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晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

4月24日03時28分のISS

2021年04月24日 | ISS(国際宇宙ステーション)
星出宇宙飛行士が搭乗するCrwe-2が無事リフトオフしました。

 LIVE映像を見ていましたが、クルードラゴンが分離するところを第2段ロケットから撮影
した映像は、映画のワンシーンを見ているようでその美しさに感動でした。

 夜が明けた大西洋を東へ飛行するクルードラゴン

 遠ざかるクルードラゴンと漆黒の宇宙、そして青い地球、まさに宇宙航海時代だ!!


 星出宇宙飛行士の長期滞在ミッションがいよいよ始まりますね。二期連続で日本人宇宙飛行士がISSに滞在するのはうれしい限りです。野口宇宙飛行士もお疲れさま~!無事の帰還をお待ちしています。

さて、昨日のブログで紹介したクルードラゴンとISSのランデブー飛行ですが、リフトオフのわずか9時間後ではさすがに並んで見えるほど接近はしていないので、今回のパスはISSの後方をクルードラゴンが飛行しているという形になります。

 問題はISS通過時にCrew-2がどのくらい後方を飛行しているかということですが、残念ながらその軌道情報を得ることができなかったので正確な位置は分かりませんでした。

 推測するところ、Crew-2リフトオフ時にISSは地球1/4周程度前方に位置していたように記憶しているので、最大で20分、接近シーケンス次第では10分遅れくらいで通過するのでは…と道中考えていました。

撮影ポイントに到着しました。時刻は02時40分です。撮影は海岸沿いも考えましたがSCWによるとシーフォグがでる予報になっていたので今回は内陸を選びました。今夜は放射冷却でかなり冷え込んでいます。現在の気温は2℃です。

 当初のSCW予報ではこの辺でも霧が出る予報になっていましたがかなり範囲が小さくなっていたので気をよくしてさらに北に行ったところ、坂を下りた途端ウネウネとした濃霧に突入したので慌ててこの場所に戻ってきました。SCWの局地予報はけっこう正確ですね。

撮影地の空の様子はこんな感じ… 街灯や遠方の光害もありますが許容範囲です。


 さて本日の撮影システムですが、昨日の失敗にめげずにデジカメと動画の二本立てです。デジカメは28mm F2.8、動画は70mm F2.8のレンズです。本日のISSはみなみのかんむり座付近で地球の影から出てきます。その後は高度10度をほぼキープしながら木星の南を通って遠ざかります。前半は順光で明るくなりますが後半は逆光で急激に暗くなります。

イベントデータ


そろそろ時間です… 見えました! 双眼鏡の視野に明るくなっていく光点が入りました。ISSです。

 撮影を開始しましょう。デジカメは連続撮影をD90に頑張ってもらい、こちらは動画の撮影です。
やはり高度が低いのでISSの動きはかなりゆっくりです。明るさはISSとしてはかなり暗いですね。

 ふう、撮影終了です。

 で、こちらが3時27分27秒から3時29分47秒までのISSの軌跡です。

2021/4/24 03h27m27s~03h29m47s D90 28mm f2.8 ISO1600 f4.5 3sec × 42

こちらの動画は最大仰角に向かって高度を上げているISSです。

 ISSが東の空で見えなくなったあとはクルードラゴンの捜索です。双眼鏡で見る限り移動光点は見えませんが、クルードラゴンはかなり暗いと思われるので見えない可能性もあります。

 ということでデジカメ連続撮影を繰り返して、時々画像チェックをしたのですが移動光点は見つかりませんでした。ISS通過後10分間撮影を続けましたが写ってはいませんでした。デジカメに写らない明るさで通過したのかもしれません。

 なので、3時38分をラストショットとして撮影会は終了です。

2021/4/24 03h38m11s D90 28mm f2.8 ISO1600 f4.5 3sec

帰宅後に知ったことですがクルードラゴンはISSの後方、約20分のところを飛行していたそうです。あと10分ねばっていれば…と思うと残念の極みです。思い返せば、現地に向かうクルマの中でクルードラゴンは10分から20分遅れとドンピシャの予想を立てていたのに、10分で切り上げたことに後悔です。でも限界だったんです。寒さが… 撮影時の気温は1℃まで下がっていたので…あーでも悔しい!

