goo blog サービス終了のお知らせ 

晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

サイディング・スプリング彗星(C/2013 A1)

2013年12月29日 | 「見たい天体現象」
2014年「気にな~る天体現象」の第2回目は、
以前「彗星が火星に衝突!?(*)」で紹介したサイディング・スプリング彗星(C/2013 A1)です。

サイディング・スプリング彗星は符号(A1)からも分かるように2013年に発見された彗星の第1号です(2013年1月3日発見)。近日点距離が約1.4AU、オールトの雲を起源とする非周期彗星と分類されているため、2014年10月25日の近日点通過後は太陽近傍に戻ってくることのない彗星です。


地球に再接近する9月上旬には6等級まで明るくなると予想されていますが、肉眼彗星になるかはビミョーなところです。最接近時は空の南極近くを動くため残念ながら日本からは見られません。絶対等級が5.0等、核の直径が約50kmもある巨大ほうき星ですが、地心距離が1AUもあるため、夕方、日本の空に現れる頃は7等級程度の明るさとなってしまいます。

さて、この彗星は火星に大接近(0.0009AU=約14万km)することで話題になっていますが、その様子が日本からも観察できます。
2014年10月19日の日没後、南西の空低いところに火星が見えてきます。


その火星の東側、角距離20分のところにサイディング・スプリング彗星(C/2013 A1)があります。

上記図の白枠は20cm反射望遠鏡(焦点距離1,000mm)の写野角です。18時の高度が16°なのでかなりチャレンジングな対象ですがチャンスがあるときは、ぜひ挑戦してみたい天体現象です。

サイディング・スプリング彗星(C/2013 A1)が火星に衝突する可能性はほぼないようですが、最接近時は火星上から-8等級の明るさで見える予報が出されています。

▲キュリオシティから見たサイディング・スプリング彗星(C/2013 A1)の予想図

余談ですが、サイディング・スプリング彗星(C/2013 A1)が火星に衝突したときは、火星上に直径500km、深さ2kmのクレーターができるそうです。わぉ!

209P/LINEAR周期彗星

2013年12月23日 | 「見たい天体現象」
そろそろ来年の天文現象が気になる時期となりました。

手元に2014年度版「天文年鑑」も届きましたので年末恒例となりました

「来年ぜひ見たい天体現象」を紹介していくことにしたいのですが…

 「来年ぜひ見たい!という天体現象がどーも見つからないのです…。」
 「あー、それはアイソン彗星・ロス症候群ですね。最近多いんですよ~。」

…というワケではありませんが、来年は特筆すべき大きな天体現象がないようなので、
今年は「来年気にな~る天体現象」として数回にわたって紹介していくことにしま~す。

記念すべき?第1回目は、「209P/LINEAR彗星」です。

「209P/LINEAR彗星」は2004年の発見後、2008年に再検出されて番号登録された、
周期が5.09年、近日点距離が0.97AU、絶対等級H=16.0等級の小さなほうき星です。

この彗星が2014年5月29.4日UTに地球に0.0555AUまで近づきます。

0.0555AUは約830万kmですので、百武彗星(*)再接近時の約半分の距離となります。
そのため5月下旬の日々運動量は10°にもおよぶそうです。わぉ!(参考C/2012K5*)

Copyright&COPY :吉田誠一さんのホームページより(*)

 接近時の明るさは9等級なので、肉眼彗星にはほど遠いのですが、小望遠鏡でも十分写る明るさになるようです。しかも、位置情報によると、尾の実長を0.05AUと仮定しても、5月下旬には40°近い尾が伸びることになるそうです。(天文年間2014.P179)

尾の長さ40°といっても小さな彗星なので、それが撮影できる明るさかどうかは分かりませんが、機会を見て撮影にチャレンジすることにしましょう。

209P/LINEAR彗星の最接近は5月29日ですが、その5日前の5月24日に地球が209P周期彗星のトレイルに突入します。そうです。突発予報が出ている「5月きりん座流星群」です。

