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晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

CZ-2F R/B and CSS 観望記録(10/28)

2021年10月28日 | CSS(中国宇宙ステーション)
10月16日に宇宙飛行士3名を乗せた神舟13号がCSSに無事ドッキングしました。

こちらはCSS(中国宇宙ステーション)にドッキングした神舟13号の写真です。

 中国の有人宇宙船「神舟」はソユーズにそっくりですが、これを見るとソユーズのように外壁を耐熱ブランケットで覆われているわけではないですね~。帰還モジュールは金属むき出しのままのようです。

さて、神舟13号を打ち上げた長征2号ロケットボディがそろそろ大気圏に再突入するようです。

 その長征2号ロケットボディ(CZ-2F R/B)とCSSが好条件で通過するダブルパスが10月28日に見られるので拡大撮影の準備をして待っていたのですが…

 なんと通過30分前に、スマホからまさかの雨雲接近アラームです! セッティング時は快晴だったので誤報か~?と思って空を見ると…

 わわわ、北西から天頂まで黒い雲が覆い被さるように広がっています。しかも、この雰囲気は確実に雨を降らせる雲です! アラームは25分後の降雨を知らせていますがいつ降ってきてもおかしくない空模様です。迷っている暇はありません。即撤収開始です。

 望遠鏡本体撤収→経緯台も撤収→ノートPCを撤収→ここで降雨!しかもザーザー降り、その後のテーブル等の片付けは雨の中でしたが主要機材は無事だったので間一髪でした~。

 まー、秋の天気はなんとやら~と言いますので仕方ありませんが、納得いかないのは通過時間にはほぼ雲が無くなったことです。それが分かっていたら望遠鏡にシートを被せて待機したのですが…

 …ということで今宵は双眼鏡とコンデジでお気楽ウオッチングです。
CZ-2F R/Bイベントデータ、本日の高度はわずかに241kmです。



 太陽高度は-7° なので見えてる星はベガだけで…さすがに見えないかな~と思った直後、ベガに近づく高速移動物体が… どひゃ~、CZ-2F R/Bです。思わず体が反応して写真を撮ってしまいましたが手持ちではCZ-2F R/Bは当然ですが写りません。CZ-2F R/Bは明滅することなく一定の明るさ(推定1等級)で飛行していきました。

2021.10.28 17h15m56s Canon G7X F2.8 ISO10000 1/60

〈2021.11.5 追記〉
CZ-2F R/B落下情報:大気圏再突入日 2021.11.1  最終軌道:Apogee160km Perigee131km Period87min
落下地点:南緯41.5° 東経121.8° メルボルン沖(map


気を取り直して次はCSSです。



 こちらは動画で撮ってみました。下の動画ははくちょう座のデネブ下方を通過するところから始まります。今日のCSSは天頂を過ぎてから明るさを増して地球の影に入るまでその明るさをキープしていました。

CSS(中国宇宙ステーション)2021.10.28

Canon G7X  F2.8  ISO5000

現在のCSSはこんな感じです。

機会を見て拡大撮影に挑戦することにしましょう。

大気圏再突入直前のCZ-7ロケットボディ 目撃記録

2021年10月05日 | CSS(中国宇宙ステーション)
今朝の出来事で~す。
 確かに3時55分に目覚ましを止めて、一瞬目を閉じただけなのに
もう一度目を開けると驚くことに時間が4時25分になっていた…(単なる二度寝です)

 タイムトラベラーはこんな感じかと訳の分からないことを思いながら急いで
外に出て空を見る。晴れていれば新月前日の輝面比0.03の月が見えるはずだ。

 残念ながら空は薄雲で覆われて冬の一等星だけが滲んで見えていた。
今日はダメか~と思ったとき、カペラからふたご座に向かって移動する
明るい人工衛星が見えた。

 はて、ISSではないようだが…何だろう?と思ってHeavens Above のライブスカイ
ビューで調べると、CSS(中国宇宙ステーション)でした。明るさは1.2等級です。

 …ということは、この直後に大気圏再突入直前のCZ-7 R/B がやってくるはずです。
早速、イベントデータを見て見ると…
CZ-7 R/B 通過予報図

ほひょ、軌道高度がアポジーでも173kmしかありません。
これは今大気圏に再突入しても誰も文句を言わない高度です。

ひょっとすると大気圏再突入の瞬間を目撃できるかもしれません!