4月23日04時15分のISS

2021年04月23日 | ISS(国際宇宙ステーション)
4月23日早朝のISS撮影記録です。

本日のイベントデータはこちら。


このパスは星出宇宙飛行士が昨日予定通りフトオフしていればCrew-2とISSのランデブー飛行が見られるという一大イベントだったのですが、打ち上げが本日に延期となったのでISSのみのパスとなりました。残念!

 もっとも、今朝のパスは薄明開始1時間後の04時15分で空もかなり明るくなっていたので反射率の低いクルードラゴンは見えなかったかもしれません。明朝のパスの方が03時28分で空も十分暗いので見える可能性としては高いと思われます。

 ただし、明日のパスは最大仰角が13°で最大光度も-1.0等なので、クルードラゴンを撮影するには光害の無いところでの撮影が必要条件となります。条件は厳しいですが天気が良ければ挑戦してみたいと思っています。

 で、今日の撮影はビデオとスチール写真の二本立てという欲張り根性丸出しで撮ったのですが、慣れないことはするものでは無くて、どちらも中途半端な映像となってしまいました。まさに二兎を追うものは一兎を得ず…でした。まー、明日の練習になったと考えれば無駄は無かったかなと思います。
 
 ビデオも写真もお見せできるレベルではありませんが記録としてアップしますのでご笑覧いただければ幸いです。ビデオは木星の上を通過していく様子です。



薄明中の空を通過するISS(野口宇宙飛行士搭乗中)

2021/4/23 04h16m48s~52s D90 18-200mm(80mm)F5.6 1/3sec

こちらは明日のイベントデータ




 う~む、あらためて見るとかなりキビシイ条件ですね。高度10°では大気減光もかなり大きいので感度を高くしてもクルードラゴンの撮影は難しいかも…。天候もベストな状態でないと写らないので難易度はMAXですね。果たして結果はいかに~。



ISS太陽面通過(4/19)

2021年04月21日 | ISS(国際宇宙ステーション)
ISS太陽面通過の撮影記録で~す。

太陽面通過を撮影したのは4月19日、撮影場所は自宅から南へ約20kmの所です。

下の図はマイホーム地点でのイベント情報なので太陽面通過にはなっていませんが
こんな感じのパスで、ほぼ最大仰角での太陽面通過です。



さて、撮影機材ですが、今回は望遠鏡蓋の絞り環に太陽撮影用減光フィルターを被せた80mm屈折望遠鏡に惑星カメラ174MM+IR Pass Filter(685nm)を装着して撮影してみました。

天候は雲が多くなかなか太陽が姿を現してくれませんでしたが、ラッキーなことに通過の時間は太陽周辺のみ雲が無くなりました。しか~し、この日は一日中暴風警報が発令されており、望遠鏡の揺れはどうすることもできませんでした。

通過予定時刻は13時55分24.36秒、そろそろです…

キター! ISSがPC上の太陽面を一瞬で通過して行きました、が…
明らかに太陽面の中ほどでISSの姿が消えました。大事なところでコマ落ちしたようです。トホホです。



今日の太陽には小さな黒点群があったのですが、見事にその上を通過して行きました。



で、こちらは惑星カメラの元動画。(↓クリックで拡大)


ご覧のように強風で太陽がブレブレです。

この動画…よく見ると、後半部分で太陽右下を何かがものすごいスピードで通過しています。
なんでしょう? 見かけ上の大きさはISSより大きくて、速度はISSよりかなり速いようです。

はて? 鳥でしょうか? それとも低軌道の人工衛星? 強風で流れてきたゴミ? はたまたUFO?

気になるので、その部分だけゆっくりめのGIF画像にしてみました。(クリックで拡大)


ふむ、確かに何かが通過しています。ISSより大きいと言っても一回り大きいくらいで視直径にすると70″前後でしょうか。動きを見ると等速度運動をしているように見えるので人工衛星かなと思いますが不鮮明なのはなぜでしょう? 速度も驚くほど速いので、う~む、分かりませんね~。ま、正体はUFOということにしておきましょう。

このGIFアニメはちょうどISSが黒点群を通過するところなので、その意味では楽しめますね。



いて座のティーポット

2021年04月21日 | ISS(国際宇宙ステーション)
おお、ティーポットだ…

スカイチェックのため早起きして外に出た瞬間、目に飛び込んできたのはいて座のティーポット…
夏の星座が目の前にこんなに広がっているとは思っていなかったので意表を突かれた感じでした。