極大予想は5月24日16時、出現規模はHR=100以上という予報が出ていますので
出現時刻が後ろにずれることを期待して、5月24日20時頃は要チェックですね。
「来年気にな~る天体現象」の第2回目は「C/2013 A1(Siding Spring)彗星」で~す。

C/2011L4 パンスターズ彗星

2013年01月01日 | 「見たい天体現象」
新年あけましておめでとうございます。

いつも、このブログを見てくださっているみなさん、ありがとうございます。
今年もたま~にアップしていきますので、本年もよろしくお願いします。

さて、「2013年見たい天体現象」第2弾はパンスターズ彗星(2011L4)です。

すでに天文雑誌等で3月に見える肉眼彗星として紹介されていますが、
観測用メモとしてデータと見え方をまとめておきましょう。

*絶対等級1.5等、近日点距離0.302AU(3月10日)、3月中旬ごろの地球接近距離1.1AU

上記の絶対等級を見ると彗星本体の大きさとしては大型と言えます。(参考:ハレー彗星、絶対等級5等級、18km×8km×8km ヘール・ボップ彗星、絶対等級-2等級、直径40km)

パンスターズ彗星は、大型の彗星のためかなり明るくなりそうな感じがしますが、オールトの雲から初めて降りてくる彗星のため、それほど明るくはならないのでは…、という予想も出されています。

近日点通過時の彗星の明るさは、計算上では-6等に届くとの予報もありますが、個人的には最大で0等級~-1等級程度、コホーテク彗星のような見え方をするのでは…、と思っています。(根拠はありませ~ん。なんとなくです)

こちらは3月13日(水)18時30分頃のパンスターズ彗星

西の空で月齢1.6の二日月とランデブーする様子が見られます。

この時の高度は5°ですが、日没15分後には茜色の空で二日月が見えますので
18時頃(高度10°)から探してみると彗星の頭部が見えるかもしれません。要チェックです。

こちらは3月14日(木)18時35分の様子です。

予想される尾の長さは7.6°(実長0.2AUの時)、高度は前日とほぼ同じです。

こちらは3月15日(金)18時35分の様子

尾の長さ7°は、実際の空で見るとすご~く短く感じるかもしれません。

しか~し、画角的にはf100m位のレンズではみ出すくらいの大きさなので
ほうき星としては超ド級の彗星です。ぜひ写真におさめたいところですが
平日のこの時間は、ちょっときびしいかも~、撮影は土日かな?


C/2012 S1 ISON彗星

2012年11月25日 | 「見たい天体現象」
そろそろ来年の天文現象が気になる時期となりました。

手元に2013年度版「天文年鑑」も届きましたので年末恒例となりました

「来年ぜひ見たい天体現象」を数回にわたって紹介していくことにしましょう。

第1回目は、もちろん「C/2012 S1 ISON彗星」です。これを抜きに来年の天文現象は語れ
ません。2013年度版「天文年鑑」表紙もISO彗星を意識してのラブジョイ彗星と思われます。

天文年鑑にISON彗星の位置情報が載っているので、それをもとにシミュレーションしてみましょう。

11月28日の近日点通過後の最初の遭遇は12月2日頃…、

推定13°に伸びた彗星の尾が東の地平線から登ってくる様子が見られます。→参考

この日のこの時間は、水星食のおまけ付きです。

さぞかし、フォトジェニックな星景となることでしょう。(見えれば…の話ですが)

ISON彗星が全貌を現すのは12月4日頃…。

0.3等級で輝く核と細く長く伸びる推定15°の尾が見えるでしょう。→参考

12月12日頃には薄明が始まる前に、その全貌を見ることができます。→参考

予想光度は2.3等級、尾の長さは20°と予測されています。(実長が0.2AUの場合)