 ということで急遽 CZ-7 R/B 観測隊の出動です。太陽高度は-8.0°で航海薄明の空なので
CZ-7 R/B は見えないかもしれませんが大気圏に突入すれば話は別です。

 眼視で見るだけにしようと思いましたが、一応記録用としてカメラも用意しました。
まもなく時間です。空は青空でシリウスだけが明るく輝いています。雲もかなりあります。

 その時です!青空の中をUFOかと見まごうほどの輝きを放った高速物体が視界に飛び込んできました。明滅しているので明るさは一定ではないが最大輝度はシリウス越えをしているように感じました。

これがその時の写真です。はと座の上という低高度にもかかわらず異常なほどの明るさで駆け抜けていきました。ひょっとして燃えはじめるかも…と思ったのですが最後まで発火はしませんでした~。

2021/10/5 4:58:42~4:59:34 D810A f28mm F2.8 ISO1250 F3.2 1sec× 44

 Heavens-Aboveの通過予報ではこの通過以降、日本で目撃できる通過予報はありません。
たぶん、次に日本上空を通過する前に大気圏に突入するとからだと思います。

注:CZ-7 R/B とは9月20日にリフトオフした中国宇宙ステーション補給船「天舟」を乗せたロケット「長征7号」の第1段ロケットボディのことです。


〈11月7日追記〉
 天文ガイド12月号の「人工天体ガイド・12月(p107)」にCZ-7ロケットの落下情報が載っていた。それによると「日本時間2021年10月5日4時59分ごろに日本の上空を高さ約125kmを通過して、06時16分ごろロシアのアラル海の南方で大気圏に再突入したもよう」とのこと。このことから今回の目撃が大気圏再突入1時間17分前のまさに落下直前だったことが分かった。CZ-7 R/B 目撃中にひょっとしたら燃え始めるかも…と思ったことがあながち間違いでなかったことに驚いた。落下直前の人工衛星を見る機会はめったにないので貴重な経験となった。

まもなく落下か?CZ-7 ロケットボディー目撃記録

2021年10月03日 | CSS(中国宇宙ステーション)
 2021年9月20日に打ち上げられた中国・補給船「天舟3号」ロケットボディー(CZ-7)の大気圏再突入が近づいている。今朝は天気に恵まれて通過を見ることが出来た。以下、その記録である。

CZ-7通過イベントデータ(Perigee: 176.7 km  Apogee: 246.8 km)



 今朝は雲が多かったがラッキーなことに通過の直前だけ北の空が晴れた。4時31分過ぎ、カシオペヤ座で移動光点を発見。その明るさと異様な明滅、そして移動速度がかなり速いことに驚く。

 双眼鏡で覗くと毎秒3回という速い明滅を繰り返しており、フォーマルハウトを望遠鏡で見たときのような赤色や青色のフラッシュが混ざる色だった。

 最も驚いたのはそのスピードである。ISSが北極星付近を通過するときは天頂通過に比べてかなりゆっくりであるが、CZ-7はゆうにその2~3倍のスピードで北天を駆け抜けていった。軌道高度の低さを感じた。

 イベントデータでは光度不明となっていたが、今回の通過ではカシオペヤ座から北極星付近まではカペラほどでは無いがアルデバランとほぼ同じ明るさであった。そのことから光度は1等級はあったと考えられる。

 北極星の南側を通過した後は減光して北斗七星付近では2等級になった。これは逆光によるものと思われる。

 今回の撮影はISO1600 シャッタースピード1.3秒で連続撮影を行った。絞りは昨日の青空の中の月を撮影したときのまま(f/7.1)という痛恨のミスで背景の星がほとんど写っていないのが残念だが、けがの功名でCZ-7が適正露出になっていた。

↓ 北天を通過する様子(4時31分35秒~4時32分07秒)


D810A f70mm ISO1600 1.3sec F7.1


↓ 北極星付近(トリミング)



↓ 北極星の東側(トリミング)



当初のCZ-7落下予報日は10月6日となっているが正確な日時は不明である。

8月27日の中国宇宙ステーション

2021年08月29日 | CSS(中国宇宙ステーション)
  8月27日に撮影した中国宇宙ステーションの記録です。
今回の通過は最大仰角78°、直距離が386kmなのでほぼベストといえる好条件パスです。

