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晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

12月8日の土星(シン・システム構築 アイピース対決 編)

2023年12月09日 | 土星
12月8日に実施した「シン・システム構築 アイピース対決 土星 編」の記録で~す。

〈シン・システム6thトライアル 〉
・撮影日時:2023年12月8日17時00分~
・撮影システム:μ210+アイピース25mm+拡大撮影アダプター+ASI290MC(UV/IRcut)
・拡大撮影カメラアダプター:TCA-4(拡大率可変機能付き)
・アイピース:TAKAHASHI TPL-25mm、SE200N 付属品 PL25mm
・合成焦点距離:可変式のため撮影時パラメータを参照
・大気分散補正プリズム:ZWO ADC(一部で使用)
・土星データ:視直径16.64"、光度 0.96等
・画像処理(AS!3→RegiStax6→RGB3色分解→位置合わせ→RGB合成→画像処理)

TPL-25mm(拡大チューブ引き延ばし無し→合成 f5700mm )


2023/12/8 17h18m(JST)CMI=175.6° CMIII=124.1°
Duration=240s  Shutter=52ms Gain=350 (58%) 70% of 4616frames ap20


TPL-25mm(拡大チューブ引き延ばし有り→合成 f6850mm )


2023/12/8 17h26m(JST)CMI=180.1° CMIII=128.4°
Duration=240s  Shutter=42ms Gain=400 (66%) 70% of 6110frames ap34


TPL-25mm(拡大チューブ引き延ばし無し+ADC→合成 f11750mm )


2023/12/8 17h37m(JST)CMI=186.8° CMIII=134.8°
Duration=240s  Shutter=66.50ms Gain=436 (72%) 70% of 3610frames ap101


PL25mm(拡大チューブ引き延ばし無し→合成 f5400mm )


2023/12/8 17h46m(JST)CMI=192.0° CMIII=139.8°
Duration=240s  Shutter=45ms Gain=350 (58%) 70% of 5334frames ap22


PL25mm(拡大チューブ引き延ばし有り→合成 f6000mm)


2023/12/8 17h52m(JST)CMI=195.3° CMIII=143.0°
Duration=240s  Shutter=57.50ms Gain=350 (58%) 70% of 4175frames ap30


PL25mm(拡大チューブ引き延ばし有り→合成 f6400mm)


2023/12/8 18h01m(JST)CMI=200.6° CMIII=148.1°
Duration=240s  Shutter=64ms Gain=350 (58%) 70% of 3751frames ap30

〈考察〉
・今回の撮影はカメラアダプターの拡大チューブを使って倍率を変えているので共通パラメーターは露出時間のみで、シャッタースピードとゲインは適正露出になるようその都度調整をしている。
・気流は12月にしてはかなり落ち着いていて、撮影中(17:15~18:05)に気流の大きな変化はとくに見られず終始安定していたように感じた。
・さて、アイピースによる撮影画像の比較だが、上記画像を見るかぎり軍配はあきらかにPL25mmに上がっており、木星編に続いてSE200N 付属品 PL25mmの2連勝となった。
・ TPL-25mmの見え味は決して悪くないのだが、この結果から言えるのは「見え味の良さと撮影時の解像度の良さはイコールではない」ということなのだろう。たしか吉田正太郎先生の著書だったと思うが、「アイピースはそもそも人間の目の優秀な補正機能をあてにして作られているので光学的な性能と一致するものではない」という記述があったように記憶している。

・PENTAX XP-24が惑星撮影用アイピースとして今だに人気があるのは、「従来の眼視観測用アイピースでは補正しきれなかったディスト-ション(歪曲収差)から像面湾曲など、拡大撮影に影響を及ぼす諸収差を極限まで低減して中心から周辺までシャープで歪みの少ない描写特性が得られるよう設計している拡大撮影専用アイピース(PENTAX天体望遠鏡カタログより抜粋)」だからなのだろう。
・PENTAX天体望遠鏡カタログには「 XP-24は眼視用としても使用可能です」とあえて記述しているくらいなので、裏読みすると見え味の方は極めていないといえるだろう。

・さらにXP-24は「光学系の空気接触面にはペンタックス独自のマルチコーティング、貼り合わせ面は特殊コーティング処理を施し、高いコントラストと透過率を確保。 さらに、遮光環の設定により、迷光を抑え、ゴーストやフレアーの発生を防止している」そうなのでこれに近い性能を持つアイピースは現在販売されていないと思うが中には拡大撮影にマッチしたアイピースがあるのかもしれない。今後プルーセル以外のアイピースを試してみる価値はあると思われる。


