コロナ禍の中で開催された6月議会、一般質問持ち時間は一人30分に制約されました。その中で行った質問を分割してお知らせします。(今回は、指定管理者選定行為についてです。)
身体障がい者福祉センター、10年間の指定管理で24年8月に公募しました。10年間で市が払うお金は7億2千万円を超えるので、応募者には市の持ち出し軽減策を「提案」するようにしました。
選定された事業所が「提案」通りの事業展開をしていれば問題にすることは無かったのですが、実態は「提案」内容通りには事業は行われていないことが3月議会で明らかになりました。指定管理期間10年満了時には、市の持出し額が2億5千万円を超えることも分かりました。
市の選定行為に甘さはなかったのか?今後も同じようなことが起きるのではないか?それを防ぐ対策を市はしているのか?
市民の税金を運営しているという認識の欠如がこのような事態を招いたのではないでしょうか?
この事業が開始されて8年目に入ります。監査のメスが入った跡もありません。
ソモソモ、提案書を開示請求すると56頁中49頁の大半が黒塗りです。提案通りの事業展開をどのようにして市民はチェックできるのでしょうか?税金の使途の適否を、どのような方法で調査しろと言うのでしょうか。
・・・・・・・・・以下が6月議会のやり取りです。
件名4、市の事業の募集要項記載の意味について、要旨1、市が行った公募条件の履行、細目2、不履行への対応。
これは、3月議会でもこの場で一般質問を行いました。指定管理者制度をめぐっての提案内容の数字をめぐっての質問です。
3月議会で提案した数字が、実際履行されていなかった。大半が履行されていなくて、市側が負担せざるを得ないという数字が出てきました。まず、数字を示させていただきます。これは、身体障がい者福祉センター、10年の指定管理です。
当時の予算は7億2,225万円でした。それで、10年で大変な指定管理料になるということで、市側は、これを市の財源を軽減する、何か対策を提案してくださいということを公募要項で示しました。そして選ばれた事業者は、提案額が3億8,250万円でした。
市が上限で示した7億円以上のお金の半分以上を提案してくれていたわけです。要するに、市の持ち出しが半分以下になる。このとおり、提案額どおりの事業が行われておれば半分以上で済んだわけです。
そこで、その後の事業の流れを私なりに調べてみました。3月議会で質問したのが、平成30年度末で、「市の負担はどれぐらいになっているんですか」と質問しましたらば、1億4,781万円でしたと。びっくりしました。
それで、では、10年満期になる最後の年は幾ら持ち出しになりますかと聞いたらば、2億5,000万円を超えると言う。提案額が3億8,000万円なのに、その約3割近くしか市には入ってこない計算になるわけです。あり得ない話だと思って、その後、いろいろと調べました。
そして、実際、じゃ、どういう数字の動きをしているのかということを、例えば平成25年度、指定管理事業の新年度ですね。提案額は、10年で割ると約3,825万円になるはずです。そして、このとおりのものが市の内部の資料で、予算として市は考えていたのであれば納得したんですけれども、これは情報公開で調べて、市のつくった数字というのは973万1,000円でした。そして実際、では、この事業所は市に幾ら入れたんだろうかという数字を調べましたらば、329万1,656円。ご自分で提案した額の約10分の1ぐらいにしかなっていなかった。
ただ、この提案額、私が3,800万幾らと出した数字は、これは情報公開で開示請求しても、ここは黒塗りになってくるので分からないので、これは確定した数字ではありません。ただ単純に10年の提案額を10で割った数字ですので、若干誤差が出るとは思いますが、ほぼ間違いない数字だろうと思っております。
そこで、今回質問いたします。
市側は、各年度に予算上計上していた数字が、どこからはじき出した数字を持ってきていたのでしょうか。まずお答えください。
次に、細目1に戻ります。契約書・協定書・協議書は、どのように、この提案内容は生かされるべきなのか、市の見解を再度お示しください。
◎福祉部長(植草工君) 広瀬明子議員の一般質問にお答えいたします。
私のほうからは3点お答えさせていただきます。
まず、件名4、市の事業の募集要項記載の意味について、要旨1、市が行った公募条件の履行、細目2、不履行への対応、細項目1としまして、初年度から現在に至るまでの毎年の提案額を予算に計上してきたかというお尋ねです。
指定管理者から募集当時に示された各年度の提案額につきましては、指定管理料のみであり、市の歳入に当たる事業収入について、各年度の額が示されているものはありません。
身体障がい者福祉センターの運営に係る歳入予算については、市が独自に、身体障がい者福祉センターのサービス利用見込みに基づいて積算を行っています。
※私見→募集時に、市の財政負担軽減策を提案するように求めたのだが、応募事業者は実際の軽減額は示していなかったわけです。そんな公募・応募形態が許されるのでしょうか?
