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晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

ISS画像 ステレオグラム(立体写真)

2021年06月17日 | ISS(国際宇宙ステーション)
6月2日に撮影したISS画像で立体写真を作ってみました~。

立体写真の見方には「平行法」と「交差法」の2種類があります。
それぞれ見方にコツがあるので始めに説明しま~す。

平行法による立体写真の見方
・左の目で左の写真を右の目で右側の写真を見る方法です。
・見方は写真から30~40cm離れて写真を見つめます。
・この時、画面後方の遠くの物を見る感覚でぼーっと見てると
 写真が4枚(または3枚)見えます。内側の2枚が重なれば立体視成功です。
(2枚の写真の間隔が開くと見にくくなるので写真は小さくしてあります)

ISS立体写真(平行法)



交差法による立体写真の見方
・交差法は左の目で右側の写真を右の目で左の写真を見る方法です。
・こちらは訓練が必要といわれていますが私はこちらの方が簡単です。
・コツは寄り目の状態にすることです。寄り目にすると写真がそれぞれ
 二重に見えるので真ん中の写真が重なれば立体視成功です。
・交差法の良いところは大きな写真でも立体視できることです。
 下記写真はクリックすると拡大できますのでどうぞお試しを~。

ISS立体写真(交差法)




上記写真はISSが近づいているときの写真です。クルードラゴンが手前に見えて
太陽電池パネルが後方に見えていれば立体視成功ですが、反対に見えるときは方法を
変えてもう一度試してみてください。



ISS立体写真(交差法)


↑ こちらの写真は撮影間隔が短いことと真下からのアングルなので立体感はイマイチですね。




ISS立体写真(交差法)


↑ 立体画像で見ることによって1枚画像では気付かなかった細部が見えてきます。




ISS立体写真(交差法)


↑ 立体視でトラスにあるカナダアームとプログレス77の太陽電池パネルが確認できます。



↓ こちらが現在のISSの様子です。




確認できるのはこれくらいかな? 説明入れるとちょっと見にくいですね。失礼しました~。




ISS画像 コンポジット(ステライメージ編)

2021年06月10日 | ISS(国際宇宙ステーション)
ISSのコンポジット方法、その2ステライメージ編です。

ステライメージでのコンポジット手順は下記のとおり
元動画→PIPPでTiff画像に保存→解像度の良いフレームで連続している画像をセレクト
→ステライメージでコンポジット→ステライメージで画像処理→完成

今回PIPPで保存されたTiff画像は5~600枚あります。
この中から解像度が良くて時間的に連続している画像を選びます。


選んだら、あとはステライメージでコンポジット(バッチ処理)します。


コンポジットが終わったらステライメージで画像処理をして完成です。
で、こちらが14枚コンポジットした画像と1枚画像の比較GIFです。(クリックで拡大)



14枚コンポジット(№3420-3433)↓

2021.6.2 20h06m45.507s - 20h06m45.601s


25枚コンポジット(№3420-3444)↓

2021.6.2 20h06m45.507s - 20h06m45.695s


12枚コンポジット(№3988-3999)↓

2021.6.2 20h07m01.441s - 20h07m01.535s


20枚コンポジット(№5026-5045)↓

2021.6.2 20h07m34.489s - 20h07m34.630s


8枚コンポジット(№5473-5480)↓

2021.6.2 20h07m46.705s - 20h07m46.768s

〈考察〉
 ステライメージでのコンポジットは想像以上に効果があった。撮影時の解像度に依存することではあるが、25枚コンポジットしても画像が大きくずれることはなかった。これは一重にステライメージの位置合わせ機能の精度が高いことにつきると思う。しかし、位置合わせを実行した写真を重ねてみると大気の揺らぎでISSの形が写真ごとに微妙に変化しており、ぴったり重ねることは困難であった。よほど安定した気流での撮影か、または揺らぎをキャンセルするソフトが無い限り1枚画像のようなシャープさを求めるのは無理な感じがする。

 2020年10月から始めたISS拡大撮影(惑星カメラ編)はシステムの完成および画像処理方法のとりあえずの確立で今回を持って終了としま~す。次回からは新たなミッション「ISS拡大撮影(惑星カメラ・カラー編)」が始まります。解像度が悪くて大気分散も拾ってしまうカラーカメラでどこまでモノクロカメラに迫れるか挑戦します。もちろん好条件パスの時はモノクロカメラ優先でISSの撮影は行いますので、随時ブログでアップしていきます。


参考比較画像




過去ブログ↓
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その8 2021.6.2
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その7 2021.5.30
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その6 2021.5.15
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その5 2021.5.14
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その4 2021.4.7
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その3
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その2 2021.2.19~2021.3.12
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その1 2020.10.5