11月22日の土星(シン・システム構築 編)

2023年11月27日 | 土星
11月22日にTPL-25mmアイピースを使用した拡大撮影法で撮影した土星です。

〈シン・システム5thトライアル 〉
・撮影日時:2023年11月22日17時02分
・撮影機材:μ210+TPLアイピース25mm+拡大撮影アダプター+ASI290MC(UV/IRcut)
・使用アイピース:TAKAHASHI TPL-25mm
・合成焦点距離:f 7,177mm(F34、倍率2.97倍)
・露出:Shutter=30ms、Gain=376 (62%)
・木星データ:視直径17.09"、光度 0.9等
・画像処理(AS!3→RegiStax6→ステライメージ8)
・撮影時データ:土星高度38°、日没41分後(航海薄明中)


↓ 撮影動画
2023年11月22日の土星


AS!3で 50%スタック→RegiStax6→ステライメージ8で画像処理(大気分散による色ズレあり)

2023/11/22 17h02m(JST)CMI=339.4° CMIII=104.3°
Duration=184s  Shutter=30ms Gain=376 (62%) 50% of 6138frames ap21

↓ ステライメージで大気分散を補正した画像(RGB3色分解→位置合わせ→再度RGB合成)


こちらはAS!3で 70%スタック→RegiStax6のみの画像(大気分散による色ズレあり)

2023/11/22 17h02m(JST)CMI=339.4° CMIII=104.3°
Duration=184s  Shutter=30ms Gain=376 (62%) 50% of 6138frames ap21


↓ ステライメージで大気分散を補正した画像(RGB3色分解→位置合わせ→再度RGB合成)



〈考察〉
・今回はアイピースの色収差を見るためADCは装着せず、AS!3でもRGBアラインはオフにしてスタックをしている。記憶による比較だが色ズレはパワーメイトより大きいような感じがするが、RGB3色分解後の再合成画像を見るとシャープさはアイピースの方が優れている感じがする。
・土星衝(8/28)のときは視直径が19″だったが現在は17″まで小さくなっている。当然気流も良くないので条件は悪いはずだがその割には色の彩度が高いように感じる。それがアイピースの透過率が高いからなのか、単に冬空の透明度が高いからか判断に迷うが、アイピースによる拡大撮影法はパワーメイトと比較して劣るものではないことが分かった。



〈おまけの画像〉
TPL-25mm、ROI Max(1936×1096)で撮影した月面(プラトー、ピコ山、アルプス谷)

2023/11/22 16h55m(JST)Duration=9s  Shutter=19.5ms Gain=325(42%) 50% of 500frames

11月3日の土星

2023年11月04日 | 土星
11月3日の土星撮影記録です

 11月3日は日中の気温が23.4°まで上がって暑さを感じるくらいの陽気でした。10月後半はひと月遅れの秋晴れが立て続きにやって来きましたが、この晴天が今シーズンの最後の秋晴れになりそうです。

 ということで今シーズンの撮り納めとなる土星撮影会スタートですが、撮影は一番星が見えないとピント合わせができないので、日没直後から天頂にあるベガを探すこと十数分…
  
 ありました! 16時55分に一番星ベガを発見です。ピン合わせをしてから望遠鏡を土星に向けると… 見えました! 航海薄明中の空はまだ青味が残っていますがPC画面にはキレイな土星が写ってます。

 今夜はだんだん気流が悪くなる予報ですが、この時間の気流はまだ落ち着いているようです。チャンスです。さっそく撮影を始めましょう!

17時14分の土星、高度33° 本日のファーストショット

2023/11/3 17h14m Shutter=56.40ms Gain=350 (58%) 50% of 3188frames ap34


17時23分の土星、高度33°

2023/11/3 17h23m Shutter=57.50ms Gain=350 (58%) 50% of 4175frames ap32


17時29分の土星、高度34°

2023/11/3 17h29m Shutter=58.50ms Gain=350 (58%) 50% of 3078frames ap33


17時41分の土星、高度35°

2023/11/3 17h41m Shutter=53ms Gain=350 (58%) 50% of 3397frames ap35



17時45分の土星、高度35° 本日のベストフォト!

