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晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

7月16日の土星

2021年07月20日 | 土星
東北地方の梅雨が明けた7月16日に撮影した土星です。

しか~も、記念すべき今シーズン初撮影で~す。撮影システムは、µ-210+powermate2×+ADC+Imaging Flip Mirror + UV/IRcut + ZWO ASI290MC です。


2021/7/16 23h47m36s(JST) 180sec Shutter=52.68ms Gain=350 (58%)
Diameter=18.43" Magnitude=0.26 CMI=26.0° CMIII=123.0°



2021/7/16 23h51m37s(JST) 120sec Shutter=54.55ms Gain=350 (58%)
Diameter=18.43" Magnitude=0.26 CMI=28.1° CMIII=125.0°



2021/7/16 23h57m49s(JST) 180sec Shutter=46.45ms Gain=362 (60%)
Diameter=18.43" Magnitude=0.26 CMI=32.0° CMIII=128.7°

 さて、時刻は0時を過ぎました。土星の南中は0時58分ですが土星の撮影はここまでとして、
このあとはこちらも今シーズン初となる木星の撮影を行いました。

 その様子は次回のブログで~。

土星の白斑発生30年説?

2020年09月12日 | 土星
 昔の天文雑誌を見ていたら「土星の白斑発生30年説」という興味深い話題が載っていたので、ちょっとだけ深掘りしてみました。

 記事によると「土星の赤道地域に小さな白斑が出現することはよく知られているが、ごくたまに大嵐ともいえる大規模な白斑が赤道地域に出現することがある」とのこと。

 赤道地域の大嵐は土星が遠日点を通過してから数年以内に起きていることから、土星の公転周期約29年を周期とする「白斑発生30年説」が生まれたようです。では実際はどうだったのか観測結果を見てみましょう。

 近年の土星の遠日点と大規模白斑出現年は下記のとおりです。

土星の遠日点(公転周期29年)     大規模白斑の出現年(遠日点通過から…)
1900年 7月 9日     →   1903年(3年後)
1929年11月11日     →   1933年(4年後)
1959年 5月29日     →   1960年(1年後)
1988年 9月11日     →   1990年(2年後)
2018年 4月17日     →      ?

 なるほど、これを見ると約30年周期で大規模白斑が発生していることが分かります。

 ということは、現在土星で大きな白斑は発生していませんが、2018年の遠日点通過から2年が過ぎているのでそろそろ大規模な白斑が発生する可能性があるということになります。12月には土星と木星の大接近という一大イベントもありますが2020年後半は土星の白斑出現にも要注意ですね。

 ところで、大規模白斑の発生周期には30年説のほかに57年説があります。



HUBBLE ⒸNASA

 これは1990年に発生した大嵐をハッブル宇宙望遠鏡が撮影したものです。この時は白斑が土星を一周してぐるりと取り巻いたそうです。これと同規模の大嵐が発生したのは1933年のみで他の年には出現しなかったそうです。



HUBBLE ⒸNASA

 このことから、土星を一周するほどの大規模嵐が57年周期で発生するのではと考えられています。次の遠日点通過は2047年頃なので発生するとしたらその数年後ですかね~。ちょっと未来過ぎる話ですね。

 さて、周期的に大規模白斑が発生することは分かりましたが、そのメカニズムも気になります。そのメカニズムについては2015年の英科学誌「ネイチャー・ジオサイエンス(Nature Geoscience)」に現象の謎を解明したという内容の研究論文が発表されています。

 それによると、土星の大気は地球と同様に性質の異なる層で構成されており、雲が形成される密度の低い「外層」が、「高密度の混合大気(水素やヘリウム、水などの分子が主成分)」の上にのっている状態になっていて常に安定状態にあるそうです。そのため土星の外層は下部のより温かい空気の上昇を妨げる作用があり安定した状態を長期にわたって維持するそうです。

 しかし、これは「嵐の前の静けさ」だと米カリフォルニア工科大学の研究チームの Cheng Li 氏と Andrew Ingersoll 氏は述べています。

 外層大気は常に宇宙空間に熱を放射しているため徐々に気温が下がり、ついには下部の雲下層より密度が高い状態になる。これにより2層間の均衡が崩れて下部に閉じ込められていた暖かい空気が外層へとあふれ出す現象が起きるそうです。それが大規模な土星の嵐です。

 大嵐によってかき混ぜられた大気には他の分子より重い水分子が含まれているため、これが巨大嵐で雨として落ちることで元の平衡状態が回復し、また静けさが戻るという仕組みだそうです。

 Cheng Li 氏は「惑星がどのくらいのペースで宇宙空間に熱を放射して冷却できるかによって時間スケールは決まる。土星は巨大な大気圏を持つので、冷却には数十年を要する」と述べています。

 この研究論文には発生場所となる遠日点との相関関係については触れていませんが、太陽から受けるエネルギーが一番小さくなる遠日点が一つの引き金になっているのかもしれませんね。

 30年に1回発生する巨大嵐と土星に降り注ぐ大雨とは…とてもスケールの大きな話ですね。土星はいつ見ても木星ほどの変化はないのであっさり見ていましたが、この話を知ってじっくり眺めてみたくなりました。週間予報では月曜日の夜に雲が切れそうなのでウオッチングしてみることにしましょう。
 

