ひろせ明子の市議日記

無所属・無会派。
市議として日常で見たこと・感じたことを綴っています。

「重度訪問」単独で使用も 65歳以上の障害者サービス

2014年12月06日 | 福祉・情報公開

介護保険サービスか?障がい福祉サービスか?

介護保険優先の原則が柔軟に適用された事例です。

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中日新聞記事

「重度訪問」単独で使用も 65歳以上の障害者サービス

舟橋一男さん(右)と、妻の瑞枝さん=愛知県一宮市で

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 脳性まひで介護が必要な舟橋一男さん(66)=愛知県一宮市=は十月から、障害者向けの重度訪問介護のサービスを単独で受けられるようになった。 六十五歳以上の障害者へのサービスは、介護保険優先の原則がある。だが、「状況によっては、単独で障害者のサービスを受けられることを知ってほしい」と訴 える。

 印刷業を営む舟橋さんは手足が不自由で、入浴や食事、トイレ、着替えなどは介助が必要。妻の瑞枝さん(59)の介助を補う程度に、障害者総合支援法に基づく障害福祉の介護サービスを受けてきた。

 六十五歳になった昨年一月、障害福祉サービスが、介護保険のサービスに切り替わった。自身の経済力で負担が決まる仕組みから、費用の一割を自己負 担する仕組みになり、月七千円ほど支出が増えた。不服を訴えたが、介護保険優先を理由に一宮市は障害福祉サービスを認めなかった。

 その後、脚にさらに力が入らなくなり、障害者のサービスに比べ、訪問介護の時間が短い介護保険での対応は限界と感じた。そこで今年七月、舟橋さん は介護と見守りのため、ヘルパーなどが長時間寄り添う障害福祉サービス「重度訪問介護」の利用を申請した。すると市の対応は一転し、単独で一日九時間程度 の利用を認めた。

 舟橋さんは「前は時間が短く、着替えの時に私が腕を動かすとヘルパーさんの邪魔になるので、おとなしくしていた。今は時間に余裕があるので、上着の袖に自分で腕を通すことができるようになった」と喜ぶ。

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◆介護保険が原則、自治体で差

 六十五歳以上の障害者に対し、障害福祉と介護保険制度で重複するサービスがある場合は原則、介護保険を優先する。ただし、厚生労働省は二〇〇七 年、「障害者の状況は多様で、障害福祉サービスの支給が適当な場合は、障害のサービス給付を妨げない」という「障害配慮条項」と呼ばれる通知を出してい る。

 舟橋さんのケースについて、一宮市は短時間の介護は介護保険で対応可能としたが、障害が重くなり、長時間の介護が必要になった状況などを総合的に考慮して、「障害福祉サービスの給付が適当」と判断したという。

 ただ、舟橋さんが使っている「重度訪問介護」をどこまで自由に使わせるかは、自治体により差がある。舟橋さんを支援する団体によると、「介護保険 の訪問介護の枠を使ってもらった上で、重度訪問介護のサービスを使ってもらう」とする自治体が多いという。一宮市や、「重度訪問介護だけでの対応もあり得 る」とする横浜市のような自治体は少ないと指摘する。

 障害者が働く作業所でつくる団体「きょうされん」が今年五~七月、会員施設を通じ、六十五歳以上の障害者ら約千六百人にした調査でも、訪問系の サービスを障害福祉単独で受けている人は8・6%。介護保険と障害福祉サービスの併給が69・9%。21・5%が障害福祉を打ち切られ、その多くが介護保 険に移行していた。きょうされんによると「知的障害など生まれながらの障害は『障害配慮条項』の対象になるが、中途障害者には『介護保険優先原則』を徹底 する自治体もある」という。

 (佐橋大)


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