ALQUIT DAYS

The Great End of Life is not Knowledge but Action.

勝つという事

2009年05月23日 | ノンジャンル
80年代の洋楽が多くリバイバルされたり、カバーされたり
しているが、”Mamma Mia”で、懐かしいABBAの
曲が再リリースされている。

いつも切なくなる曲のひとつが、
”The Winner Takes It All”

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「勝者が全てを手にする。敗者はその陰に小さく佇む。」

夫婦二組のグループであったABBAは、この曲の
リリース前に一組が離婚となり、男性は再婚相手がすでに
いたはずで、そのあたりの事情を考えると、この曲を歌う
女性はどんな心境であったかと、切なくなるのである。

結局、もう一組も離婚し、後にABBAの解散となった。

閑話休題

話は、勝負、勝ち負けということである。
負けるよりは勝つことを誰しも目指し、努力する。
勝たねば意味がない、勝つことが全てである、勝ちに
こだわり、勝ち続けねばならない。負けてはならない、
何としても勝利しよう。

非常に疲れる話しである。
勝つ者がいれば、必ず負ける者がいる。
勝つ者が富も名声も賞賛も力も全てを得る。
その陰で、力も出し切り、何も残らない敗者が佇む。

勝者が敗者と分ち合うものはない。勝者が100で、
敗者は0である。

しかしながら、幸か不幸かは別問題である。
これは勝ち負けとは本質的に異なる。喜びと悲しみという
刹那的なものは直接勝ち負けに関わっているが、
幸か不幸かは人の一生という時間の中で決まるものである。

勝ちっぱなしで、一生を送る人はいない。負けっぱなし
というのもあり得ない。
勝って歓びを感じないとしたら、これほどの不幸はない。
負けて悲しみを感じないとしても不幸だろう。

自身がこの世に誕生して、人生を始めた時を原点として、
自分がどう歩んできたかを認識しておくことは重要である。
やり直しが必要で、ある時点に原点を置き直したとしても
同じである。

意味がないのは、絶対的位置を認識せずに、他人との
比較という相対的位置を常に意識して生きることである。
先を見ても、後ろを見てもきりがない。
上を見ても、下を見てもきりがないのである。

自身の原点から今の自分を見てどうなのかということである。
勝つことも負けることもあるだろうが、まずまずだったなと
振り返ることができたなら、幸せな人生ではないだろうか。

さて、当然のことながら肉体的に圧倒的な力の差があり、
経験や知識、そして経済力も格段の差をもって凌駕している
はずが、いつも負けてばかりいる相手がいる。
家のカミサンである。

負けてばかりいるのに、あまり悔しさも悲しみも
感じていないのは、どうやらまんざら不幸でもないようだ。