2023/11/3 17h45m Shutter=53ms Gain=350 (58%) 50% of 3397frames ap35



11月3日のシーイングはこんな感じでした~。



17時49分の土星、高度36°

2023/11/3 17h49m Shutter=53ms Gain=350 (58%) 50% of 3397frames ap34


18時03分の土星、高度37°

2023/11/3 18h03m Shutter=40ms Gain=375 (62%) 50% of 4500frames ap34


18時13分の土星、高度37°

2023/11/3 18h13m Shutter=40ms Gain=375 (62%) 50% of 4500frames ap33


 18時を過ぎる頃から気流が揺れ始めたので撮影は1時間で終了しましたが、今シーズン最後としてはなかなかキレイな土星が撮れました~。

 さて、昨日11月3日は木星がおひつじ座で衝を迎えた日でした。気流は良くありませんでしたが雲がなかったので衝の瞬間も含めて長時間木星を撮影することができました。

 昨夜の木星はラッキーなことに大赤斑が見えて、しかも木星の前面をガニメデが通過するというおまけ付きでした~。その様子は次回のブログでご紹介しま~す。


11月1日の土星

2023年11月02日 | 土星
光軸修正をしたμ210による土星の撮影記録です。

本日の撮影システムは、μ210+Powermate2×+ADC+ASI290MC+UV/IR cut filter 
土星の基本データは、視直径17.71"、光度0.8等級、地心距離は9.34AUです。

 土星の南中時刻は11月1日が19時08分で、11月4日には18時台になりますが日没が早くなったので撮影には若干ですがまだ余裕があります。

 で、光軸修正した望遠鏡の具合ですが、画像を見ると11月としてはそこそこ写っていて、解像度も上がっているので光軸修正の効果はあったな~と思いました。


17時35分の土星、高度34°

2023/11/1 17h35m Shutter=49ms Gain=352 (58%) 50% of 4898frames ap33

撮影時のシーイングはこんな感じでした~。

17時54分の土星、高度35°

2023/11/1 17h54m Shutter=50ms Gain=350 (58%) 50% of 3601frames ap33



19時22分の土星、高度38°

2023/11/1 19h22m Shutter=50ms Gain=350 (58%) 50% of 3600frames ap33


19時26分の土星、高度38°

2023/11/1 19h26m Shutter=50ms Gain=350 (58%) 50% of 4801frames ap33


 さてさて、今年の土星の観望好機もいよいよ終盤になりましたが、来年の土星はいつ頃から観望できるかをステラナビゲーターで調べてたら、ひとつ面白いことが分かりました。

 来年の土星が夜明け前の夜空で見え始めるのは5月以降ですが、その時見える土星の環が「環の消失が起きる2025年と同じくらい細くなっている」ということです。

 今見えている土星の環の傾き(惑星面緯度)は10°ですが、来年5月に見え始めたときの環の傾きはわずかに 3° しかありません。この環の傾きは5月20日には3°以下になって6月28日には最小の2.39°になります。わぉ!

↓ 参考資料〈国立天文台 暦象年表より〉

 その後は8月1日に3.03°、9月1日が4.29°、10月1日に5.57°になって、11月1日には6.35°まで傾きが大きくなります。環の消失が起きる2025年は土星が見え始める5月中旬(輪を真横から見る環の消失3月24日は太陽に近いため観測出来ない)の環の傾きは2024年と同じ3°です。

 その後は9月中旬に3°以下になって10月には2°以下になって串刺しの土星が見られますが、2025年は環面に太陽光が当たらなくなるもうひとつの環の消失(5月7日)も土星が昇ってきたときには薄明が始まるという悪条件なので環の消えた土星を見ることは難しい年といえます。

 ということで、来年の5月下旬から6月は環が細~い土星を見る絶好のチャンスとなりますね。2024年6月28日は「2024年で一番細い環の土星が見える日」として来年みたい天体現象リストにメモしておくことにしましょう。φ(.. )メモメモ…

10月11日の土星

2023年10月21日 | 土星
10月11日に偏西風が南下して気流が落ち着く予報が出ていたので惑星撮影会を実施しました。
ターゲットは火星を除いた4つの外惑星(木星・土星・天王星・海王星)です。以下その撮影記録で~す。

