とても必要な施策だと思います。
2016年6月24日(金)
要介護度改善なら施設に奨励金/弘前市が県内初
弘前市は23日、介護施設入所者の要介護状態が改善した場合に、施設側へ奨励金を交付する事業の説明会を弘前市民会館で開いた。奨励金の創設は県内の自治体で初めて。入所者の自立した生活とそれを支える施設職員の資質向上を図り、同市の介護保険財政の健全運営につなげる。
現行の介護保険制度には、施設入所者の要介護度が改善すると施設の介護報酬減につながるという課題がある。このため市は2016、17年度、入所者の要介護状態が1段階改善すると、1人当たり月2万円を最大12カ月分交付する。請求・交付は年度単位。対象は市内の特養ホームや老健施設の計21施設。
説明会には施設職員36人が参加した。山本昇副市長は「奨励金で要介護度の改善だけでなく、職員のモチベーション向上や離職率低下につながるモデルをつくりたい」などとあいさつ。市介護福祉課の担当職員が、入所者が転居した場合や要介護度が途中で悪化した場合などさまざまなケースを挙げ、請求手続きなどを説明した。
本年度は1施設当たり入所者1人、6カ月分の交付を見込み、252万円の予算を計上した。17年度については、今年10月に実施する施設側へのアンケート結果を参考に予算要求し、市内の全入所者の1割に相当する180人の介護状態改善を目標としている。
説明会に参加した特養ホームの統括所長三浦真平さんは、現場には介護度改善につながらない苦労もあるとしつつ、奨励金について「職員の頑張りを評価しようという取り組みで、ありがたい」などと述べた。
奨励金の創設について、県立保健大社会福祉学科の工藤英明講師は「全国でも珍しい先駆的な取り組み。要介護状態の改善がどれだけ続くか、経過を見ないと何とも言えないが、入所者が元気になり、職員のやる気にもつながるのでは」と期待している。
市は説明会で、ゆっくり軽い負荷で全身の筋肉を再活性化し、介護状態の重症化を防ぐ効果があるとされる「パワーリハビリ」の専用マシン購入に対する助成制度も紹介。自立支援介護の推進を呼び掛けた