12月15日を過ぎると月明かりの影響を受けるようになります。

この頃の予想光度は2.6等級、尾の長さは22°と予測されています。

12月16日を過ぎると日没後の西空でも見えるようになります。

クリスマスの日の夕方には北西の空でこのように見えるはずです。

予想光度は3.5等級、尾の長さは22°と予測されています。

そして、12月28日には周極星となって一晩中見えるようになります。

1996年3月25日の百武彗星を思い出しますね。→PHOTO

上記の予測図はあくまでも現時点での情報を元にイメージした独自予報
ですので、今後の動きによっては大きく変わることが考えられます。

ISON彗星は太陽表面から約83万kmのところを通過する予報が出ていますので
蒸発消滅は無いとしても分裂することは十分考えられます。→参考

核の分裂の具合によっては九尾のキツネのような尾が見られるかもしれませんね。
今後の情報を待つことにしましょう。

*上記予想図は「ステラナビゲーター Ver.9.1」で作成しています。

2010年「最近の満月・最遠の満月」

2010年01月27日 | 「見たい天体現象」
実は、まだ続いていた「2010年見たい天体現象」シリーズ
その4は「最近の満月・最遠の満月」です。

月の公転軌道は楕円なので近地点と遠地点があります。
関連blog→最近の満月BIGGEST FULL MOON OF THE YEAR

2010年の「最近の日」「最遠の日」及び「月齢」は下記の通りです。

・ 1月30日(土)最近18時05分(33'29")月齢15.5(満月)(本年最近)
・ 2月28日(日)最近06時39分(33'23")月齢14.4
・ 3月28日(日)最近13時59分(33'00")月齢12.6
・ 4月25日(日)最近06時00分(32'32")月齢11.0
・ 5月20日(木)最近17時45分(32'18")月齢 6.5
・ 6月15日(火)最近23時59分(32'38")月齢 3.0
・ 7月13日(火)最近20時22分(33'04")月齢 1.7
・ 8月11日(水)最近02時58分(33'15")月齢 1.4
・ 9月08日(水)最近12時58分(33'26")月齢 0.1(新月)
・10月 6日(水)最近22時38分(33'13")月齢28.1
・11月04日(木)最近02時25分(32'48")月齢27.7
・12月01日(水)最近03時56分(32'20")月齢25.3

・ 1月17日(日)最遠10時40分(29'23")月齢 2.2 
・ 2月13日(土)最遠11時07分(29'23")月齢29.2(本年最遠) 
・ 3月12日(金)最遠19時05分(29'26")月齢26.4
・ 4月09日(金)最遠11時44分(29'30")月齢24.6
・ 5月07日(金)最遠06時52分(29'33")月齢22.0
・ 6月04日(金)最遠01時50分(29'33")月齢21.5 
・ 7月01日(木)最遠10時22分(29'30")月齢19.0
・ 7月29日(木)最遠08時48分(29'26")月齢17.7
・ 8月25日(水)最遠02時05分(29'24")月齢14.4(満月)
・ 9月21日(火)最遠17時03分(29'25")月齢13.1
・10月19日(火)最遠03時18分(29'28")月齢11.7
・11月15日(月)最遠20時45分(29'32")月齢 9.3
・12月13日(月)最遠17時34分(29'33")月齢 7.8

