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晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

創刊70年 天文年鑑

2017年11月26日 | 「見たい天体現象」
そろそろ来年の天文現象が気になる時期となりました。

2018年度版「天文年鑑」を入手するべく本屋に行くこと数回…、発売予定日の2日後に
本屋さんに届きました。ふぅ(発売が遅れることはよくあるのでノープロブレムです)

おっと、2018年度版はなんと帯つきです。創刊70年記念号です。

そうですか~。天文年鑑の創刊は1948年暮れ「1949年版」なんですね。歴史の長さに驚きです。
口絵写真には歴代の天文年鑑の表紙写真や歴史的天体現象がたくさん載っています。ふむふむ、

おっ、天文ガイド創刊は1965年で当時の定価がなんと100円!?、そんなに安かったかな~
天文ガイドはけっこう古くから買っていたので、本棚から引っ張り出してみると…

出てきました、1972年のビンテージものが…

ちなみに、天文年鑑で手元に残っている一番古いものは1990年版でした。

さてさて、1972年の天文ガイドの値段は…、おお、150円です! こ~れはコスパ良過ぎです。
この年の6月号は前年1971年の火星大接近の観測特集号でした。

1971年の火星大接近は地心距離が5620万km、視直径25.0秒の大接近です。
来年、2018年の大接近は地心距離が5759万km、視直径24.3秒です。


当時の天文ガイドは、今読み直してもため~になる記事が満載です。

当然ですが、当時はすべてがアナログで、カメラはもちろんフィルムの時代です。

6月号の表紙にある火星カラー写真は、コダクロームXオリジナルポジ4枚をフジカラーR400に合成したもの、つまりコンポジットしたものだそうです。本誌には「カラー写真コンポジット法」が記事として載っていました。

今は、何でもデジタルでちょちょ~いと画像処理して鮮明な映像が簡単にできるので、すごい時代になったなぁ~と改めて感じます。(個人的にはフィルム(アナログ)は、非連続であるデジタルとはまったく別物なので、デジタルでは超えられない部分があるとは思いますが…。)

おっと、かなり横道にそれましたが、天文年鑑も手元に届きましたので、年末恒例の「来年見たい天体現象」シリーズが、次回のブログから始まりま~す。

to be Continued  お楽しみに~ 


2017年「惑星の接近(火星編)」

2016年12月04日 | 「見たい天体現象」
2017年見たい天文現象の第3弾は「惑星の接近(火星編)」です。

天文現象としての惑星接近は、
①肉眼で楽しめる五惑星(水星、金星、火星、木星、土星)の接近と

金星と木星の接近

2008.2.2.05:19 TAMRON XR DiⅡ18-200mm F3.5-F6.3 f125mm F6.3 3sec

②望遠鏡を通して楽しめる外惑星を含めた惑星同士の接近があります。

木星と天王星の接近

2011.1.12.19:04:27 BORG60 Powermate2 D90 ISO800 2.0sec

土星と金星の接近

2016.1.9 6:38:28 BORG60 Powermate2× ISO800 1/60

③さらに、惑星の接近に月が加わるとより華やかな景色となります。

木星と月と水星の接近

2008.12.30 17:14 NIKON D50  TAMRON XR DiⅡ(105mm)

さ~て、来年はどのような接近が見られるのでしょうか? 調べてみましょう。
2017年は火星大接近(2018年7月31日)の前年なので今回は火星基準でまとめてみました。

火星と海王星の大接近 1月1日18時30分 角距離 4分


火星と月の接近(月齢4.8)1月3日17時30分 角距離15分


火星と天王星の接近 2月27日18時30分 角距離37分


火星と月(月齢28.4)と水星の接近 9月19日04時23分  


火星と水星の大接近 9月17日04時20分 角距離 3分


火星と金星の接近 10月6日04時20分 角距離13分

2017年「Lunar X」

2016年11月23日 | 「見たい天体現象」
「来年見たい天体現象」シリーズの第3回目は、今回も出ました!
いつもの、な~ぜか気になる「ルナX」です。


2015.12.18 18:48:45 CELESTRON C90 MAK D90 ISO800 1/60sec(トリミング)