 最初の撮影対象は南中時刻が薄明終了2時間後の20時32分になっている土星です。すでに観望好機は過ぎているので今季の見納めの時期と言えますね。

 さて、気流が落ち着くと言っても250hPaの風速60m/sが38m/sに低下する程度の予報なので夏の気流とは比べものにならない状態ではありますが、ここ最近ではベストな気流なので期待が持てます。

 撮影を開始したのは18時40分過ぎ、土星の高度は32°でした。撮影機材はいつもの μ210+Powermate2×+ADC+ASI290MC+UV/IR cut filter です。

ファーストショット

2023/10/11 18h43m Shutter=21.50ms Gain=382 (63%) 50% of 5582frames ap1

 う~む、写りは良くありませんね~。風速はそこそこでも、夏と比べて気流の質がぜんぜん良くない感じです。惑星撮影の旬はとうに過ぎてしまった感がありありですね。


本日の土星データ:光度0.6等、視直径18”.4、輝面比1.00、中央緯度10°

2023/10/11 18h47m Shutter=20ms Gain=406(67%) 50% of 8999frames ap31




本日のベストフォト

2023/10/11 18h59m Shutter=14.56ms Gain=436(72%) 50% of 16549frames ap30




本日のラストフォト(高度は南中時刻とほぼ同じ38°)

2023/10/11 19h51m Shutter=14.50ms Gain=436(72%) 50% of 12421frames ap35

 さて、土星の撮影はここで終了としてターゲットを海王星にチェンジです。海王星は土星がいるみずがめ座と東側にあるうお座の境界線上にいます。

 望遠鏡の自動導入では惑星カメラの写野に入るほどの精度がなかったのでファインダーで導入しようとしたのですが、7.8等級の海王星は光害のある自宅ではファインダーで捉えることでできず…

 結局、惑星カメラの写野に入れることができませんでした。ざんねん~。海王星は次回のお楽しみということにしましょう!

 ここで惑星撮影会の前半部分は終了です。後半は木星と天王星ですが、東側の庭木エリアをクリアして撮影可能高度に達するのが23時以降です。木星の南中時刻は01時06分で高度は66°に達します。

 惑星撮影は高度が高いほど気流の影響を受けにくくなるので南中時刻に近い方がダンゼン有利です。ということでそれまでコーヒーブレイクで~す。続きは次回のブログで~

8月28日の土星(衝)

2023年08月29日 | 土星
天気に恵まれて土星が衝になる8/28の夜に撮影することができました~。

 今年は輪の消失の2年前なので環の傾きはわずか9°で環の幅も本体の1/3しかありません。この状態でもハイリゲンシャイン効果で環が明るくなるのかウオッチングしてみました~。

 こちらが本日のファーストショットで撮影高度は29°です。この時は低高度と透明度の悪さで色が黄土色でした~。ハイリゲンシャイン効果はどうでしょう? 普段と変わらない感じですが…

2023/8/28 21h12m Shutter=80ms Gain=315 (52%) 50% of 3000frames ap1


22時17分の土星 撮影高度36°
 この頃から透明度が良くなってペガスス座の鼻の星エニフ(2.4等)が眼視で見えるようになりました。画像上では環がいつもより明るいように感じますが、はて、どうでしょう…
 

2023/8/28 22h17m Shutter=65ms Gain=297 (45%) 50% of 4616frames ap1


22時25分の土星 撮影高度37°
 土星の南中まであと1時間というところで西から層状の雲が急速にやってきてこれがラストショットとなりました。雲に入る直前に惑星カメラをアイピースに換えて眼視で確かめましたが肉眼では環の明るさの違いはまったく分かりませんでした。

2023/8/28 22h25m Shutter=60ms Gain=303 (50%) 50% of 4616frames ap1


…ということで画像処理した写真ではよく分からないので8/28と7/29日の動画で比較してみました。

2023年8月28日22時17分に撮影した土星(ハイリゲンシャイン効果あり?)


