12月15日、はやぶさ2のコンテナ内サンプルキャッチャーA室内部の
様子を撮影した写真がJAXAより公開されました。
この写真をWebで見た時、これはすごい!と声が出るほどの驚きを感じた。
超ビックリポイントその1
たくさんの粒子が写っているがすべてが真っ黒であること。
超ビックリポイントその2
細かい粒子もたくさん見えるがそれも真っ黒であること。
この写真を見てひとつの期待(仮説?)が浮かび上がりました。今日はそのお話です。
サンプル写真から勝手に考える期待を込めた仮説
小惑星Ryugu(1999 JU3)は炭素質コンドライトCI型である。
小惑星には大きく分けてS型とC型があります。S型は主に岩とか石が主体となっている小惑星でStorny(石質)の頭文字を取ってS型小惑星と言います。それに対して炭素質を多く含む小惑星は炭素を意味するCarbonaceousの頭文字を取ってC型小惑星といいます。C型はS型よりも表面が黒く、光の反射率が極端に低い特徴があります。(S型とC型のほかに金属質のM型もあります。)
火星と木星の間にある小惑星帯で数が多いのは圧倒的にC型ですが、C型は小惑星帯の外側にあるため地球に隕石として落ちてくることは稀で、落下隕石のほとんどがS型です。しかもC型は炭素質を多く含むため非常にもろく風雨にさらされると短期間で崩壊してしまうため、C型隕石が地上で見つかることはあまりありません。
今回はやぶさ2がサンプルを採取したリュウグウはC型小惑星なので粒子が黒いの当然ですが、写真を見ると細かい粒子を含めてすべてが真っ黒すぎるほど真っ黒です。C型小惑星は地上に落下した隕石の岩石タイプ分析から6つのグループ(CI、CM、CV、CO、CR、CK)に分けられています。
小惑星由来の隕石にはコンドリュールという粒状物質が含まれていますが、6グループの中でCI型だけがコンドリュールを含んでいません。今回公表されたはやぶさ2のサンプルがあまりにも真っ黒で、コンドリュール等を含んでいないように見えたことがCI型ではないか思った理由です。
マーチンソン隕石の写真をご覧ください。
マーチソン隕石はアミノ酸が発見されて有名になった隕石ですがタイプはCM型炭素質コンドライトです。CM型は上記写真のようにコンドリュールとケイ酸塩鉱物が明るい色の含有物として見えます。はやぶさ2のサンプルはマーチソン隕石より色が黒く、含有物が少ないように見えます。
もし、はやぶさ2のサンプルがCI型だとしたらスゴイことです。C型小惑星隕石の中で最も多く発見されているのはCM型(発見数161個)ですが、CI型はたったの6個(いずれも落下目撃隕石)しか発見されていません。C型小惑星は含水鉱物を多く含むことで知られていますが、水の含有率はCI型がダントツで20%もあります。これは密閉容器に入れて加熱すると、簡単に水分が出てきて容器の内側に水滴が付くレベルです。(ちなみにCM型の含水率は約10%です)
もし、リュウグウのサンプルがCI型でなかったとしてもC型小惑星には違いないので多くの水と有機物が発見されることは間違いないと思います。まだ開封されていないキャプチャーB室C室にはリュウグウの地下から採取されたフレッシュなサンプルが入っている可能性があるので期待大です。
今後の分析で、地球史上大きな謎となっている生命の元であるアミノ酸が地球上で生成されたのか、地球形成後の地殻にリュウグウのような炭素質小惑星が衝突して生命の「種」が蒔かれたのかというミッシングリンクに迫ることができるかもしれません。JAXAの今後の発表を楽しみに待つことにしましょう。
様子を撮影した写真がJAXAより公開されました。
この写真をWebで見た時、これはすごい!と声が出るほどの驚きを感じた。
超ビックリポイントその1
たくさんの粒子が写っているがすべてが真っ黒であること。
超ビックリポイントその2
細かい粒子もたくさん見えるがそれも真っ黒であること。
この写真を見てひとつの期待(仮説?)が浮かび上がりました。今日はそのお話です。
サンプル写真から勝手に考える期待を込めた仮説
小惑星Ryugu(1999 JU3)は炭素質コンドライトCI型である。