 前回の撮影ではシャッター速度0.983ms、GAIN310でかなりの露出オーバーになったので今回は
Shutter=0.882ms、GAIN300(75%)に設定して撮影してみました。システムはいつものASI174MM+IR Pass Filter(685nm)です。

本日のイベントデータ




今回のコースは天頂通過までは逆光、天頂通過後は順光となります。
対角魚眼による通過写真でも天頂通過後に順光となって光度が増していることが分かります。

19h29m29s~19h31h48s D810A 10.5mm f2.8 1.6sec × 90

 下の動画は今回撮影で記録された中国宇宙ステーションをカットすることなくつないだフルバージョン動画です。1分10秒の長丁場ですがこれを見ると天頂通過後に順光となって太陽に向いている太陽電池パドルも見えてくる様子が分かります。

 今回の気流状況ですが、Windy予報では250hPa(10km)の風速が秒速24m、500hPa(5500m)の風速が秒速21mとなっていましたが、実際のシーイングも星の瞬きと撮影した動画の様子から「極端に悪くはないが良くもない」状況でWindyの予報どおりだなと感じました。

2021年8月27日の中国宇宙ステーション(フルバージョン動画)


 天頂通過後の動画から解像度の高いコマを抽出して画像処理してみました。今回は露出が適正だったのでこれまででベストの解像度となりました。

↓ 19h30m45s



↓ 19h30m51s



↓ 19h30m54s



 さて、撮影するといつもクリオネのように写る中国宇宙ステーションはいったいどんな構造をしているのでしょう?…この疑問を解決すべくネット検索をしまくって調べてみました~。


 ふむふむ、だいたいこんな感じのようです~。


 神舟12号と天舟2号の太陽電池パドルが写れば完璧だったようですが主要なところはほぼ写っていたようですね。ちなみにコアモジュール天和の全長が6.6m、直径4.2mで天舟は全長4,2m、直径3.35m、神舟は全長7.4m、直径2.7mのようです。


8月11日の中国宇宙ステーション(天和)

2021年08月12日 | CSS(中国宇宙ステーション)
8月11日午前3時過ぎに中国宇宙ステーション天和が仙台上空を好条件で通過する。
星の見えない夜が長く続いていたがSCW晴天予報と好条件通過予報がこの時…奇跡的に重なった。
千載一遇のチャンスである。しか~し、ほんとに晴れるのか~?

 半信半疑であったが午前2時に目覚ましをかけて外に出てみると…おお、見事に晴れてる…
あ~、しかし気流は最悪です。西に傾いたはくちょう座のデネブがあり得ないほど瞬いています。

 南西の空で輝いている木星も瞬いているんじゃないの? と思うほど荒れた気流です。まー
太平洋に抜けた台風の影響を強く受けているのですから無理もありません。晴れただけでOKです。

今日の天和はペガスス座で地球の影から抜けて出現します。見え始めが仰角52°で30秒後には最大仰角85°に到達します。今回の最大光度は0.9等ですが、雲が流れているので露出アンダー対策としてGAINを310に設定して撮影します。Shutterはやや長めの0.983msにしてみます。

本日のイベントデータ




今回も撮影システムはいつものASI174MM+IR Pass Filter(685nm)です。おっと、見えました。
増光する移動光点発見です! 今回は1回目の導入で追尾に成功しました~。

 ふう、撮影終了しました。天頂コースだった上に寝起きで脳内ブドウ糖が欠如していたためロストが
いつもより多めでしたが、何とか撮影できました。


2021年8月11日午前3時15分の中国宇宙ステーション(天和)その1

↑ 撮影の前半、03時15分03秒~03時15分27秒までの動画です。



2021年8月11日午前3時15分の中国宇宙ステーション(天和)その2

↑ こちらは天頂通過後の03時15分36秒~03時16分02秒までの動画です


いつものように解像度の良いコマをステライメージで画像処理してみました。
全体的に露出オーバーですが天和の両側に展開している太陽電池パドルを確認できました。
今回の気流は真冬並に荒れていたのでこの程度の解像度でもいい方かもしれません。
8月下旬には天気が回復するようですので次のチャンスを待つことにしましょう。

file.No4467

2021/8/11/ 03h15m12s Shutter=0.983ms Gain=310 (77%)


本日の気流情報(参考資料)
250hPa(10km)


500hPa(5500m)


850hPa(1500m)