2023年7月29日0時48分の土星(衝の1か月前、ハイリゲンシャイン効果なし)


 う~む、よく分かりませんね~。やはり環の傾きが小さいとハイリゲンシャイン効果はあったとしても顕著ではないということですかね~。


 下の動画は2021年の衝の翌日に撮影した土星です。この時は衝の翌日でもはっきりとしたハイリゲンシャイン効果が見られてキレイだったのですが、環の傾きが小さい時はハイリゲンシャイン効果が見られる時間が極端に短いのかも…ですね。(今年の衝は9時33分なので日本では観測不可)

2021年8月3日22時38分に撮影した土星(ハイリゲンシャイン効果)




〈関連ブログ〉
8月3日の土星」 2021.8.3


7月30日の土星

2023年07月30日 | 土星
7月30日未明に撮影した土星です。

0時24分の土星 

2023/7/30 0h24m Shutter=10.50ms Gain=473 (78%) 60% of 17142frames ap1

0時36分の土星 


2023/7/30 0h36m Shutter=10.00ms Gain=479 (79%) 60% of 23989frames ap1


0時43分の土星 


2023/7/30 0h43m Shutter=14.00ms Gain=449 (74%) 60% of 17141frames ap1


1時21分の土星 


2023/7/30 1h21m Shutter=14.00ms Gain=449 (74%) 60% of 12848frames ap1


今朝のシーイングはこんな感じで、この3日間では一番ダメダメ気流でした~。残念…


 明日以降は南下するジェット気流の影響を受けて仙台のシーイングは低下する予報が出ています。7/25から始めた梅雨明け記念惑星撮影会もそろそろ終りのようですね。

 偏西風が北上する8月5日深夜に良シーイングの予報が出ていますが、一時的なもので長続きはしないようです。今年は典型的な梅雨明け10日で仙台にしては惑星撮影を十分楽しめた夏でした~。

 あ、夏はまだ終わっていませんが、仙台の夏は意外と短くて、特に今年はエルニーニョの影響が夏の後半に出る予測もあるので残暑は続いても、晴天率は低下するかも…ですね。

今朝の天気図

 今後は天気図とにらめっこしなが好気流の訪れを待つことにしましょう。土星の衝は8/28、木星の衝は11/3なので惑星撮影会はまだまだ続きますよ~。

7月28日-29日の土星

2023年07月29日 | 土星
7月28日深夜から7月29日未明にかけて撮影した土星の記録です。

 撮影を開始したのは23時を過ぎた頃、この時間の土星は高度が30°に達したばかりなのでまだ本気の撮影ではありません。機材調整のための撮影ですが、なんと30分もしないうちに雲が湧いてしまいました。機材はいつもの μ210+Powermate2×+ADC+ASI290MC+UV/IR cut filter です。

23時20分の土星 

2023/7/28 23h20m Shutter=51.50ms Gain=347 (57%) 50% of 4660frames ap1
 
 空はあっという間に雲量8~9になって土星も見えなくなりました。今夜はSCW予報にSSI(ショワルター安定指数)=0 の等値線が出ています。弱いレベルではありますが大気が不安定な状態なので、望遠鏡に防滴カバーをかぶせて屋内に避難です。

 幸いなことに雨は一滴も降ることなく空はキレイに晴れ上がったので、0時40分過ぎに撮影を再開できました。土星の高度も38°に達しています。ここから土星が南中する1時45分まで気合いを入れて撮影しましょう!


0時46分の土星

2023/7/29 0h46m Shutter=36.50ms Gain=362 (60%) 50% of 5050frames ap1

 今宵の土星は小刻みに震えていて昨日の方がシーイングは良かったかも…と思える気流でした。ちょっと残念です。


0時52分の土星

2023/7/29 0h52m Shutter=35.50ms Gain=363 (60%) 50% of 6762frames ap1


 こちらはシーイング対策として露出を短くして(そのためゲインは400オーバーになっている)撮影した1時16分の土星画像です。画像処理の違いかもしれないが露出は短い方がキャプチャー数を増やせるのでいい感じがしますね。

2023/7/29 1h16m Shutter=15.00ms Gain=428 (71%) 50% of 15979frames ap1




土星のシーイングはこんな感じでした。


 あと20分ほどで土星の南中時刻1時45分になる時間でしたが、まとわりつくような湿度の高い空気と連日の撮影による蓄積疲労のため、今宵は早めに切り上げることにしました。撮影中は、体中にじっとりと汗をかいて、さらに暑さに拍車をかけるように夜中だというのにアブラゼミがジリジリ鳴いて耐えられなくなったのだが…

 さきほど気象庁のデータをみたら、7月29日0時の気温が27.9°で湿度が80%でした。そりゃ~セミも寝苦しくて鳴くよね~、夏の夜中の惑星撮影は年中行事だけどこれほど暑い夜は初めてです。

