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小惑星2020 QG

2020年08月19日 | 隕石・小惑星
2020年8月16日04時09分UTC(日本時間13時09分)に小さな小惑星(2020QG)が地球近傍をかすめて通過していきました。その距離は2,950km、これは最接近距離のワールドレコードです。



小惑星(2020 QG)が発見されたのは地球近傍を通過した6時間後。米国カリフォルニア州パロマーマウンテン--ZTFによって発見されました。この小惑星は地球軌道の外側から接近していたが、最接近直前に地球軌道の内側に入り込んだため事前の発見ができなかったものと思われます。










小惑星の推定直径は2.9~6.4m、アポロ群に属し、地球への最接近距離が0.0076LD(2,950km)だったことから、2011CQ1(5,480km)を抜いて地球に接近した小惑星の歴代1位となりました。



緑ラインは地球に対する小惑星の見かけの動き、緑色のマークは約30分間隔での小惑星の位置、灰色ラインが月軌道を表しています。↓



青い矢印は地球の動きの方向を指し、黄色の矢印は太陽の位置を指しています。

今回の小惑星は推定直径が4メートル前後のため地球に脅威を与える大きさではありませんが、衝突していれば習志野隕石程度の大火球になったと考えられます。




接近小惑星ランキング(距離編)
■ 1位 2,950km(0.0076LD) 2020.8.16(2020QJ)4m
■ 2位 5,480km(0.014LD) 2011.2.4 (2011CQ1)* 2m
■ 3位 6,200km(0.016LD) 2019.10.31(2019UN13) * 1m
■ 4位 12,000km(0.031LD) 2011.6.26(2011MD)* 10m
■ 5位 13,403km(0.034LD) 2020.5.4(2020JJ)4m
■ 6位 14,000km(0.036LD) 2009.11.6(2009VA)* 6m
■ 7位 16,913km(0.044LD) 2016.3.5(2013TX68) 30m
■ 8位 26,908km(0.069LD) 2013.12.23(2013YB) 2m
■ 9位 27,700km(0.072LD) 2013.2.16(2012DA14)** 58m
□10位 38,000km(0.1LD ) 2008.11.3(2008VM) 4m
□10位 40,000km(0.1LD ) 2014.9.7(2014RC) 19m
□11位 55,000km(0.2LD ) 2019.7.25(2019 OK) 79m 
□12位 72,000km(0.2LD ) 2009.3.2(2009DD45)* 35m
□12位 72,000km(0.2LD ) 2014.3.6(2014EC)* 10m
□13位 76,000km(0.2LD ) 2009.3.18(2009FH) 21m
□13位 76,000km(0.2LD ) 2009.10.22(2008UM1) 2m
□14位 79,000km(0.2LD ) 2010.9.8(2010RF12)* 9m
□15位130,000km(0.3LD ) 2010.1.30(2010AL30)*18m
□16位130,000km(0.3LD ) 2013.2.5(2013CY32)* 10m 
□17位153,000km(0.4LD ) 2014.3.6(2014EF)* 7m 
□18位190,000km(0.5LD ) 2009.2.2(2009CC2) 12m 
□19位248,000km(0.6LD ) 2010.9.8(2010RX30)* 16m
□20位266,000km(0.7LD ) 2009.6.1(2009KR21) 21m
□20位306,605km(0.7LD ) 2020.6.5(2020LD) 119m
□21位342,000km(0.9LD ) 2009.3.6(2009EW) 23m
□21位342,000km(0.9LD ) 2009.10.17(2009TM8) 17m
□21位342,000km(0.9LD ) 2014.3.5(2014DX110)* 31m

↑推定直径の前にある*印をクリックすると過去ブログにジャンプします。

■<GEO(静止衛星軌道) = 35,786 km、□<1 LD(月軌道) = 384,401 km

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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
超接近 (ich)
2020-08-22 19:37:44
晴れスターさん
 この小惑星のことは,一般のスマホニュースにも出てきたのでよく知られていることでしょう。しかし地球半径の半分ですからね,そうとう近いです。場所が分かればISS内の飛行士も見えたのではないでしょうか?
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大火球 (晴れスター)
2020-08-23 09:30:59
ichさん
 またしても関東地方で大火球が流れましたね。秋は接近小惑星が増加する傾向がありますが、やはり今年は多い気がします。

 接近小惑星がISSの窓から見えたら絶景ですね。ISSにとっては微小天体との衝突は致命的なので本音としては見たいような見たくないような対象だと思います。余談ですが現在ISSでは微小なエア漏れが続いているのでロシアセグメントに全クルーが移動してアメリカ側の全モジュールをチェックするようです。宇宙飛行士のメンタルはスゴイですね。そのような環境での長期滞在は…私は無理です。
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接近小惑星ランキング(距離編)の情報源 (tofu)
2020-09-24 12:29:14
初めまして。小惑星最接近について調べていたところこちらの記事に辿り着き楽しく読ませていただきました。
ひとつ質問なのですが、接近小惑星ランキング(距離編)はどちらの情報を参考に作成しているのでしょうか。よければ教えていただきたいです。

JPL/SBDB(https://ssd.jpl.nasa.gov/sbdb.cgi)によると、ランキング外の2020 GY1も0.2 LDほどの距離を通過しているようです。

どうぞよろしくお願いいたします。
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情報源について (晴れスター)
2020-09-24 19:10:21
tofuさん はじめまして
当ブログにお寄りいただきありがとうございます。

 ご質問のあった接近小惑星ランキング(距離編)の情報源ですが、おもにSpaceWeather.comでニュースになっている記事をもとに書いています。ランキングを書き始めた頃は月軌道衛内に入り込む小惑星はそれほど多くなかったのですが、最近は観測精度が向上して頻繁に接近小惑星の情報が公開されるようになりました。

 今日現在で月軌道内に入り込んだ小惑星は2020年だけで67個もあります。そのすべてをブログに書いているわけではないのでご指摘のようにランキングはすべてを網羅しているものではありません。過去ブログへのリンクが貼ってあるので便宜上載せていますが、あくまでも個人的なランキングとしてとらえていただければ幸いです。

 接近小惑星については、THE WATCHERS というサイトのSPACE→Near-Earth Objectsを見るとたくさん情報が載っていますので見やすいかと思います。
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(Re)情報源について (tofu)
2020-09-25 18:09:00
晴れスター様、
お返事ありがとうございます。
興味深いサイト(THE WATCHERS)も教えていただきありがとうございます。

これからも引き続き楽しみに拝見させていただきます。
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