考えてみれば当たり前のことですが、天気のことだけ考えていたので…ちょっとうれしい出来事でした。夏の星座は力強くていいですよね。見ているだけで元気をもらえます。珈琲が飲みたくなったぞ~


南西の空を見ると、さそり座が獲物をねらっているかのように空に横たわっています。


東の空では太陽系で一位二位を争う巨大惑星の木星と土星がほどよい高さで並んでいます。


すでに薄明が始まっていますが画像処理するとうっすらと天の川が浮かび上がりました。


おっと、そうそう早起きの目的はISSの撮影に備えてのピント合わせでした。


本日のターゲットは太陽高度10°のISS Daylight Pass です。


野口宇宙飛行士の長期滞在ミッションも残すところあと1週間となりましたので撮れるときに撮っておこうという魂胆です。本日のISS光度は-3.3等級です。4月16日の朝も-3.3等級のDaylight Passがあったので双眼鏡で見ていたのですが、全く見えませんでした。今日は望遠鏡もセットしてやる気満々です。方位と高度も合わせてあとは通過を待つのみです。

さ~て時間です。そろそろ来るぞ… と思いきや、まったく見えません…そんなはずは…と思い望遠鏡を振り回すも、ファインダーの中にはヒットせず… なんと見つけることができませんでした。

う~ん、予感はありました。日の出後の空はどことなくモヤモヤしていて蔵王の山々もはっきりは見えない状態でした。さらに今日のコースは天頂よりも南側にあるので逆光ルートです。やはり順光でないと昼間のISSは見えないのかもしれません。残念ですが、次の機会を待つことにしましょう。

で、おまけの動画です。これはピン合わせの時にD810Aの動画モードで撮影した4時13分の木星です。



感度を高くしているので木星も衛星も肥大しています。
カリストは肥大化した木星と重なっているのでこのビデオ映像では見えません。

撮影機材はISS撮影用のDOB30cmにパワーメイトを装着したいつものシステムで~す。


ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その4

2021年04月07日 | ISS(国際宇宙ステーション)
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)7th トライアルの記録で~す。

本日のイベントデータ


東京ど真ん中コースなので仙台からは直距離で533kmのやや遠めの通過です。


日没は18時06分ですが、18時20分になっても星が見えません。空が青い!
ピント合わせ用のシリウスを発見したのが18時25分…バーティノフマスクを使ってピンを合わせようとしたのですが、シリウスの光度が足りずはっきり見えません。とりあえず心眼で合わせたことにして撮影準備完了です。

本日の撮影システムは、Powermate2×+174MM+IR Pass Filter(685nm)です。
さて、時間です…が、ISSがやってきません。全く見えません。遅れているのか~、と思った瞬間
わぉ! すでにシリウスの上空を通過しています。かなり暗くて見つけられませんでした。

…ということで、撮影のスタートは最大仰角を過ぎてからで、高度44° 距離586kmのところです。


焦点距離を3000mmにしていますが距離が586kmもあるので拡大率はこの程度です。



こちらは18時34分03秒の動画を300pixelで切り出した一コマ(高度39° 距離644km)


スタートが遅かったので追尾は屋根で見えなくなる高度16°までしつこく追いかけました。
おっと、忘れてました。撮影データはShutter=0.876ms、Gain=250 (62%)、FPS (avg.)=44、
Frames captured=6104 です。


直距離586km , 仰角44° → 直距離 1167km , 仰角16°、58秒間


今回はシーイング対策用のIR Pass Filterを付けてみましたが、その効果があったのかよくわかりませんでした。最大仰角で撮影できなかったのは残念ですが、とりあえず動画を撮影することができたので今回のデータを基にして次回の作戦を練ることにしましょう。


ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その2

2021年03月31日 | ISS(国際宇宙ステーション)
 40年ぶりの寒波が終わりISSの拡大撮影を再開できたのは寒さが緩んだ2月… 意気込んで再開したのはいいのですが、そこからは失敗の連続で成果と言えるほどの結果は得られませんでした。なので、以下ブログは何の参考にもならないただの備忘録で~す。(^^ゞ