↓関連過去ブログ
X-37Bと中国宇宙ステーション(天和)ほぼ同時刻パス 観望記録
長征5号Bロケット・コアボディ 目撃記録


X-37Bと中国宇宙ステーション(天和)ほぼ同時刻パス 観望記録

2021年07月07日 | CSS(中国宇宙ステーション)
 梅雨の晴れ間となった7月6日、SCWの予報を見ると天気は下り坂ですがベタ曇りにはならない予報だったので、20時33分頃に通過するX-37Bと天和の撮影にチャレンジしてみました。

コースは違いますがほぼ同時刻にX-37Bと中国宇宙ステーション(天和)が通過していきます。

 本日の撮影は梅雨明け後に備えて拡大撮影におけるX-37Bと天和の適正露出を探るためのテスト撮影です。拡大撮影に使用している30cmのドブソニアンはファーストライトから13年目になりますが、先日、意を決して初めての鏡面洗浄を行ったのでそのテストも兼ねてます。

 で、撮影計画ですが始めにX-37Bを撮影して20時35分23秒に影に突入したところで天和の撮影にスイッチです。天和はすでに西空のしし座付近を通過しているはずですので、一呼吸置いて北斗七星付近で天和を補足して撮影を開始します。

 もっともこれは雲が切れて目視できていることが絶対条件なので天気しだいでは補足どころか確認すら出来ないかもしれません。雲の切れ目が大きくなることを願って待機です。

 システムはいつものPowermate2×を装着して174MMにはUV/IRcutフィルターを付けました。シャッタースピードは1ms、ゲインを400(MAX)にしてこれを基準として今後調整していきます。

 フォーカス調整はアークトゥルスで行いましたが空の様子はご覧のとおりで雲量は7~8といったところです。ちなみにwindy予報での200hPaの気流速度は57m/s、500hPaの速度は9m/sでした。


さて、そろそろ時間です。時報が20時33分を告げたので動画撮影開始です。あとは目をこらしてX-37Bを目視で確認できたらファインダーで追尾するだけですが、アークトゥルス下方10°に見えるはずの移動光点がまったく見えません。

 20時33分36秒から20時35分36秒までのGIFアニメ(20倍速)

2021/7/6 20h33m36s~ 20h35m36s D810A 24-70mmf2.8 fl24mm ISO1600 2sec×56

 結局、X-37Bを確認することが出来ませんでした。リニューアル・ドブソニアン出番ならず…

 撮影後に画像を確認したところX-37Bは確かに通過していました。この写真で判断すると明るさは3等級以下なので、半透明上層雲が流れているこの状況では肉眼での確認は難しかったと思われます。


 時報が20時36分を告げました。急ぎましょう。南の空に向けているドブソニアンを真北に向けて天和の捜索です。雲に切れ目がありますが半透明上層雲が覆っているのでクリアではありません。ターゲットポイントの北斗七星付近を目をこらして見ていると…

 おっと、見えました。まあまあの明るさですね。早速拡大撮影開始です! ファインダーでも補足できましたが、予想ほど明るくはないですねぇ。設定したパラメーターでは写らないかなぁと思いながら追尾を続け、屋根で見えなくなったところで撮影終了です。ここでデジカメを東の空が見える場所に移動して撮影した写真がこちらです。

2021/7/6 20h38m08s  D810A 24-70mmf2.8 fl24mm ISO1600 2sec(トリミング)

 さて、惑星カメラでは写っているでしょうか。確認です…

 おお、写っています! あー、露出オーバーですね。もっと露出を押さえていいようです。
2021年7月6日20時36分の中国宇宙ステーション(天和)



№3588(クリックで拡大)


№3865(クリックで拡大)



 ご覧のように完全に露出オーバーですが、中心のコアモジュールの両側に無人補給船天船2号と神船12号がドッキングしている様子がなんとなく分かりますね。

 しばらくは天気が悪い日が続くようですが、雲の切れ間からでも撮影できることが分かったので次のチャンスを待つことにしましょう。


↓過去ブログ
X-37B 観望記録(6/25)
長征5号Bロケット・コアボディ 目撃記録

長征5号Bロケット・コアボディ 目撃記録

2021年05月13日 | CSS(中国宇宙ステーション)
 5月9日11時24分(JST)、長征5号B ロケットボディが大気圏に突入しインド洋に落下した。
以下は落下前日に目撃した長征5号B ロケットボディの記録である。