ISS画像 コンポジット(AS!3でスタック編)

2021年06月10日 | ISS(国際宇宙ステーション)
6月2日に撮影したISS画像のコンポジット処理がやっと終わりました。

 効果的なコンポジット方法を求めて試行錯誤すること1週間…まだまだ
満足する処理ではありませんがとりあえずここまでの記録をまとめておきます。

 今回は2つの方法でコンポジット(スタック)をしてみました。以下そのまとめです。

方法1 AS!3で動画からスタック
元動画→SER Playerプレーヤーで動画確認→解像度の良いフレームをセレクトしてAS!3でスタック
→Registax6でウェーブレット→ステライメージで画像処理→完成


方法2 ステライメージでコンポジット
元動画→PIPPでTiff画像に保存→解像度の良いフレームで連続している画像をセレクト
→ステライメージでコンポジット→ステライメージで画像処理→完成


今回は、方法1について説明していきます。
①始めにSER Playerプレーヤーで動画を確認します。(↓クリックで拡大)


②次に解像度の良いフレームをセレクトしてAS!3でスタックします。


③Registax6に引き継いでウェーブレット処理を行います。


④ステライメージで画像処理をして完成です。


〈考察〉
 AS!3を使用してISS動画からスタックすることは出来たが、スタックするコマ数が少ないからか画像処理をしても荒さが目立つ画像になった。ISSのきぼう棟をみるとよく分かるがモザイク状の模様が現れており、これではスタックした意味がない。この原因については処理工程のどこかに改善余地があると思うが現在模索中。AS!3のキモはアライメントポイントの配置にあると思うがこれについてもまだ正解を見つけられない状態で、AS!3でのスタックはまだ可能性があるのかこれが限界なのかは不明。

 次回は、ステライメージでのコンポジットで~す。結論からいうとこちらの方が簡単でしかもかなり満足のいく処理が出来ました~。




ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その8

2021年06月05日 | ISS(国際宇宙ステーション)
6月2日のISS拡大撮影の記録です。
今回の通過は直距離が433km、最大仰角は76°で、これは5月14日以来の
好条件パスとなります。

イベントデータ




 さて、気になる天気ですが、windy予報ではISS通過時の雲量は8%、
南西から曇りエリアが近づいてきます。薄雲がかかる可能性大です。

 
 最も大事なファクターである気流を見てみると、200hPa(11,700m)の
風速が秒速63mだったので、これは望み薄だなぁーと思っていたのですが、
撮影直前に見たアルクトゥールスの瞬きが落ち着いています。

200hPa(11,700m)の風速予報

500hPa(5,500m)の風速予報


 ひょっとしたら悪くない気象条件なのかも…と思いつつ撮影した画像は
なんとこれまでに見たことないほど良好な解像度でした。


 撮影直前の光軸調整とアルクトゥールスでのピント合わせを念入りにしたことが
奏功したのかもしれません。

 撮影システムはいつもの 30cm(F5)+Powermate2×+174MM+IR Pass Filter(685nm)です。
Shutter=0.988ms、Gain=300 (75%)、FPS (avg.)=44、Frames captured=9983

クリックで拡大↓

クリックで拡大↓


 上記画像はコンポジットなしの1枚画像です。今回はコンポジットに耐えられる画像を
複数枚取得できたので現在画像処理中です。コンポジットの効果については後日ブログに
アップする予定です。

 以下は今後の撮影のための参考資料です。
SCW雲形観測画像


SCW雲量観測画像


SCW衛星画像


SCW広域衛星画像



過去ブログ↓
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その7 2021.5.30
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その6 2021.5.15
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その5 2021.5.14
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その4 2021.4.7
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その3
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その2 2021.2.19~2021.3.12
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その1 2020.10.5


ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その7

2021年06月01日 | ISS(国際宇宙ステーション)
5月30日のナイトパスで行ったISSテスト撮影の記録です。

イベントデータ


 今回のパスは5月15日と同じ北天通過コースで、最大仰角、直距離もほぼ
同じなので、今回はカメラではなくファインダーの追尾精度について調べて
みました。

 普段使っている正立ファインダーは接眼部から目が離れると目線がずれて
しまい正確な追尾ができないというデメリットがありますが、望遠鏡に付け
ているもう一つのファインダー「テラルドファインダー」はガラススクリー
ンにサークルが投影されているためファインダーから目を離しても対象が望
遠鏡の視野から外れることがありません。
 
 ということはテラルドの方が絶対追尾精度がいいでしょう!と思いがちで
すが、テラルドは光学レンズを使用していないのでサークルが小さいことと
サークルが示す実視界が広いというデメリットがあります。