6年前に「月面ルナX」をこのブログで紹介したときは、まだまだマイナー天文現象でしたが
今では各種の天文カレンダーに載るほどメジャーになってきましたね。

来年の天文カレンダーを見れば、ルナXデーのおおよその日時が分かりますが、手元に
天文年間が届きましたので、2017年の「 LunarX-Day」を調べてみることにしましょう。


今回も月面余経度が358.0°になる日時をまとめてみました。

月面余経度358.0°の日時   月出ー月没   日没   月高度(ピーク時)    F値
1月 5日(木)14時32分   11:03-23:33   16:32    37°     +1.21
□ 2月 4日(土)05時20分   10:56-24:44   17:04   -42°
3月 5日(日)19時07分   10:23-24:49   17:35    60°     -0.29
□ 4月 4日(火)08時22分   11:03-25:35   18:04   -24°
5月 3日(水)20時35分   10:59-25:04   18:31    49°     -1.46
□ 6月 2日(金)07時06分   11:56-24:52   18:57   -43°
7月 1日(土)19時04分   11:46-23:56   19:06    46°     -1.13
□ 7月31日(月)11時59分   12:28-23:32   18:50   - 6°
8月29日(火)17時16分   12:09-22:42   18:13    34°     +0.33
□ 9月28日(水)05時20分   12:37-22:46   17:26   -71°
10月27日(金)18時15分   12:03-22:19   16:45    30°     +1.49
□11月26日(日)08時11分   11:58-22:58   16:20   -43°
□12月25日(月)22時34分   11:06-22:47   16:24    1°
(注:上記日時はあくまでも晴れスター的独自予報です。)

 F値:プラスは月の北側が、マイナスは月の南側が地球に向いている角度です。(月の秤動)

さ~て、来年は6回ほどルナXが見られるようですね。2016年のルナXは5回ほどあったのですが、な~んと、一度も見ることができませんでした。2017年は年明け早々に1回目があるので、チャレンジしてみることにしましょう。

2017年は、火星と海王星の大接近(1/1)、金星と月の接近(1/2)、しぶんぎ座流星群好条件(1/3)、
火星と月の接近(1/3)、ルナX(1/5)、45P本田・ムルコス・バイドゥシャーコヴァー 彗星の接近(1/1~1/5)
ヒアデス星団食(1/9)、アルデバラン食(1/10)などなど、年明け早々から見たい天文現象が目白押しです。

まだまだあります! 「晴れスター的 2017見たい天文現象」は順次紹介していきま~す。お楽しみに~

2017年に見える細~い月(有明の月)

2016年11月03日 | 「見たい天体現象」
2017年見たい天体現象の第2弾は「来年見える細~い有明の月」です。

月齢28.4 輝面比0.02 撮影高度4°

2016.1.9 6:13:40 BORG60 Powermate2× ISO800 1/5

有明の月の細さは月齢だけでは測れないので、今回も輝面比で調べることにしましょう。
データは下記のとおりです。

        新月時刻    仙台・日出  前日の日出月齢   高度   輝面比  
 1月28日 09時07分 (日出06時43分) 28.6  8.081°  0.01    
 2月26日 23時58分 (日出06時11分) 27.9  9.934°  0.03
 3月28日 11時57分 (日出05時27分) 28.2  4.592°  0.02
 4月26日 21時16分 (日出04時45分) 27.7  6.764°  0.04
 5月26日 04時44分 (日出04時16分) 28.3  2.791°  0.02  
 6月24日 11時31分 (日出04時12分) 28.0  8.179°  0.03
 7月23日 18時46分 (日出04時29分) 27.7 14.954°  0.04
 8月22日 03時30分 (日出04時55分  28.4  9.374°  0.01
 9月20日 14時30分 (日出05時21分) 28.1 14.982°  0.02
10月20日 04時12分 (日出05時48分  28.6  9.653°  0.01
11月18日 20時42分 (日出06時19分) 28.1 16.260°  0.02
12月18日 15時30分 (日出06時46分) 28.4 12.378°  0.02

以上のことから、
1月27日(金)は、新月28時間16分前の月(月出時)
8月21日(月)は、新月23時間32分前の月(月出時)
10月30日(日)は、新月23時間39分前の月(月出時)
…となります。