 予報では5月8日02時53分に地球の影から出て地平線に向かって高度を下げていく様子が見られる、となっていたが、見え始めがペガスス座(高度33° 方位:東北東)でR/Bまでの直距離が908kmなので条件としては良くない。

 予想光度は不明だが、軌道が高度152km×245kmとかなり低くなっているので、多分見えるだろう、とこの時は楽観視していた。

 現在時刻は02時30分… 時間までまだ20分以上あるが02時35分に中国宇宙ステーション天和が地球の影から出てこぐま座を通過する予報が出ているので、その出現を待つ。

 中国宇宙ステーションのコアモジュール「天和」を見るのは今回が初めてである。

 来た! 徐々に明るくなった天和はこぐま座を通過してポラリスの上で最大光度になった。
明るさは北斗七星とほぼ同じ2等級である。

2021/5/8 02h35m22s~02h36m46s D810A 24mm ISO1600 f3.2 3sec × 11

こちらは上記写真のGIF画像です。(クリックで拡大)

 天和の全長は16.6m、直径4.2m、質量22.5tで中国がこれまで打ち上げた宇宙船の中で最大である。予定では来年の春に実験室の「問天」、夏に2つ目の実験室「夢天」が打ち上げられて完成となる。

 さらに2024年には宇宙ステーションと編隊飛行しながら宇宙を観測する宇宙望遠鏡「巡天」が打ち上げられる予定になっている。

 実験室と宇宙望遠鏡の打ち上げ時は今回と同じ長征5号Bで打ち上げられるのでそれまでにロケット制御等の対策が施されなければまたしても世間を騒がすことになるだろう。

 さて、そろそろ長征5号Bのコアロケットボディ(CZ-5B R/B)が地球の影から出る時間だが、目をこらしてペガスス座を見てもそれらしき物体は全く見えない。

 …遅れているのだろうか? と思ったときフラッシュする光を一瞬だが視界に感じた。ん!? あれか? 慌てて双眼鏡を向けてみると… いました! 長征5号Bという確信は持てませんでしたが不規則に明滅する物体が右斜め下に移動しています。

 ふ~む、フラッシュする衛星は過去にも見たことがありますが(過去ブログ→謎の閃光衛星)これほど不規則に明滅する衛星はこれまで見たことがありません。ふむ、これがCZ-5B R/Bのようです。

2021/5/8 02h53m42s~02h54m26s D810A 34mm ISO1600 f3.2 1.6sec × 11

 上記写真のトリミング拡大画像


 GIF画像にすると実際に見た様子にかなり近い感じがします。(クリックで拡大)



 こちらは2ショット目の写真8枚を比較明合成した画像。分解が始まってるのでは…と思わ
せる軌跡である。長征5号Bのコアボディは、全長33.2m、直径5.0m、質量は18tもある。

2021/5/8 02h54m34s~02h54m48s D810A 34mm ISO1600 f3.2 1.6sec × 8(トリミング)

 本日のラストショット。

2021/5/8 02h54m56s~02h54m58s D810A 34mm ISO1600 f3.2 1.6sec × 3

 CZ-5B R/Bは不規則な明滅を繰り返しながら遠ざかり、やがて見えなくなった。落下直前とはいっても普通の人工衛星と同じように見えると思っていたので、今回の見え方はまったくの予想外であった。全長33.2m、直径5.0mの長大なロケットがコントロールを失って縦回転していたのだろう…でなければ、あのような不規則な明滅はたぶんしないだろう。この写真を撮影した32時間29分後にCZ-5B R/Bはインド洋に落下した。

 さて、今後であるが5月20日頃に食料や実験機器などを積んだ無人補給船「天舟二号」が天和とドッキングして、6月10日頃には3人の宇宙飛行士を乗せた「神舟十二号」が天和とドッキングして3~4か月の長期滞在を始める予定となっている。

 ということで、拡大撮影の対象がまた一つ増えました。

落下直前…天宮1号

2018年03月30日 | CSS(中国宇宙ステーション)
ついに天宮1号の軌道高度が200kmを下回りました。
現在の軌道:183 x 198 km, 42.7° (元期: 3月29日)

