夕食が終わって、何の記念日でも行事があるのでも
ないのに、ケーキが出てきた。
なんだか作ってみたくなって、作ったとは
カミサンの言葉。
珍しいこともあるもんだと頬張ると、上品な甘さで
美味しかった。
ケーキを食べる私の顔を見ながら、何やら
ニヤニヤしている。
また、何かおねだりでもあるのかと身構えていると、
感慨深げに彼女は言った。
「そんな顔して、ケーキを食べる姿を見られるとはね~。」
『ん? どんな顔?』
「満たされたような、穏やかな顔・・・。」
『そうか? そんな顔してるかな?』
「バカ病気になってしまったけど、一度も失敗せずに、
飲まずに頑張ってるのは偉いと思うよ。」
『そうかな・・・。』
「まだ飲みたいと思うときはある?」
『祝いの席とか、弔いの席とかでは、辛いこともあるな。』
「でも、飲まないんや。」
『決めたことやからな。』
「ふ~~ん。」
そう言いながら、彼女はニコニコしている。
何だ突然にとも思ったが、家族の回復というのは
そういうものなのだろうとも思った。
知らず知らずのうちに、少しずつ、本当に少しずつ
回復していくものなのであろう。
それは私自身も同じことである。
それでも、いつのまにかその少しの回復が実感できる
ところまで来たのかと思えば、嬉しい限りである。
この病気の回復のバロメータは、自身の、そして
家族の笑顔なのかもしれない。
ないのに、ケーキが出てきた。
なんだか作ってみたくなって、作ったとは
カミサンの言葉。
珍しいこともあるもんだと頬張ると、上品な甘さで
美味しかった。
ケーキを食べる私の顔を見ながら、何やら
ニヤニヤしている。
また、何かおねだりでもあるのかと身構えていると、
感慨深げに彼女は言った。
「そんな顔して、ケーキを食べる姿を見られるとはね~。」
『ん? どんな顔?』
「満たされたような、穏やかな顔・・・。」
『そうか? そんな顔してるかな?』
「バカ病気になってしまったけど、一度も失敗せずに、
飲まずに頑張ってるのは偉いと思うよ。」
『そうかな・・・。』
「まだ飲みたいと思うときはある?」
『祝いの席とか、弔いの席とかでは、辛いこともあるな。』
「でも、飲まないんや。」
『決めたことやからな。』
「ふ~~ん。」
そう言いながら、彼女はニコニコしている。
何だ突然にとも思ったが、家族の回復というのは
そういうものなのだろうとも思った。
知らず知らずのうちに、少しずつ、本当に少しずつ
回復していくものなのであろう。
それは私自身も同じことである。
それでも、いつのまにかその少しの回復が実感できる
ところまで来たのかと思えば、嬉しい限りである。
この病気の回復のバロメータは、自身の、そして
家族の笑顔なのかもしれない。