 テラルドファインダーの赤色三重サークルが示す実視界は外円から、4°/
2°/0.5°/ です。つまり一番内側の視界は30′で満月とほぼ同じになります。

 現在の撮影システムでの174MMカメラの写野は0.22°×0.14°(13′×8′)なので
内側のサークルのさらに中心でISSを維持しなければ追尾できない計算になります。

 これはかなり厳しいものがありますね。で、実際に撮影してみました。

Powermate2×+174MM+IR Pass Filter(685nm)
Shutter=0.844ms、Gain=350 (87%)、FPS (avg.)=34


 結果はご覧のとおりでした。写っていたのたったこれだけ… なんと動画のほとんどが
真っ黒でわずかにしかキャプチャーされていませんでした。やはり0.5°(30′)の視野では
広すぎるようです。正立ファインダーのサークルは視野が0.2°ですがこの差は思った以上
に大きいことがよくわかりました。

 以上、ファインダーの比較テストでした~。


過去ブログ↓
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その6
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その5
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その4
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その3
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その2
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その1

野口宇宙飛行士と星出宇宙飛行士が搭乗するISS撮影記録③

2021年05月21日 | ISS(国際宇宙ステーション)
ISS 11 ミッション 撮影記録③ 〈ラストチャンス編〉

プロジェクト4日目の朝に巡ってきたフルサイズデジカメで拡大撮影を
行う最後のチャンス! イベントデータはこんな感じですが…

残念ながら天気が良くありません。
見える星は1等星のみ、アークトゥルスでピン合わせはしたものの
通過5分前には1等星も見えなくなりました。

しか~し、ISSの明るさは-3.5等級もあります。薄雲を通して撮影
できる可能性は十分あるのでセッティングして待機です。


…時間です。すでにアークトゥルス付近を-3等級の明るさで通過し
ているはずですが全く見えません。その時です…

キター!!! なんと最大仰角付近で突然見え始めました。

急いでドブソニアンのファインダーを覗いて追尾しようとしたとき…
わぉ!!! 大問題発生です! なんと屋根でISSが見えません…

痛恨のミスです…驚愕の大ショックです。敗因は、少しでも長い時間撮影できるように
と望遠鏡のセッティング場所を変更したのですが、曇っていて星が見えなかったため設
置場所をミスったことによります。 

最大仰角を過ぎたころに屋根の死角から脱出したISSが見えたので撮影を試みましたが、
雲で減光したISSはカメラに写っていませんでした。残念~。

こちらは記録用に設置していたカメラが捉えた野口宇宙飛行士と星出宇宙飛行士が搭乗
するISSのラストショットです。見えていたのは最大仰角の前後だけ…

2021/4/28 03h33m03s D90 f28mm f/2.8 ISO1600 f6.3 3sec

かくして ISS 11 ミッションは、以上を持って終了となりました。
野口宇宙飛行士の帰還が延期となったことで4/28午前中に宮城県内で見られる太陽面通過も
ISS 11 ミッションのオプションとして入ったのですが、天気が本曇りとなり撮影は出来ません
でした。

今回のプロジェクトは4/25~4/28の4日間という短い期間でこれだけ撮れたのはラッキー以外の
何物でも無いですが、撮れなかった3回が全て好条件のパスだったことはちょっと残念です。

野口宇宙飛行士は3度目の宇宙滞在を終えて無事帰還しましたが、ぜひこれまでの経験を
生かしてベテランアストロノーツとして月軌道周回宇宙船ゲートウェイに日本人初滞在を
してほしいですね。

宇宙飛行士のレジェンド、ジョン・ハーシェル・グレン宇宙飛行士は77歳で宇宙に行って
ますから、野口宇宙飛行士はこの最高齢宇宙飛行士77歳の記録を破って伝説の宇宙飛行士
になってほしいなーと個人的には思っています。

多くのアストロノーツは早々と宇宙飛行士をリタイヤして経験を生かしたビジネスに転職
していますが、野口宇宙飛行士はリタイヤすることなく次の目標に向けてすぐ訓練を始める
ところが素晴らしいなぁといつも思います。これからも野口さんの言葉で地球の美しさと
宇宙のことを教えてもらいたいと切に願うところです。

野口宇宙飛行士と星出宇宙飛行士が搭乗するISS撮影記録②

2021年05月20日 | ISS(国際宇宙ステーション)
ISS 11 ミッション 撮影記録② 〈Lunar transit 編〉

 ここは宮城県北部の登米市。登米市は有数の米所でとにかく空が広くて…星がとてもキレイに
見えるところです。えー、現在時刻は02時15分、野口宇宙飛行士と星出宇宙飛行士が搭乗するISS
が満月前面を通過するのは04時15分ですが、今の時期は深夜でもISSのパスが見えるので、今宵は
ISSの連続ウオッチングです。