〈2月19日の2ndトライアルから3月12日の6thトライアルまでの記録と考察。〉

2nd トライアル
日時:2021年2月19日 天候:晴れ イベントデータ:431km、-3.8mag
撮影データ:ASI290MC、0.857ms、Gain = 100(16%)
結果:失敗(画像取得できず)
考察:アークトゥルスでピン合わせ、0等級のアークトゥルスはGain200で適正露出となった。ISSの光度は-3.8等級なのでGainを100まで落としたところなぜか全く写らなかった。撮影時の取り回しをよくするためカメラとPCを繋ぐケーブルを延長コードで接続したためFPSも極端に落ちた。金星でのピン合わせと露出調整が理想。望遠鏡の向きとファインダーを直前に確認して完璧に一致させることが必須。

3rd トライアル
日時:2021年2月21日 天候:晴れ イベントデータ(不明)
撮影データ:ASI290MC、685nmフィルター、0.8ms、Gain = 35
結果:失敗(撮影時にファイヤーキャプチャーが走らなかった)
考察:シーイング対策のためIR Passフィルターを装着して撮影を試みたがファイヤーキャプチャーが走らず動画取得失敗。ISS通過後に再度撮影を行ったときは通常どおり動いたが不具合の原因は不明。

4th トライアル
日時:2021年3月9日 5時20分12秒、天候:晴れ 
イベントデータ:北西→北→北東、最大44°、588km、-2.7mag、太陽-8.1°
撮影データ:ASI290MC、UV/IR Cut Filter、バーティノフマスクでピン合わせ
テスト撮影:ベガ0.03mag、Shutter0.850ms、Gain=181(30%)→テスト撮影成功
ISS撮影:-2.7mag、Shutter0.850ms、Gain=45(7%)、撮影時間147秒、10439frames.Fps(avg)=70
結果:失敗(何も写らなかった)
考察:ファイヤーキャプチャーDSO、Gain=45では露出不足? Gain=181でベガの撮像ができたので全く写らなかったことは謎。今回は順調にファイヤーキャプチャーが走ったので一安心だが、次回はキャプチャー開始後にヘッドランプで受光させて露光を確認すること。ファインダーの調整を確実にすること。

5th トライアル
日時:2021年3月11日 、天候:晴れ 
イベントデータ:最大58°、492km、-3.6mag、
撮影データ:ASI290MC、UV/IR Cut Filter、(図1
ISS撮影:-3.6mag、Shutter0.883ms、Gain=150(25%)、
結果:失敗(撮影できたが十分な保存ができなかった)
考察:PC画面上のカメラ映像が乱れる不具合が発生したため、旧ノートPC(Windows8)を使用したところFPSが7FPSまで落ちて十分な保存ができなかった。撮影画像はかなりの露出アンダー。ASI290MCは感度が良くない。Gain200は必要。ファインダーのガタツキを調整、光軸も直前に修正。明日は購入したASI174MM、0.8ms、Gain40でトライ。

6th トライアル
日時:2021年3月12日 、天候:薄曇り(眼視で見える星は無し、ファインダーでベガがうすく見える状態) 
イベントデータ:最大77°、430km、-3.7mag、
撮影データ:ASI174MM、UV/IR Cut Filter、(図2
テスト撮影:ベガ0.03mag、Shutter=3.282ms、Gain=400 (100%)、FPS (avg.)=56
ISS撮影:-3.7mag、Shutter=3.282ms、Gain=400 (100%)、FPS (avg.)=56、撮像105秒、5152frames.
結果:成功(画像取得、PIPPにてAVI動画作成)
考察:薄雲で見え隠れするベガでピン合わせ、ベガにてテスト撮影成功。薄雲のためISSの見かけ上の光度は1等星程度、かなり減光しているのでベガと同じ露出で撮影、ベガの近くで導入し高度30度付近まで追尾する。結果は露出オーバーだったが画像取得に成功する。焦点距離1500mmでのASI174MM画角は0.43°×0.27°(25.8'×16.2')、PIPPでAVI動画を作成するときのクロップサイズを 300pixel×300pixel、しきい値40、フレームレート20にする。しきい値40では1分24秒動画に、しきい値100では1分13秒の動画になる。しきい値を大きくすると暗い(不鮮明な)画像はカットされるため同じフレームレート(20FPS)でも完成する動画は短くなる。(図3


しきい値100 20FPSの動画はこちら→(AVI動画



↓300pixel切り出し画像 

D300mm f1500mm ASI174MM Shutter=3.282ms、Gain=400 (100%)