ラッキーなことに、2010年は「最近の満月」と「最遠の満月」の両方を見る
ことができます。しかも「最近の満月」は「本年最近」というおまけ付きです。

こちらは2008年12月12日に撮影した「最近の満月」です。

今年は最近と最遠の月の大きさの違いを比べることができる年です。
まずは、今週の土曜日の満月を忘れずに撮影することにしましょう。

2010年「月とプレアデス星団の接近」

2009年12月12日 | 「見たい天体現象」
「2010年ぜひ見たい天体現象」の2回目は
「月とプレアデス星団(すばる)の接近」です。

今回紹介するのは、春先に見ることができる
「西の空で細い月と接近するプレアデス星団」です。

月が細いと言っても肉眼ではプレアデス星団はよく見えません。
しか~し、デジカメで写真を撮ると、これが意外と良く写ります。

「三日月とプレアデス星団の接近」

2007年4月19日19時05分(月齢2.0)
f200mm F6.3 3sec 固定撮影、角距離4°


それでは2010年の接近をステラナビでシミュレーションしてみましょう。

2月21日(日)「八日月(月齢7.4)と接近」

薄明終了時(18時49分)の月高度は61°、角距離は5°です。
すばるは月の東側にあるので時間が経つとさらに接近します。
21時では角距離が4°、高度は37°です。撮影しやすい高度ですが
月齢が7.4もあるので、露出加減がむずしいかもしれません。


3月21日(日)「六日月(月齢5.6)と接近」

この日は薄明終了時(19時18分)の月高度が44°、角距離は
約5°です。月はすばるの東側にあるので、時間の経過とともに
角距離も大きくなります。早めの撮影が良いですね。


4月17日(土)「四日月(月齢2.6)と接近」

こちらは2010年ぜひみたい天体現象のひとつです。

薄明終了時(19時49分)の角距離は、わずかに1.4°です。
この時点で月高度は14°しかありません。市民薄明が
終了する頃にはデジカメでの撮影が可能となるはずです。
お気に入りの撮影システムで日没直後から挑戦してみると
傑作写真が撮れるかもしれません。

いずれの日も、西の空には宵の明星があります。

4月17日はすぐそばに金星があるので三天体を一緒に写す
ことができるかもしれません。→photo

2010年ぜひ見たい天体現象はまだまだ続きます。
次回をお楽しみに~。

2010年「月と金星の接近」

2009年12月07日 | 「見たい天体現象」
そろそろ来年の天文現象が気になる時期となりました。

そこで「2010年のぜひ見たい天体現象」を数回にわたって
紹介していくことにしましょう。

第1回は「月と金星の接近」です。

来年の金星は2010年1月11日の外合過ぎから10月28日の内合直前まで
西の空で宵の明星として輝きます。2月以降は毎月、金星と月の接近
が見られることになります。では、どのように見えるのでしょう?

ステラナビでシミュレーションしてみました。
(注:図はすべて日没時刻の様子です。背景は暗くしてあります。)

2月15日(月)「月齢1.2と木星と金星」

日没時の高度は月11°、木星8°、金星6°とかなり厳しい条件ですが、
場所を選べば見えない高度ではありません。この日は月齢1.2の月を
撮影することができる好条件の日です。

3月17日(水)「月齢1.5と金星」

日没時の月高度が15°もあるので「二日月と金星の接近」を
きれいな景色と一緒に写すことができます。

4月16日(金)「月齢1.9と金星と水星」

三日月と金星(-3.9等)と水星(1.5等)が並びます。
日没時の月高度は20°もあります。さらに上にはプレアデス星団も
あります。翌日の17日は月とすばるが接近します。(角距離1.5°)

5月16日(日)「月齢2.4と金星」

この日は月と金星が超接近します。角距離は約1°です。
残念ながら金星食は起きません。東南アジアでは見られるそうです。

6月15日(火)「月齢2.9と金星」

梅雨時ですが梅雨の晴れ間と合うと、夕焼けの中できれいな
接近を見られるかもしれません。

7月14日(水)「月齢2.6と水星・金星・火星・土星」

2010年見逃せない天体現象のひとつです。晴天率の悪い時期ですが
ぜひ見たい景色です。最もこの配列は2~3日続きますので見る
チャンスは十分あります。

8月13日(金)「月齢3.3と水星・金星・火星・土星」

こちらは惑星が集まっているので40mm位のレンズで撮影できるかも
しれません。ただ、高度が低いので水星はきびしいかも…、ちなみに
光度は水星(0.6等)土星(1.0等)火星(1.5等)金星(-4.3等)です。

9月と10月も金星と月の接近はありますが、日没時の高度が10°
程度ですので観望は難しいかもしれません。