現在の予測によると…


落下時刻は…


日本時間の4月1日(日)16時25分±20時間のようです。
落下場所は予測不能ですが、上記の時間内で日本の真上を通ることはないようです。

条件はよくありませんが、天宮1号のパスが見える予報が出ていたので撮影してみました。


見えました。時間通りです。地球の影から出てきました。

2018.3.30 04:31:03 NIKON D90 f32mm ISO1250 F4.5 5sec

明るさを増していきます。

2018.3.30 04:31:08 NIKON D90 f32mm ISO1250 F4.5 5sec

明るさは、ほぼ2等級です。

2018.3.30 04:31:14 NIKON D90 f32mm ISO1250 F4.5 5sec

見かけ上の移動速度はかなり速く感じます。

2018.3.30 04:31:19 NIKON D90 f32mm ISO1250 F4.5 5sec

土星と火星の直下を通過します。

2018.3.30 04:31:25 NIKON D90 f32mm ISO1250 F4.5 5sec

急激に暗くなりました。

2018.3.30 04:31:30 NIKON D90 f32mm ISO1250 F4.5 5sec

その直後、薄明の空に溶け込むように見えなくなりました。

2018.3.30 04:31:35 NIKON D90 f32mm ISO1250 F4.5 5sec

見えていた時間は、約30秒ほど…
あっという間に、さそり座といて座を駆け抜けていきました。

明日も、わずかな時間ですが、東の空で見えるようです。

ロケット・ボディー大気圏再突入

2016年07月30日 | CSS(中国宇宙ステーション)
7月27日、アメリカ西部(カリフォルニア、ネバダ)で人工衛星の大気圏落下が目撃されました。



Ron Sappington photographed the breakup over Santa Clara, Utah

「Spaceweather.com(20016/7/28)」の記事によるとこの落下物は、6月25日に海南文昌衛星発射センターから打ち上げられた中国の新型ロケット長征7号のL/Bのようです。今回の落下は、アメリカ現地時間の21時40分頃の出来事だったため、多くの人が目撃し映像に記録しています。

YouTube→VIDEOVIDEOVIDEOVIDEOVIDEO

新型ロケット長征7号の詳細は NASA SPACEFRIGHT.COM で見ることができます。

天宮1号(Tiangong-1 ) visible pass

2011年11月02日 | CSS(中国宇宙ステーション)
11月1日、中国初の実験モジュール「天宮1号」が仙台上空を好条件で通過しました。
以下、その撮影記録です。

イベント・データはこちら

光度は-0.4等級と発表されています。

通過条件は天頂横断コースです。

おひつじ座で地球の影を抜け出し、ふたご座で天頂となります。

Ground Track Plotはこちら(*)

4時に起床して夜空を見ると…、
ふむ、雲ひとつない快星です。星が瞬いています。

ということは、気流が良くないということです。今日は拡大撮影にも挑戦します。

天宮1号の全長は10mです。HTV2やきぼうモジュールとほぼ同じ大きさです。
拡大撮影の難易度としてはかなりハイレベルですがHTV2撮影(*)の経験を生かして
挑戦してみましょう。

Tiangong-1
打上げ日時 2011年9月29日
発射台 酒泉衛星発射センター
質量 8,506 kg
全長 10.4 m
直径 3.35 m

今日のピン合せはベテルギウス…

撮影システムはいつもと同じです。

さて、時間です。ティアンゴン1号はどの程度の明るさで見えるのでしょうか?
予測では ‐0.4等級です。これはカペラ(0.04等級)より明るいことになります。

おっと、見えました。

2011.11.1 5:10:48 NikonD50 f28mm ISO800 F2.8 10sec

肉眼ではっきり見えますが、明るさは2等級程度です。

2011.11.1 5:11:05 NikonD50 f28mm ISO800 F2.8 10sec

では、拡大撮影開始です。

近づいてきました。

2011.11.1 5:11:35 NIKON D90 ISO1250 1/640

むむ…、コースが良すぎます。仰角81°は至難の技です。

こちらは、天頂付近で撮影できた唯一の写真。

2011.11.1 5:11:46 NIKON D90 ISO1250 1/640

天頂をすぎると逆光で暗くなります。最大光度は天頂付近で
カストルとほぼ同じ明るさ、1.5等級程度でした。

ティアンゴン1号は太陽電池パネルを展開(*)しているはずですが
写っていませんでした。反射率の低い素材なのでしょうか?

この撮影直後、神舟8号がリフトオフしました。現在ドッキングに向けて順調に
飛行中のようです。ドッキング゛は11月3日、アンドックが11月16日です。
その間に好条件の通過があったら撮影を試みることにしましょう。