4月27日 02時45分のイベントデータ




 最大仰角は23°で距離も遠いパスですが高度が低いので地上の景色と一緒に写すことが
出来ます。しかも、地球の影から出現して地平線に沈んでいくという美しいパスで、ISS
の下では木星と土星が輝いているというおまけ付きです。

 ISSが地球の影から出て朝日を浴び始めました。いつも思うことですが、あの光の中に
人がいることが不思議で…人類はスゴイモノを作ったなぁと感動です。

2021/4/27 02h43m38s~02h46m56s D90 18-200mm f/3.5-6.3 f18mm ISO400 f3.5 4sec × 48

GIFアニメ(クリックで拡大)


 ISSは地平線に沈む前に地球大気の中に溶け込んで見えなくなりました。今見送ったISSが
地球を1周して戻ってきたときに満月を通過します。それまでにISSが満月の中心を通るピン
ポイントの場所に移動して機材をセッティングしなければなりません。


現地に赴いてのロケハンはしてませんがグーグルマップで目星は付けてきました。

場所は迫川の北にある用水路の土手、石越有機センターの東側です。ここで赤道儀
を設置して待機です。

満月通過時のイベントデータ

満月通過時はISSは地球の影の中なのでシルエットで満月を通過します。
満月通過時のISSまでの正確な距離は1847.99kmです。


 ここまでの準備は順調だったのですが予想外だったのは… 太陽高度-6°は思った以上に
夜明けだったわけで、そして最大の誤算は距離1847.99kmがとんでもなく遠距離でした。

 録画した動画を確認すると黒ごま粒状のISSが左下から右上に向かって5秒かけて通過する
姿が映っていました。これがオリジナル動画では見えるのですがYouTubeに落とした動画で
は残念ながらほとんど見えません。ISSの視直径は15秒なので限界かと思います。





YouTube上で見るためには全画面表示にして5回くらい繰り返し再生すると右上付近を
通過する様子が見られるかもしれません。

 画質はともかく、この3日間で拡大撮影(惑星カメラ)、比較明合成写真(GIFアニメ)、満月面通過(ビデオ)を撮影できたことは奇跡に近いことです。残るはフルサイズデジカメでの拡大撮影だけなのですが、なんとプロジェクト4日目の朝にそのチャンスが再度巡ってきます。直距離は483km、最大仰角は60°です。条件としては悪くありません。4日目に巡ってきたラストチャンス! 果たして結果はいかに、続きは次回のブログで…





野口宇宙飛行士と星出宇宙飛行士が搭乗するISS撮影記録①

2021年05月19日 | ISS(国際宇宙ステーション)
 デジカメ本体の記録カードに入ったまま出力されていない写真を発掘するブログ週間三日目は、
11年ぶりに日本人宇宙飛行士2人が搭乗しているISSを激写するミッション「ISS 11(イレブン)プロジェクト」の撮影記録です。

 ISS 11(イレブン)は、ISSに滞在する宇宙飛行士がスペースシャトル退役後としては最多人数の11名になったことも意味しています。

 野口宇宙飛行士と星出宇宙飛行士が軌道上で同時滞在したのは4月24日から5月2日までの9日間。もっとも野口宇宙飛行士の帰還が天候不良で4日遅れての9日間ですので当初の予定では同時滞在はたったの5日間でした。

 わずか5日間の間にISSを撮影することは全てが天候に左右されるので1回も撮れないことが容易に想像されます。そこで、撮影計画としては、とにかく眼視で見えるパスはISSまでの距離が遠くても必ず撮影を試みるとしました。

星出宇宙飛行士が到着した翌日、4月25日に最大仰角75°、直距離438km、-3.6等級という絶好のチャンスがあったのですが、天空の女神は微笑んではくれませんでした。

 その翌日、4月26日の通過は最大仰角40°、直距離633km、-2.8等級と条件は良くありませんが、天気が何とか持ちそうだったので惑星カメラでの拡大撮影にチャレンジすることにしました。距離的にも気象条件的にも無理があることは分かっていましたが、撮れるときに撮っておこう!の精神でチャレンジしました。

イベントデータ




 しか~し、撮れた映像はとても満足のいくものではありませんでした。距離的にも気象条件的にも無理があったのですが、もう一つのマイナス要因として惑星カメラ撮影の不慣れがあったわけで… テスト中のシステムを実践で使うとほころびが出る結果になることを痛感させられました。

