見えます。
ふむ、仙台上空に待望の好気流がやってきたようです…ということで、今宵は夜更かしの惑星撮影大会です。ターゲットは木星と火星で、今回は顕微鏡対物レンズとTCA-4を組合わせて撮影してみます。
撮影はTCA-4の本体チューブを縮めた状態とMAXまで引き出した状態で行って拡大率の違いを調べます。それぞれ60秒露出で10ショット(総露出時間10分)撮ってDe-rotationします。
で、こちらが本体チューブを縮めた状態で撮影した木星です。パラメーターに記録されている合成焦点距離は8600mm (F/36)でした。PLAN 5×+ADC とほぼ同じ焦点距離ですが余計なレンズを透過してない分クリアな感じがします。

2024/11/10 0h19m μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=8600mm (F/36)
Shutter=11.22ms Gain=350 (72%) Duration=60s×10 Autostakkert3 25% (photo)


2024/11/10 0h34m μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=8600mm (F/36)
Shutter=12.62ms Gain=350 (72%) Duration=60s×10 Autostakkert3 25% (photo)


2024/11/10 0h53m μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4(Extend)+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=11600mm (F/49)
Shutter=12.08ms Gain=350 (72%) Duration=60s×10 Autostakkert3 25% (photo)
大気補正プリズム(ADC)を使わない高度(60°以上)での撮影はこのシステム、μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4(Extend)+Apollo-C(UV/IRcut)が良さそうですね。
ということでこのシステムを使って火星も撮影してみました。その様子は次回のブログで~。

〈追記〉


〈追記.11/14〉
撮影時のシーイング
キレイな木星ですね。書かれているとおり,クリアな気がします。gif動画がなめらかなので,終始良シーイングでシステムが安定していることが分かります。30分ほどでも,エウロパは結構動いていることが初めて分かりました。今回は拡大率を色々変えて写されているのに,gifがシステムの変更をまたいでつながっているのはなぜか?と思いました。gif動画のためにチュ-ブを出す引くを繰り返されたのでしょうか?
どーもです。撮影時の拡大率がちがうのになぜGIf動画がつながっているのか?についてですが、これは、WinJUPOPSのある機能を使うとスムーズなGIF動画ができるのでは…と気付いて試してみたらできたものです。簡単に説明すると…
WinJUPOSには複数の時刻に撮影された画像を位置補正をしてコンポジットするDe-rotationという機能があります。この機能を使って露出1分×30枚の画像を読み込ませるとデフォルトでは入力した総露出時間の中央時刻で画像を作成しますが、この出力時刻は任意で変えることができます。
で、今回は0時19分~0時56分に撮影した画像38枚を読み込ませて、出力時刻を0時25分から1分刻みで設定して0時56分までの画像を出力しました。元画像の大きさがちがってもこの機能で出力すると画像はすべて同じ大きさになるようです。この30枚の画像をつなげたのが今回のGIF動画です。
WinJUPOSのスゴイところは実際には撮影していない時間があっても時刻指定をするとその前後の画像を組合わせて撮影していない画像も作ってしまうことです。さらに、出力する画像はすべてコンポジットした画像なのでどれも解像度が良くて画質も均一です。そして驚いたのが何十枚もコンポジットしているのに衛星と衛星の影が流れないように処理する機能がついていることです。実際の過程では撮影画像ファイルをimsファイルに変換しなければならないので面倒なところもありますが単純作業なので慣れると苦になりませんよ。