なお、令和2年3月定例会の答弁におきましては、募集当時に指定管理者が見込んだ事業収入の総額と、これまでの収入実績から導いた10年間の試算額とをそれぞれお示ししたところです。
次に、件名4、市の事業の募集要項記載の意味について、要旨1、市が行った公募条件の履行、細目1、契約書・協定書・協議書にどのように生かされるべきなのか、細項目1で、契約書・協定書・協議書などの中で書かれるべきものと考えるが、市の見解はとのお尋ねです。
市では、指定管理者制度運用指針に基づく協定書及び協議書を指定管理者と取り交わしているところですが、詳細な仕様については、指定管理者との協議において決定しているところです。
協定書には、指定期間中の指定管理料の上限額、基本的な業務内容、双方のリスク分担や留意すべき事項など包括的な事項について記載し、その他、詳細事項については、別途協議書や仕様書にて定めています。
なお、募集要項で定めた地域活動支援センターの管理運営に加え、指定管理者からの提案内容である多機能事業の実施等につきましては、適切な内容であるか、実態に即しているかなどの検証を踏まえ、協定書等に反映することとしております。
◆(広瀬明子君)
10年間、指定管理者に選ばれた事業者さんは、年度ごとに幾ら市に入りますよという、そういう具体的な数字の提案はなかったということですか。ちょっと確認させてください。先ほどの答弁はそのように聞こえたんですけれども。
◎福祉部長(植草工君) 募集当時に示された各年度の提案額につきましては、指定管理料のみであります。
◆(広瀬明子君) ああ、そうなんですか。また私は、何か違うふうにちょっと担当から聞いていたんですけれども、分かりました。それはそれで、後で確認すればはっきりしますので。
それでは、平成30年度末に1億4,700万円、約1億5,000万円、そして10年、最後のときには約2億5,000万円の持ち出しになるという、これは当初から、ある程度予測していたんですか。
提案者は、市へは3億8,250万円、報酬財源になりますよと言っているわけですよ。この根拠はどこから出てきたのか、これは分からないんですけれども、ただ、この数字は、今ここに座っていらっしゃる当時の課長さんが委員会で公開した数字ですので、これは3億8,250万円という、どこかで提案していたんだろうと。それを10年間の合計金額だろうと私は思ったもので、当然それは、1年目は幾ら、2年目は幾ら、それの合計金額で通常言ったと思うんですけれども、違うんでしょうか。もしお答えにならなくて、当時の方、答えていただけるのであれば、それでも結構なんですけれども、市の答弁として。
◆(広瀬明子君) どなたでも結構ですから、そこのところ、答えてください。3億8,250万円の根拠ですよ。
◎福祉部長(植草工君) 3月議会でお答えしました2億5,244万円につきましては、身体障がい者福祉センターの指定管理者が応募した際の提案に基づく事業収入総額の試算と、市がこれまで事業収入から導き出した事業収入総額の差額です。
また、このときの試算につきましても、提案には指定管理者からの具体的な額の提示等はないことから、あくまで3月議会でご質問いただいた際に市側で試算を行った数値ということになります。
◆(広瀬明子君) もう一度お伺いいたします。3億8,250万円はどうやって計算したんですか。平成24年度の委員会で、当時の課長さんが、私たち、教育民生常任委員会で説明を受けた数字なんですよ。これ、議事録(24年12月議会)に残っているんですよ。どう考えても、10年間でこれだけとぼんと出した数字だと思えない。もっと普通、提案というのは、年度ごとに指定管理料を幾らください、年度ごとに当然出しているわけですよ。それに見合う形で、年度ごとに、これだけ市にも入りますよという、そういう数字があったんではないかと、その数字の合計金額が3億8,250万円とはじき出したんではないかと思うんですけれども、そうではなかったんですか。確認です。
すぐお答えにならないなら、時計を止めてください。
○議長(宝新君) 質問、通告内容に沿っておりますか。
◆(広瀬明子君) 沿っていますよ。
○議長(宝新君) どの点になりますか。