 

撮影データ
 D300mm f1500mm + ASI290MC + UV/IR Cut Filter
 Shutter=0.882ms Gain=275 (45%) FPS (avg.)=13

 ご覧のとおりボケボケの動画ですが、野口宇宙飛行士と星出宇宙飛行士が搭乗するISSの動画を撮影するという目的は一応果たせたので惑星カメラ部門はクリアです。残るは比較明合成部門とビデオ部門と拡大撮影デジカメ部門です。ファイト~

 さて、次回のブログは本日の続き、ISS 11 ミッション の撮影記録② で~す。

次回の予告:4月の満月ピンクムーンの日に宮城県北部でISSの月面通過の予報が… 天気は快晴! 日本人2人が搭乗するISSが満月の前面を通過するという千載一遇のチャンス… はたして撮影は成功したのか? 満月の中心通過ラインを目指した遠征記録です。
  
ISS 11 ミッション 撮影記録② 〈Lunar transit 編〉



ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その6

2021年05月15日 | ISS(国際宇宙ステーション)
昨夕の撮影に引き続きモーニングパスで惑星カメラテストです。

イベントデータ


 直距離が500kmオーバーなので条件としてはよくありませんが、
この先天気が悪くなる予報ですので9回目のテスト決行です。

 北天通過コースは撮影可能範囲が真北から北北東までとなるので
限定的な撮影となりました。

 さて、今回の露出ですが昨夕の撮影よりシャッタースピードを速めて
0.813msで撮影しています。ゲインは距離も遠いので350まで上げて
みました。

 空の状態は昨夕とほぼ同じですが星の瞬きが若干目立っています。
気流が少し悪くなったように感じます。

 こちらは撮影した動画をしきい値100で編集したものです。


 今回初の試みとしてコンポジットをしてみました。

6枚の写真をコンポジットしてからステライメージで画像処理

 こちらがコンポジットする前の1枚画像



 わずか6枚のコンポジットですが効果はあるようです。今後、効果的なコンポジットに
ついても探っていくことにしましょう。



過去ブログ↓
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その5
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その4
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その3
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その2
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その1

ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その5

2021年05月15日 | ISS(国際宇宙ステーション)
なかなか天気に恵まれず惑星カメラによるISSテスト撮影が中断状態にありましたが、
やっと晴れました~!

ということで、ISS拡大撮影(惑星カメラ編)8th トライアルの記録で~す。

撮影日時は5月14日20時30分、イベントデータは下記のとおり。



久々の天頂通過コースで条件としては申し分ありません。

本日の撮影は、Powermate2×+174MM+IR Pass Filter(685nm)の最強システムです。
 焦点距離3000mm、カメラの写野角はわずかに0.22°×0.14°です。これはファインダーの
センターサークルを二回り小さくした大きさなのでピンポイントで導入する必要があります。

 撮影のカギとなるパラメーターですが今回はこれまでの経験則を生かして…
シャッタースピードは0.988ms、ゲインは280(70%)でトライします。

 空の状態はモヤッとした透明度がイマイチの感じですが、夕方から飛行機が
長い飛行機雲を引きずって飛んでいたので気流は悪くない感じがします。

 おっと、時間です。ISSが南西の空に現れました。深呼吸をして撮影開始です。

 案の定、天頂付近は追尾できませんでしたが何とか撮影できました。

 今回もPIPPで動画を編集しています。しきい値は100にしてあります。


 途中で何度もロストしているので動画がぶつ切れですが、クルードラゴンも
ズベズダの太陽電池パドルもはっきり写っています。8回目にしてやっとまともな
動画が撮れた感じがします。


こちらの動画はキャプチャーした画像をすべてつないだノーカット版です。

 この映像を見ると、見え始めから天頂まではスムーズに追尾できていますが
天頂前後は追い切れていないことがよくわかります。


 下記画像は全てのコマをチェックしてクリアに写っているコマをピックアップして
ステライメージで画像処理したものです。








 直距離430kmでの拡大率はこのくらい… デジカメで撮るより大きく写っていますが、
惑星カメラ174MMの画総数は230万画素なので解像度的には劣ります。


 今回はこれまで撮影したどのISSよりも高解像度の写真が撮れましたが、新たな課題も見えてきたので、さらにテストを重ねて行くことにしましょう。

 ISS拡大撮影のベストシーズンは8月です。梅雨に入る前にあと数回はテストしたいところですが
今年の梅雨の天気はどんなもんでしょうね~。五月晴れが多いといいのですが…。


過去ブログ↓
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その4
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その3
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その2
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その1