イギリスの生物学者ダーウィン(1809-1882)の進化論の神髄を示すものとして有名な言葉があります。「強いものが生き残るのではない。賢いものが生き延びるのでもない。生き残ることができるのは変化に対応できたものだけだ。」ご承知の通り、強い恐竜、賢い猿は、地球環境の激変で滅亡しました。人類の祖先はその環境の変化に適応して今日まで生き延びてきました。
現在、私達をとりまく地球・社会・経済環境は厳しく、日本もその脅威にさらされています。私達はどのように対処したらいいのでしょうか。その答の一つとして電気学会会長の野嶋孝氏(中部電力顧問)は次のように提言しています。「日本がまだ優位性を保っていると思われる技術力の更なるグレードアップに努め、世界の物づくりの頭脳としての役割、すなわち研究開発・エンジニアコンサルティング力などを担って行くような方向を目指すのが望ましい方法の一つではないかと思っている。」
ダーウィンは19世紀にガラパゴス島を訪れて生物の生態を観察し、進化論に想到しましたが、神が人間を作り賜うたというキリスト教の教議に反する考察を発表することには慎重でした。しかし、ダーウィンの叡智の中には、人類の将来に対する有用で奥深い洞察がありました。
一方、最近、イギリスの高名な宇宙物理学者ホーキング博士は、宇宙の創生、即ちビッグバンには神の手を必要としないと喝破しましたが、現代はガリレオの時代ではないので教会は冷静な対応をしているようです。
「電気学会誌 131号」 巻頭言
現在、私達をとりまく地球・社会・経済環境は厳しく、日本もその脅威にさらされています。私達はどのように対処したらいいのでしょうか。その答の一つとして電気学会会長の野嶋孝氏(中部電力顧問)は次のように提言しています。「日本がまだ優位性を保っていると思われる技術力の更なるグレードアップに努め、世界の物づくりの頭脳としての役割、すなわち研究開発・エンジニアコンサルティング力などを担って行くような方向を目指すのが望ましい方法の一つではないかと思っている。」
ダーウィンは19世紀にガラパゴス島を訪れて生物の生態を観察し、進化論に想到しましたが、神が人間を作り賜うたというキリスト教の教議に反する考察を発表することには慎重でした。しかし、ダーウィンの叡智の中には、人類の将来に対する有用で奥深い洞察がありました。
一方、最近、イギリスの高名な宇宙物理学者ホーキング博士は、宇宙の創生、即ちビッグバンには神の手を必要としないと喝破しましたが、現代はガリレオの時代ではないので教会は冷静な対応をしているようです。
「電気学会誌 131号」 巻頭言