〈撮影計画メモ〉
1月27日〈金)06時20分 高度4.2° 方位297.7° 日の出24分前
8月21日(月)04時25分 高度4.1° 方位254.1° 日の出29分前
10月19日(木)05時17分 高度4.1° 方位276.4° 日の出30分前

さ~て、これまで輝面比0.01の有明の月は一度も撮影したことがないのでぜひ撮影したいところですね。
2017年は3回ほどチャンスがありますが、条件としてはどれも似たり寄ったりです。撮影成功の鍵は天候+撮影日を忘れないことです。カウントダウンメーカーを活用して撮影に望むことにしましょう。

2017年に見える細~い月(月齢1未満)

2016年10月30日 | 「見たい天体現象」
そろそろ来年の天文現象が気になる季節となりました。

天文年間2017年版はまだ発売前ですが、待ちきれないので、年末恒例の「来年ぜひ見たい天体現象」シリーズをフライング・スタートしま~す。天文雑誌等ではすでに「2017年天文現象ハイライト特集」を掲載していますが、ここでは、いつものように晴れスター的オリジナル視点でご紹介していきます。

第1回目は「2017年に見える細~い月(月齢1未満)」で~す。

月齢0.9の細い月 輝面比0.01 撮影時高度3.5° 

2010.4.15 18:46:58 f100mm F6.0 D50 ISO800 1/4(トリミング)

月齢1未満の月が見える日の条件として、新月時刻>日没時刻 という関係があります。
2017年の新月時刻と仙台市の日没時刻は下記のとおりです。

         新月時刻  仙台・日没  翌日の日没時・月齢&高度
 1月28日 09時07分 (16時56分)  1.3  12.689° 
 2月26日 23時58分 (17時28分)  0.7   6.482°
 3月28日 11時57分 (17時58分)  1.3  13.111°
 4月26日 21時16分 (18時25分)  0.9   7.719°
 5月26日 04時44分 (18時52分)  1.6  14.514°
 6月24日 11時31分 (19時06分)  1.3   8.990°
 7月23日 18時46分 (18時57分)  1.0   5.252°
 8月22日 03時30分 (18時23分)  1.6  10.295°
 9月20日 14時30分 (17時39分)  1.1   7.934°
10月20日 04時12分 (16時54分)  1.5  11.149°
11月18日 20時42分 (16時24分)  0.8   7.252°
12月18日 15時30分 (16時20分)  1.0   8.335°

〈考察〉
月齢1.2~1.3は日没直後に簡単に見える。
月齢0.9は日没30分後に見える(撮影可能となる)が空の透明度に依存する。
月齢0.8は不明、2017年11月19日は、日没時高度が7.2°、日没30分後は2.3°になる。
月齢1前後の月の観望好期は白道が立ち上がっている11月~4月までである。

(観測計画)
2月27日(月) 月齢0.7 日没17時29分 日没30分後高度1.1°のため不可
4月27日(木) 月齢0.9 日没18時26分 日没30分後高度は2.3° 可だが条件は厳しい。
9月21日(木) 月齢1.1 日没17時37分 日没30分後高度は2.3° 可、20分後高度は4.2°
11月19日(日) 月齢0.9 日没16時23分 日没30分後高度は2.2°可だが条件は厳しい。
12月19日(火) 月齢1.0 日没16時21分 日没30分後高度は3.6°条件は良。
*月齢1未満ではありませんが、月齢1.0と月齢1.1は撮影したことがないので観測対象日としてあります。

ふ~むふむ、条件的には2016年(*)と同じようですね~。今年は天候に恵まれなかったり、観測日を忘れてしまったりして撮影ができませんでしたが、来年はアクティブにチャレンジしてみることにしましょう。

2016年「来年見える細~い有明の月」

2015年12月31日 | 「見たい天体現象」
いよいよ、おおみそかになりました。
2016年見たい天体現象の第3弾は「来年見える細~い有明の月」です。

月齢28.4 輝面比0.02

2013.12.2 6:01:21 BORG60 Powermate2× ISO400 1/2(トリミング)