次回までの撮影準備として、174MMにIR-Pass Filter(685nm)を装着して月でテスト撮影を行い露出合わせと画角チェックをする。


ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その1

2021年03月30日 | ISS(国際宇宙ステーション)
昨年の秋からISSを惑星カメラで撮影することにチャレンジしていますが、これがなかなかうまくいきません。いまだ暗中模索といった感じですが、これまでの経過をメモしておくことにしましょう。

 ファーストショットは昨年の10月5日。システムはいつもの30cm(f1500mm)ドブに惑星撮影用のZWO ASI290MCを装着して撮影を試みた。55秒間追尾したが取得したフレーム数はわずかに856flameだった。記録を見るとアベレージFPSは7FPS。なぜフレームレートが低下したかは原因不明。下記画像はその時の動画のスクショ。


 フレームレートが極端に小さかったことの原因究明は急務ですが、ここで意外だったのは動画に映りこんでいるISSの大きさです。予想よりかなり大きく写っています。初めての撮影ということでパワーメイトを付けずに撮影したのでISSは小さく写るだろうと思っていたのですが予想外でした。調べてみるとASI290MCの画角は焦点距離1500mmでは、水平0.21°×垂直0.12°、対角0.25°ということです。ISSが大きく写るのはいいのですが、これだけ狭いと手動追尾で導入するのは至難の業です。

 さて、それはさておき、ご覧のように今回の画像は完全に露出オーバーです。今回のシャッタースピードは1.000ms、GAIN300(50%)です。シャッタースピードは最低でも1ms、できれば0.8msは欲しいので、GAINを調整して適正露出を探ることになります。

 下記写真は300pixel ✕ 300pixel で切り出した画像です。ピント合わせと露出を適正にすればなんとかなりそうな感じです。下記画像は撮って出しなので画像処理はしていません。


 動画の最後で雲の通過による減光?で適度な露出になる瞬間がありました。これを見ると1枚画像での画質はとても良いとは言えませんが速いフレームレートで撮影できれば複数枚をスタックできるので、そこが惑星カメラで撮影するメリットで強みだと思います。


撮影に使用した惑星カメラ ZWO ASI290MC の基本スペック。
センサー 出力イメージサイズ      FPS   有効画素        ピクセルサイズ
1/2.8型 対角6.46nm(5.6nm×3.2nm)  170FPS   1936×1096(210万画素)  2.9μm

 今回の撮影をしてみてカラーカメラは感度が劣ることと大気分散を受けて色ずれが発生するのでISS拡大撮影はモノクロの方が良いのかなと思いました。イメージセンサーは大きいほうが画角が広くなりますがFPSが遅くなるので不利になります。ZWOのカメラをいろいろと比較してみましたが総合的にみるとASI174MMが適していると思いましたした。ASI174MMの有効画像は230万画素ですがセンサーが1/1.2型でピクセルサイズが5.86μmあるので画角がASI290MCの約2倍になります。2倍になると導入も楽ですし、パワーメイトを付けて解像度の高い撮影もできます。


…ということでASI174MMの購入も検討しつつ、テスト撮影を再開したのは年が明けて2月のこと。ISS拡大撮影は2008年2月3日(→blog)から始めましたが、いよいよシーズン2のスタートです。果たして惑星カメラでISSにどこまで迫れるのか? その進捗状況はブログで紹介していきます。



下記動画はPIPPで作成した撮り始めから撮り終わりまでの記録です。ISSが写っている276frame/856frameを28秒にまとめたものです。




3月24日 ISS Daylight pass

2021年03月24日 | ISS(国際宇宙ステーション)
3月24日 ISS Daylight pass


予報どおり天気が良かったので昨日に続き今日も撮影を行いました。

条件は昨日とほぼ同じ、明るさは昨日より明るく-3.5等級です。


イベントデータ



本日の空、高層に薄雲があります。ピン合わせは今日も月で行いました。



待ち伏せポイントは最大仰角にセットして待機です。


時報が16時38分30秒を告げました。まもなくです。そろそろ… 来るはずです。
…来ませんね~、どうしたんでしょう? 見えません… おっ! いた!! 

うゎ! 明るくないぞ~、薄雲といえども雲は雲でした。予想を遙かに下回る明るさです。
昨日あまりにも明るく見えたので楽観視していました。ミスリードです。初心忘れるべからず!