8月19日の土星

2020年08月21日 | 土星
8月19日の土星で~す。

アライメントポイントサイズ104と72でスタック画像に違いがあるか比較してみました。

APS104ではAPマスが7個、APS72では18マス配置されます。単純比較ですがAPS72の方がノイズが少ない気がします。



今回の画像は気流が良い割にはどれもノイジーだなぁと思っていたのですが、よくよく見るとキャプチャーフレーム数がまったく足りてませんでした。何事も確認が必要ですね。


2020/8/19 21h35m(JST) 60sec Shutter=67.36ms Gain=300 (50%)



これは、ただ単に南北をひっくり返しただけの画像で~す。


2020/8/19 21h36m(JST) 60sec Shutter=67.36ms Gain=300 (50%)

土星の画像処理はまだまだ改良の余地があるので次回気流の良いときに再チャレンジしてみることにしましょう。


8月10日の土星

2020年08月12日 | 土星
土星は5ショットほど撮影しましたが…特段変化もないので、

今回はラストショットを使ってウェーブレット処理のパラメーターによる違いについてまとめてみました。スタックはAutostakkert3、ウェーブレットはRegiStax6です。

土星データ
Diameter=18.27"
Magnitude=0.22

元画像 ROI=840x650 ROI(Offset)=624x256


2020.8.10 23:42:01 CMI=254.4° CMIII=223.6°
Duration=120s Shutter=43.97ms Gain=350 (58%)
Autostakkert3 70% of 2730Frames RegiStax6


Layer1の適用量100 Denoise0.50 Sharpen0.230




Layer1の適用量100 Denoise0.50 Sharpen0.290




Layer1の適用量100 Step Increment1 Denoise0.35 Sharpen0.200



Layer1の適用量100 Step Increment1 Denoise0.35 Sharpen0.290



ふ~む、どれも若干シャープ処理のかけ過ぎのように見えますね。今回は気流が良かったのでいつもこの処理でうまくいくとは限りませんが、今後の画像処理の参考資料としておきましょう。


「Layer1適用100 Denoise0.50 Sharpen0.290」をベースにしてステライメージ等で画像処理した本日の完成形がこちらです。


2020.8.10 23:42:01  120sec Shutter=43.97ms Gain=350 (58%)

次回は火星で~す。

6月17日の土星

2020年06月18日 | 土星
木星撮影終了後に土星を望遠鏡で覗いた感じでは…

5月30日に見た時の方が安定していたのでイマイチかな~と思ったのですが、撮影した画像を処理したところそこそこキレイな土星が浮かび上がりました。

本日のファーストショット

2020.6.17 24:34:27 SE200N ASI290MC IR/Cut
Duration=216s Shutter=74.43ms Gain=346 (57%)
Autostakkert3 50% of 2000Frames RegiStax6


セカンドショット

2020.6.17 24:38:53 SE200N ASI290MC IR/Cut
Duration=120s Shutter=74.98ms Gain=316 (52%)
Autostakkert3 50% of 1601Frames RegiStax6


ラストショット

2020.6.17 24:41:04 SE200N ASI290MC IR/Cut
Duration=120s Shutter=74.98ms Gain=316 (52%)
Autostakkert3 50% of 1601Frames RegiStax6

以上で本日の惑星撮影会は終了で~す。

仙台も梅雨の真っ最中ですが梅雨の晴れ間で気流の良い日は必ずあるのでその日がやってくるのを待つことにしましょう。

7月26日の土星

2018年07月29日 | 土星
7月26日、比較的天気が良かったので土星を撮影しました。

気流はまあまあの感じですが、望遠鏡&カメラのセッティングがいまいちです。

2018.7.26 21:11 SE200N DBK21AU618AS HC Or12mm

とりあえず、2018年土星のファーストショットです。

2018.7.26 21:16 SE200N DBK21AU618AS HC Or12mm

こちらはトリミング画像

2018.7.26 21:16 SE200N DBK21AU618AS HC Or12mm(トリミング)

気流の具合をみて撮影再チャレンジしてみることにしましょう。

7月7日の土星

2017年07月08日 | 土星
久々のブログ更新です。
梅雨の晴れ間の土星撮影チャンスデーを待つこと約1ヵ月…、

つ~いに、そのチャンスがやってきました。

約1週間前のこと…、大気の流れを視覚的に確認できるWindytyで気流の落ち着く日を
探していると、なんと7月7日に異常なほどに安定する予報になっていることを発見!

こ~れは、チャンスです。木星と土星を一気に撮影しましょう!…と、意気込んでいましたが、
7月7日は平日の金曜日。仕事が終わって帰宅した頃には木星ははるかに西の空…、

まぁ~、ここは欲張らずに今季初撮影の土星に注力しましょう。ということで
とりあえずセッティングです。カメラはいつものDBK21AU618ASを使います。

ほほう~、同焦点アイピースで覗いた土星は確かにくっきりしています。
気流は抜群に落ち着いています。若干透明度が悪いのが気になりますが、早速撮影です。


2017年、七夕の日の土星

2017.7.7 22:48 SE200N DBK21AU618AS HC Or12mm


カッシーニの間隙がはっきり見えます。

2017.7.7 22:51 SE200N DBK21AU618AS HC Or12mm


今年は、輪の傾きが最も大きい土星です。

2017.7.7 23:03 SE200N DBK21AU618AS HC Or12mm


光度 0.0等 視直径 18.2" 輝面比 1.00、地心距離 9.1 AU

2017.7.7 23:17 SE200N DBK21AU618AS HC Or12mm



今回は気流が特に良かったので、その様子をメモしておくことにしましょう。

高度10km、風速10.2m/s


高度9000m、風速8.4m/s


高度5500m、風速8.2m/s


高度3000m、風速2.4m/s


地表、風速1.7m/s