 ま、暑いことで、シーイングが良くなっているという恩恵もあるのでありがたいことですが、これぞ嬉しい悲鳴ですね。いや、絶叫…かな。惑星撮影中の熱中症対策は今後必須になるかもですね。

 

7月28日の土星

2023年07月28日 | 土星
7月27日の夜に撮影した土星ですがアップした画像はすべて日付が変わってからのものなのでタイトルは「7月28日の土星」となってま~す。

 撮影は23時過ぎには始めていたのですが、大気分散補正プリズム(ADC)の調整がうまくいかず、テスト撮影だけで1時間もかかってしまいました。トホホ…

 気流は撮影開始時から良かったですよ。一番落ち着いていたのは0時~1時の間かな、その後は緩やかに悪くなって、木星の撮影を開始した2時30分には、うそでしょ?と思わず声が出るほどのブルブル気流になったので木星撮影会は急遽中止になりました。なんで~!?

 本日の撮影機材:μ210+Powermate2×+ADC+ASI290MC+UV/IR cut filter 

 で、ここからは比較的写りが良かった土星の画像です。あ、どれも同じに見えますね。(^^ゞ
晴れスタ的には4番目がベストフォトかな…と思ってます。



2023/7/28 0h14m Shutter=38.00ms Gain=350 (58%) 50% of 4738frames ap1






2023/7/28 0h24m Shutter=65.99ms Gain=300 (50%) 50% of 3637frames ap1






2023/7/28 0h27m Shutter=37.72ms Gain=350 (58%) 50% of 6364 frames ap1





2023/7/28 1h06m Shutter=38.00ms Gain=350 (58%) 50% of 6316 frames ap1


こちらは7月27日21時の天気図です。
太平洋高気圧の位置はここ数日変わっていませんが…

 250hPa(10km上空)の気流(風速)は毎日変わってます。Windy予報を見ると明日あさって(7/29早朝と7/30早朝)が一番落ち着いて風速7m前後まで弱くなるようです。

 あくまでも予報なのであてにはなりませんが、7/31日以降は気流が悪くなるようなので、この2日間は気合いを入れて撮影することにしましょう。


〈追記〉
0時29分のser動画を変換してgifアニメにしたものです。当日のシーイングはこんな感じでした。



こちらは同動画をaviに変換してYouTubeにアップしたものです。こちらの方が実際の様子に近いかな?

7月25日の土星と木星

2023年07月26日 | 土星
7月24日の23時過ぎに夜空チェックをすると思いのほか晴れていたので土星を撮影しました~。

 予報では曇るはずだったので望遠鏡の温度順応をしていなかったのですが、いつ雲が湧き出すか分からないので取り急ぎ撮影開始です。

 本日の撮影システムは、μ210+Powermate2×+ADC+ASI290MC+UV/IR cut filter です。今日はADCを装着しているので大気分散補正対策はバッチリです。

 撮影時の土星データ:Diameter=18.53" Magnitude=0.57 輝面比1.00


ファーストショット、撮影開始時刻は0時36分、土星の高度は 36°です。

2023/7/25 0h36m Shutter=97.82ms Gain=327 (54%) 50% of 1841feames ap8



01時25分に撮影した土星、撮影時高度40°

2023/7/25 1h25m Shutter=27.23ms Gain=416 (69%) 25% of 8815frames ap11

 この直後、雲に覆われて土星が見えなくなったので撮影を終了、撤収前に木星の試し撮りを2カットほど行う。撤収しようとした2時25分過ぎに土星付近の雲がクリアになったので撮影を再開。この時の気流が一番落ち着いていたが、2時35分過ぎに再び雲に覆われたので撮影は終了となった。


本日のラストショット、撮影時高度40°

2023/7/25 2h33m Shutter=54.50ms Gain=372 (62%) 50% of 3304frames ap8



こちらが今シーズン初撮影の木星です。高度が33°と低く、望遠鏡口径の半分が庭木に遮られていたのであくまでも試写的な撮影で~す。木星の衝は11月3日ですが条件良く撮影できるのは8月中旬以降ですかね~。

02時16分の木星、撮影時高度33°  光度 -2.6等級 視直径44.3"  輝面比 0.99

2023/7/25 2h16m Shutter=7.079ms Gain=445 (74%) 50% of 12702frames ap37


02時18分に撮影した木星

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