小惑星には大きく分けてS型とC型があります。S型は主に岩とか石が主体となっている小惑星でStorny(石質)の頭文字を取ってS型小惑星と言います。それに対して炭素質を多く含む小惑星は炭素を意味するCarbonaceousの頭文字を取ってC型小惑星といいます。C型はS型よりも表面が黒く、光の反射率が極端に低い特徴があります。(S型とC型のほかに金属質のM型もあります。)
火星と木星の間にある小惑星帯で数が多いのは圧倒的にC型ですが、C型は小惑星帯の外側にあるため地球に隕石として落ちてくることは稀で、落下隕石のほとんどがS型です。しかもC型は炭素質を多く含むため非常にもろく風雨にさらされると短期間で崩壊してしまうため、C型隕石が地上で見つかることはあまりありません。
今回はやぶさ2がサンプルを採取したリュウグウはC型小惑星なので粒子が黒いの当然ですが、写真を見ると細かい粒子を含めてすべてが真っ黒すぎるほど真っ黒です。C型小惑星は地上に落下した隕石の岩石タイプ分析から6つのグループ(CI、CM、CV、CO、CR、CK)に分けられています。
小惑星由来の隕石にはコンドリュールという粒状物質が含まれていますが、6グループの中でCI型だけがコンドリュールを含んでいません。今回公表されたはやぶさ2のサンプルがあまりにも真っ黒で、コンドリュール等を含んでいないように見えたことがCI型ではないか思った理由です。
マーチンソン隕石の写真をご覧ください。
マーチソン隕石はアミノ酸が発見されて有名になった隕石ですがタイプはCM型炭素質コンドライトです。CM型は上記写真のようにコンドリュールとケイ酸塩鉱物が明るい色の含有物として見えます。はやぶさ2のサンプルはマーチソン隕石より色が黒く、含有物が少ないように見えます。
もし、はやぶさ2のサンプルがCI型だとしたらスゴイことです。C型小惑星隕石の中で最も多く発見されているのはCM型(発見数161個)ですが、CI型はたったの6個(いずれも落下目撃隕石)しか発見されていません。C型小惑星は含水鉱物を多く含むことで知られていますが、水の含有率はCI型がダントツで20%もあります。これは密閉容器に入れて加熱すると、簡単に水分が出てきて容器の内側に水滴が付くレベルです。(ちなみにCM型の含水率は約10%です)
もし、リュウグウのサンプルがCI型でなかったとしてもC型小惑星には違いないので多くの水と有機物が発見されることは間違いないと思います。まだ開封されていないキャプチャーB室C室にはリュウグウの地下から採取されたフレッシュなサンプルが入っている可能性があるので期待大です。
今後の分析で、地球史上大きな謎となっている生命の元であるアミノ酸が地球上で生成されたのか、地球形成後の地殻にリュウグウのような炭素質小惑星が衝突して生命の「種」が蒔かれたのかというミッシングリンクに迫ることができるかもしれません。JAXAの今後の発表を楽しみに待つことにしましょう。
はやぶさ2、今回もJAXAツイッターでの実況でどきどきしていました。カプセル突入はテレビ中継もやって、さらに前回通り定刻に見えてさすがでした。
さて、私も黒粒だらけでびっくりしました。C型小惑星は石炭並みということなのでやっぱり、と思いましたがはて?炭素が黒いのは単体のときではないのか?地球内部で炭素の単体はダイヤモンドくらいじゃないのかなぁ。ほかの元素同様、酸化物や塩化物、硫化物になってんじゃないのだろうか。いったいどんな鉱物なんでしょうね。
詳しいことは分かりませんが、見た目が石炭片に似ている炭素質コンドライトの炭素含有率は一番多いCI型でも3~4%だそうです。組成の多くは微細な含水珪酸塩鉱物の層状粘土鉱物や蛇紋石、瀉痢塩のようです。それと少量の鉄鉱物(磁鉄鉱、磁硫鉄鉱など)が含まれているとのことです。特徴としては熱変成をほとんど受けていない(0℃~200℃程度)ので太陽大気組成を残した資源的な鉱物らしいのですが、今回はやぶさ2が持ってきたリュウグウの岩石には地上で発見されている炭素質コンドライトには無い成分が含まれている可能性があるようなので、世紀の大発見がありそうですね。