有明の月の細さは月齢だけでは測れないので、輝面比で調べることにしましょう。
データは下記のとおりです。

       新月時刻    日出時刻      前日の日出月齢   高度     輝面比  
 1月10日 10時31分 (06時52分) 28.5 11.091°  0.02    
 2月08日 23時39分 (06時34分) 27.8 13.573°  0.04
 3月09日 10時54分 (05時55分) 28.3  7.524°  0.02
 4月07日 20時24分 (05時11分) 27.8  8.670°  0.04
 5月07日 04時30分 (04時31分) 28.3  2.775°  0.01  
 6月05日 12時00分 (04時12分) 28.0  6.213°  0.02
 7月04日 20時01分 (04時16分) 27.7 11.971°  0.03
 8月03日 05時45分 (04時39分) 28.4  8.137°  0.01
 9月01日 18時03分 (05時04分) 28.0 14.712°  0.02
10月01日 09時11分 (05時31分) 28.5 10.473°  0.01
10月31日 02時38分 (06時00分) 28.9  8.079°  0.01
11月29日 21時18分 (06時31分) 28.2 15.466°  0.02
12月29日 15時53分 (06時51分) 28.4 12.326°  0.02

以上のことから、
8月2日(火)は、新月25時間57分前の月(月出時)
9月30日(金)は、新月28時間43分前の月(月出時)
10月30日(日)は、新月20時間33分前の月(月出時)
…となります。

さすがに輝面比0.01の月は難易度MAXですが、機会をみて挑戦してみることにしましょう。
さて、今年もあと3時間あまりとなりました。2015年もい~ろいろと天体現象を楽しめた1年でした。

(個人的なランキングとしては、第1位が、尾までは肉眼で見えなかったけどかなり明るくなったラブジョイ彗星(C2014/Q2)観望かな…、第2位は天候に恵まれて全過程を観望できた皆既月食ですね。)

さ~て、来年はどんな天体現象が見られるか楽しみですね。ワクワク…。
本ブログは来年もたま~にアップしていきますので、お時間があるときにお寄りいただければ幸いです。

今年も、このブログを見てくださった みなさん、本当にありがとうございました。
それでは皆さん、よいお年を~!

2016年「来年見える細~い月(月齢1未満)」

2015年12月23日 | 「見たい天体現象」
ふと見上げた空に細い月を見つけると、思わず立ち止まって見入ってしまいますよね。

超スリムなお月さま(月齢1.3) 輝面比0.02

2009年2月26日17時48分 SE200N 直焦点 D70 ISO200 1/10

儚げだけど、とってもきれいで、何か得した気分にもなってしまいます。
もっと細い月も見てみたい…と思うところですが、究極に細い月の限界はどこにあるのでしょう?

細い月は天体現象ではありませんが、かねてから究極に細い月を観察テーマの一つとしていたので、
今年から「来年みたい天体現象」の定番テーマとして毎年紹介することにしましょう。

究極の細い月といえば月齢1未満の月…となりますが、
そうそう見えるわけではありません。

月齢0.9の細い月 輝面比0.01

2010.4.15 18:46:58 f100mm F6.0 D50 ISO800 1/4(トリミング)

月齢1未満の月が見える日の条件として、新月時刻>日没時刻 という関係があります。
来年の新月時刻と仙台市の日没時刻は下記のとおりです。

        新月時刻    日没時刻  翌日の日没月齢&高度
 1月10日 10時31分 (16時36分)  1.3  13.397° 
 2月08日 23時39分 (17時08分)  0.7   7.779°
 3月09日 10時54分 (17時40分)  1.3  14.784°
 4月07日 20時24分 (18時07分)  0.9   9.228°
 5月07日 04時30分 (18時35分)  1.6  15.889°
 6月05日 12時00分 (18時59分)  1.3   9.031°
 7月04日 20時01分 (19時06分)  1.0   3.438°
 8月03日 05時45分 (18時46分)  1.5   7.187°
 9月01日 18時03分 (18時08分)  1.0   4.397°
10月01日 09時11分 (17時21分)  1.3   8.134°
10月31日 02時38分 (16時40分)  1.6  11.258°
11月29日 21時18分 (16時19分)  0.8   7.364°
12月29日 15時53分 (16時26分)  1.0   9.331°

〈考察〉
月齢1.2~1.3は日没10分後に簡単に見える。
月齢0.9は日没35分後に見える(撮影可能となる)が空の透明度に依存する。
月齢0.8は不明、日没時高度が7.3°の場合、日没35分後は1.5°になる。
月齢1前後の月の観望好期は白道が立ち上がっている11月~4月までである。

以上のことから、

来年の「月齢1.0未満の月撮影ミッション!」遂行可能日は
 2月 9日(火) 月齢0.7 日没17:09
 4月 8日(金) 月齢0.9 日没18:08
11月30日(水) 月齢0.8 日没16:19  …の3回となります。

さすがに月齢0.7は無理そうに思えますが、
見ることのできる細い月の限界は、どのくらいなのでしょう?