◆(広瀬明子君) 不履行への対応で、2問目から一問一答になりますから、詳細までは通告できるわけがないですよ。
○議長(宝新君) いや、詳細通告されているじゃないですか、詳細内容を。
◆(広瀬明子君) していますよ。でも、今のような答弁が出てくると思わなかったから。ある程度答弁を想定して、次々変えていくわけですよ。
○議長(宝新君) ちょっと、時間を止めてください。
お考えになることは分かるんですけれども、あくまでも基本的に、今回はこういうコロナの事態ですから、詳細の内容を通告してくださいということで、私は皆さんにお伝えしております。その上で質問がなされるということを前提ですので、あくまでもそこに沿った形でないと、すぐに答弁が用意できない可能性もありますので、そこはご理解いただきたいと思います。
答弁が出るようであれば、出していただければと思いますけれども。
◆(広瀬明子君) 出ないようですから、次の質問にいきますよ。
※私見:私は詳細な質問内容を通告しました。が、それは、あくまでも最初の質問に対する答弁を私が想定して、それに対して二問目、三問目を通告したのです。最初の私の質問に対する市側の答弁を貰っていない以上、このようにして(市側の答弁を私が想定して。)二問目、三問目の質問を作る以外方法はないのです。ところが、私が想定していた市側の答弁内容は見事に外れたのです。そこで急遽議場で市側の答弁に対しての質問を作る以外方法はありません。当初通告した二問目、三問目を質問するなんて、そんな頓珍漢なこと出来るわけがありません。市側と詳細な擦り合わせをしない限り、スムーズなやり取りなど出来るわけがない!
詳細な擦り合わせをするということは、例えコロナ禍の議会であっても、議会人としてやってはいけないことだと私は考えています。
○議長(宝新君) 広瀬明子君。
◆(広瀬明子君) これぐらい、当然答えるべきだと思うんですけれども、それは残念ですけれども、それはそれとして、それではお伺いいたしますよ。これ、通告してありますよ。各年度に予算計上した数字は何を根拠にしているかと。市側のですよ。
今言いましたように、市側は、年度ごとにおいて予算現額というのが非常に幅があるんですよ。何でですか。平成25年度は約970万円、平成26年度は1,400万円、平成27年度はがくっと減って、半分に減って640万円。それで、平成28年度から平成30年度まではずっと同じ数字なんですよ。この計算、根拠を教えてください。
◎福祉部長(植草工君) 各年度に予算計上した数字は何を根拠に算出したのかというお尋ねですが、各年度における当初予算の積算方法につきましては、経年の実績や今後の推移予測、また、次年度以降に予定される事業展開や制度改正等を踏まえて算出しております。
以上です。
◆(広瀬明子君) 市側がいろんな理由で計算した数字というのは、どう考えても10年間で、この提案者が提案した--当時ですよ、提案した3億8,000万円にはならないですよね。少なくとも平成30年度までの数字は、市が幾ら予算現額をつくったかというのは手元にあるから分かるんですけれども、これからいったら、とても、最後の年まで足していっても3億8,000万円なんかいかない。それっておかしいと思わないんですか。提案した額にやっぱり見合うように、こちらも予算を組むのが当然だと思うんですけれども、そういう疑問は抱かなかったということですね。イエスかノーかだけでお答えください。時間があまりないので。
◎福祉部長(植草工君) 先ほど申しましたとおり、事業展開や制度改正等もありますので、そういったものを踏まえて算出しているということでございます。
◆(広瀬明子君) 分かりました。件名4の事案は、また次の議会でも、さらに深く追及させていただきます。
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※公募時に、市の財源軽減策を提案しなさいと言っておいて、この事業者は事業だけの提案をしていた訳です。その事業を実施することで、市に幾らの負担軽減になるかの数字は示していなかった、それでも事業者として選定されたのです。随分と、市は甘い選定をしたものですね。
浦安市の募集って、こんなに緩いんだ!
当時の募集要項 ↓