ALQUIT DAYS

The Great End of Life is not Knowledge but Action.

いつのまにか

2011年02月09日 | ノンジャンル
夕食が終わって、何の記念日でも行事があるのでも
ないのに、ケーキが出てきた。

なんだか作ってみたくなって、作ったとは
カミサンの言葉。

珍しいこともあるもんだと頬張ると、上品な甘さで
美味しかった。

ケーキを食べる私の顔を見ながら、何やら
ニヤニヤしている。

また、何かおねだりでもあるのかと身構えていると、
感慨深げに彼女は言った。

「そんな顔して、ケーキを食べる姿を見られるとはね~。」

『ん? どんな顔?』

「満たされたような、穏やかな顔・・・。」

『そうか? そんな顔してるかな?』

「バカ病気になってしまったけど、一度も失敗せずに、
 飲まずに頑張ってるのは偉いと思うよ。」

『そうかな・・・。』

「まだ飲みたいと思うときはある?」

『祝いの席とか、弔いの席とかでは、辛いこともあるな。』

「でも、飲まないんや。」

『決めたことやからな。』

「ふ~~ん。」

そう言いながら、彼女はニコニコしている。

何だ突然にとも思ったが、家族の回復というのは
そういうものなのだろうとも思った。

知らず知らずのうちに、少しずつ、本当に少しずつ
回復していくものなのであろう。
それは私自身も同じことである。

それでも、いつのまにかその少しの回復が実感できる
ところまで来たのかと思えば、嬉しい限りである。

この病気の回復のバロメータは、自身の、そして
家族の笑顔なのかもしれない。




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3 Comments

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Unknown (haru4444)
2011-02-09 22:16:12
どんなお顔で身構えられたんでしょうね。
ちょっと想像してしまいました。(笑)

確かに「笑顔」は、バロメータで、
そのように過ごす時間の長さや瞬間の多さに、
間違いなく比例するようです。^^)

ただ、どれだけ飲まなくても、努力を重ねても、
報われない方が多い事も事実ですね。

笑顔を失わないでいてくれた、
もう一度機会を与えてくれた、
家族に「感謝、感謝」です。^^)
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Unknown (jetlinks)
2011-02-09 22:27:00
悩みは尽きませんが、笑えることがある限り、
生きていく値打ちがあるということでしょう。 ^^
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Unknown (jetlinks)
2011-02-09 22:29:11
甘いものには見向きもしなかった私です。

今では、疲れるとチョコが欲しくなります。 ^^

もうすぐバレンタインですね。
女性読者の皆様、どうぞお義理で結構ですので・・・。 ^^

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