実は、細い月を見た世界記録があります。

「細い月を見た世界記録は、1996年1月20日米国アリゾナ州ツーソンの
標高730m地点から口径8cmの望遠鏡による観測で、このときの
月齢は12時間7分でした。」(「月のきほん」白尾元理.著 誠文堂新光社)

ふむふむ、月齢12時間7分ということは、月齢は0.5になりますね。わぉ!
ということは、2月9日の月齢0.7はまだまだ序の口ということになります。(笑)

2月9日の月齢0.5は昼間の12時頃になります。
もし、2月9日の11時45分までに、青空の中で月齢0.5の月を
見ることができれば、みごと世界記録達成!となりま~す。

しか~も、この日は月の近地点通過3日前ですので、条件としては最良です。
標高の高いところに望遠鏡を持参して、チャレンジしたいところですが、
太陽との離角は11時45分でも6°45′しかありません。

そんな近傍で月齢0.5の月が見えるものですかねぇ。
かなり透明度の良いところじゃないと見えないと思うのですが…。
いつの日か、チャンスがある時にチャレンジしてみたいですね。

2015年「C/2014 Q1 (PANSTARRS彗星) 」

2015年04月19日 | 「見たい天体現象」
ど~もスッキリしない天気が続いています。相手は気まぐれなお天気ですから仕方ないですね。
こんな時は、今後の観測計画を立てて楽しむことにしましょう!

と、いうことで本日は「2015年見たい天体現象」第4弾!「C/2014 Q1 パンスターズ彗星」です。
え~!?、今頃ですか~? しかも「パンスターズ彗星」ってなんのこと?…
という声が当然聞こえてきそうですが、個人的には昨年末から気になっているほうき星です。

C/2014 Q1 パンスターズ彗星は「今年肉眼彗星になる可能性のある彗星」と紹介されてある2つの彗星の一つなのです。(引用:天文年間「近く訪れる彗星」)しか~も、近日点距離は0.3AUで、水星軌道の内側まで食い込みます。*ちなみに「肉眼彗星になる可能性のある彗星」のもう一つはC/2013USカタリナ彗星(q:0.8AU)です。

C/2014 Q1 パンスターズ彗星は7月6日の近日点通過後に3等級まで明るくなると予想されていますが、まったく話題に上がりません。なぜでしょう?

それは、地球との位置関係にあります。近日点通過後のC/2014 Q1は太陽をはさんだ向こう側にいます。条件としては最悪です。なので、明るくはなるが、観測はできない…とされています。

近日点通過後の位置関係はこちら…

しか~し、この位置関係…皆さん見覚えありませんか?そうです、あの大彗星になると期待されてイマイチだった…C/2011 L4 パンスターズ彗星の位置関係と酷似しているので~す。

…ということはC/2011 L4パンスターズ彗星と同等程度の肉眼彗星になるのかも…!?
と晴れスター的には予想をしております。↓C/2011L4パンスターズ彗星(

2013.3.15 18:34:26 NIKON D90 ISO800 f200mm F6.3 2sec

…で、さっそくC/2014 Q1 パンスターズ彗星の動きをステラナビでシミュレーションしてみました。

2015年6月17日03時00分の図

近日点通過前の観望好期は6月17日(日の出:4時11分)3時の高度は約6°、予想光度は6等級

近日点通過:7月6日、0.315AU

2015年7月10日19時45分の図

夕空で観望できるのは10日頃から(日没:19:05)予想光度3等級、19:45の高度は約3°

2015年7月10日19時57分の図

19時57分(日没から50分後)の高度は約2°

C/2011 L4パンスターズ彗星の時は、日没50分後にこのように見えました。(高度約3°)