見え隠れしているのでかなりキビシイですが、手動追尾開始です。
今日は5倍パワーメイトなのでファインダーのセンターサークルに入れることが絶対条件です。

雲でロストした後も全集中で再導入できました。よし、昨日よりはかなり長く追尾できたようです。
時間を確認するとファーストショットからラストショットまで32秒… え!? 昨日より2秒長いだけ…

極度の緊張の中で作業を行うときに発生する?スローモーション現象が起きたようです…。笑

今回はISO3200 1/2000秒で撮影しましたが、全体的に露出アンダーだったようです。


では、撮影した写真を見てみましょう。

こちらの写真は、RAW現像するときに露出補正をかなりしています。

2021/3/24 16:38:39  D300mm Powermate5× F25 D810A ISO3200 1/2000


オリジナルの明るさはこんな感じです。

2021/3/24 16:38:40  D300mm Powermate5× F25 D810A ISO3200 1/2000


画像処理はCaptuerNX-Dで現像してからステライメージでシャープ処理を行っています。

2021/3/24 16:38:57  D300mm Powermate5× F25 D810A ISO3200 1/2000


解像度が良くないのは焦点距離7500mmという過剰倍率か露出設定か、要検討です。

2021/3/24 16:39:07  D300mm Powermate5× F25 D810A ISO3200 1/2000


こちらは写野確認用の元画像です。焦点距離7500mmはかなりの狭視野です。




パワーメイト2倍で撮影した画像と比べるとISSがとても大きく写っていることが分かります。

データ入りの写真はこちら→photo

これで解像度良く写せれば申し分ないので、さらにテストを行うことにしましょう。
と、言いたいところですが、今週の土日は天気が悪いようなので、しばらくお休みです。

次回、条件が良いDaylight passは4月12日ですが、軌道要素は変わるので様子見ですね。

3月23日 ISS Daylight pass

2021年03月23日 | ISS(国際宇宙ステーション)
3月23日ISS Daylight pass


今週は好条件のISS Daylight passが4回もあります。チャンスです。
3月23日(-3.4等、447km、71°)3月24日(-3.5等、466km、64°)
3月27日(-3.1等、450km、69°)3月28日(-3.2等、463km、65°)
4回もあるので天気の具合を見てチャレンジしてみることにしましょう。

…とのんびり構えていたら、いきなり初日に高気圧がやってきました。

3月23日は日没30分前で太陽高度は4.1°です。条件としては最良です。


イベントデータ


待ち伏せポイントは方位角322°、最大仰角71°の北西の空にしましょう。先ほどまであった雲はだいぶ消えてきましたが北東方面に残っています。撮影は北西→真北ねらいなので問題ないでしょう。今日のピント合わせは月齢9の月です。バーティノフマスクは使わず目視で行いました。

時間です。待っていると時間どおりに正立ファインダーにISSが飛び込んで来ました。今回は30秒追尾したところでロストしました。前回よりは追えましたが習熟が必要です。


最大仰角通過2秒後のISS、直距離446km、理想的なアングルとライティングです。

2021/3/23 17:25:58  D300mm Powermate2× F10 D810A ISO1600 1/1250


青空の中で白色に光るISSはとてもキレイです。

2021/3/23 17:26:00  D300mm Powermate2× F10 D810A ISO1600 1/1250


最大仰角通過8秒後のISS、直距離453km、ラジエターパネルの反射が目立ちます。

2021/3/23 17:26:06  D300mm Powermate2× F10 D810A ISO1600 1/1250


こちらはトリミング無しの元画像です。フルサイズはAPS-Cより画角が広いので焦点距離が3000mmでも半月が写野に入ります。画角が広くなった分、当然ですがAPS-Cで撮影したときよりISSは小さく写っています。もう少し拡大率がほしいところですね。チャンスをみてPowermate5倍でトライしてみましょう。




ISS Daylight passの撮影にだいぶ慣れてきました。これまで4回チャレンジして撮影できたのは2回ですので、2勝2敗といったところです。透明度にもよりますがISSの明るさが-3等級を切るとかなり難しいようです。太陽からの離角も大きい方がいいので正午前後のpassは最大仰角が大きくても難しいように思います。天気予報では明日3月24日も天気がいいらしいので空の具合を見てチャレンジしてみることにしましょう。