2013.3.15 18:44:56 NIKON D90 ISO800 f65mm F5.3 4sec

2015年7月18日19時40分の図

C/2014 Q1 パンスターズ彗星が観測できるのは7月18日頃まで…、
この後は急速に高度が低くなります。

C/2014 Q1 パンスターズ彗星の5月1日現在の位置はこちら…

C/2014 Q1 パンスターズ彗星の周期は約35,000年、たぶんオールトの雲から
初めてやってくるほうき星です。

さ~て、C/2014 Q1 パンスターズ彗星は本当に肉眼彗星になるのでしょうか?
今のところ、どの天文雑誌でも取り上げていないので、このままマスコミに気づかれなければ、
大バケする可能性が出てきますね(笑)。
期待しながら推移を見守ることにしましょう。

2015年「今年見える細~い月(月齢1前後)」

2015年01月10日 | 「見たい天体現象」
夕方西空の低いところに見える細い月はとってもきれいですね。

細い月そのものは天体現象ではありませんが、月齢1はなかなか見ることができないので…
「2015年見たい天体現象」の3回目は「今年見える細~い月(月齢1未満)」で~す。

これまでに撮影した月齢1前後の細い月は、過去ブログを見ると3回ありました。

2011年2月4日「立春の月(月齢1.2)」→blog
2010年4月15日「月齢1未満の月撮影ミッション!」→blog
2009年2月26日「月齢1.1」→blog、「〈訂正〉月齢1.1→1.3」→blog

かねてから月齢1未満の月は、観察テーマの一つとしていたので、
細い月を見るチャンスは今年何回あるのか調べてみました。

細い月が見える日の条件として「新月時刻と日没時刻が近い」ことがあります。
…で、今年の新月時刻を天文年間で調べてみました。

 1月20日 22時14分 
 2月19日 08時47分
 3月20日 18時36分(日没時刻17時49分)
 4月19日 03時57分
 5月18日 13時13分
 6月16日 23時05分
 7月16日 10時24分
 8月14日 23時53分
 9月13日 15時41分
10月13日 09時06分
11月12日 02時47日
12月11日 19時29分(日没時刻16時18分)

…ということで今年は、3月20日と12月11日の翌日が月齢1前後の月の観望好期となります。白道(月の軌道)が夕方立ち上がっているのは2月~4月なので、見えやすい条件としては3月21日の方がベストです。

実際はどのように見えるのかステラナビでシミュレーションしてみました。月が分かりやすいように、昼光は消してあります。時刻は月が見え始める日没10分後から、日没30分後にしてあります。

3月21日(土)18時00分


3月21日(土)18時20分


12月12日(土)16時28分


12月12日(土)16時48分


幸いどちらも土曜日なので、天気に恵まれたら観測することにしましょう。

2015年「Conjunction(合)」

2015年01月07日 | 「見たい天体現象」
新年あけましておめでとうございます。

いつも、このブログを見てくださっているみなさん、ありがとうございます。
今年もたま~にアップしていきますので、本年もよろしくお願いします。

さて、本日のブログは「2015年見たい天体現象」の2回目です。
主な天体の接近が見られる日を備忘録としてメモしておくことにしましょう。


1月22日(木)「水星と金星と火星と月齢1.8の月の接近」

17時40分頃、水星(0.9等)金星(-3.9等)火星(1.2等)

2月21日(土)「金星と火星と月齢2.4の月の接近」

18時15分頃、金星(-3.9等)火星(1.3等)

2月22日(日)「金星と火星の接近(24分=0.4°)」

18時15分頃、金星(-3.9等)火星(1.3等)

6月30日(火)「木星と金星の接近(29分=0.5°)」

20時15分頃、金星(-4.5等)木星(-1.8等)
ここまでは夕空のConjunctionですが、ここからは早朝のConjunctionです。

10月10日(土)「水星と木星と火星と金星と月齢26.5の月の接近」

04時40分頃、水星(0.8等)木星(-1.7等)火星(1.8等)金星(-4.5等)

10月18日(日)「火星と木星の接近(23分=0.4°)」

04時40分頃、水星(0.7等)木星(-1.8等)火星(1.7等)金星(-4.4等)

10月23日(金)「金星と木星と火星の接近」

04時40分頃、木星(-1.8等)火星(1.7等)金星(-4.4等)

次回、「2015年見たい天体現象」の3回目は「今年見える細~い月」です。