近代史に詳しい作家の半藤一利氏が集団的自衛権について新聞に寄稿していました。
「日本が戦争に巻込まれる恐れは一層なくなっていく」。安倍晋三首相の言葉です。
集団的自衛権の行使を認めることは、敵国から日本を守る「抑止力」につながるという。だが、14歳の時に東京大空襲に遭った私には、政治家の甘言としか思えない。110年ほど前、日本はロシアを仮想敵国とし、抑止力を名目に英国と手を組んだが日露戦争が勃発。次に米国を敵国と見立ててドイツ、イタリアと三国同盟を結んだものの、太平洋戦争が起きた。いずれも抑止力とならず、相手に「敵視政策」をとらせた。いま、日本にとっての仮想敵国は中国とみられている。未来は見通せないが、中国の首脳と会談もできない状態で「国民の命と平和な暮らしを守る」と胸を張るのは、国民をだまそうとしているように見える。安倍政権の対応に賛同する人が唱える「愛国心」からは、自国が最高と考えて他国を見下す偏狭なナショナリズムを感じる。来年で戦後70年。悲惨な戦争を体験した人たちが次々と亡くなっていることも、この流れを後押ししている。戦争をせず、信頼感を得る。そのために外交で頑張り、民間交流を進める。海岸線が長くて守りづらい日本にとって、これが最大の国益につながるはずだ。再び戦争への道を歩まないためにどうするか。政治家の言葉を真に受けず、自ら考える。来春には統一地方選もある。引き返す意思を示せる機会は、まだ残っている。
賢者は歴史から学ぶと言います。識者の意見に同感です。
「日本が戦争に巻込まれる恐れは一層なくなっていく」。安倍晋三首相の言葉です。
集団的自衛権の行使を認めることは、敵国から日本を守る「抑止力」につながるという。だが、14歳の時に東京大空襲に遭った私には、政治家の甘言としか思えない。110年ほど前、日本はロシアを仮想敵国とし、抑止力を名目に英国と手を組んだが日露戦争が勃発。次に米国を敵国と見立ててドイツ、イタリアと三国同盟を結んだものの、太平洋戦争が起きた。いずれも抑止力とならず、相手に「敵視政策」をとらせた。いま、日本にとっての仮想敵国は中国とみられている。未来は見通せないが、中国の首脳と会談もできない状態で「国民の命と平和な暮らしを守る」と胸を張るのは、国民をだまそうとしているように見える。安倍政権の対応に賛同する人が唱える「愛国心」からは、自国が最高と考えて他国を見下す偏狭なナショナリズムを感じる。来年で戦後70年。悲惨な戦争を体験した人たちが次々と亡くなっていることも、この流れを後押ししている。戦争をせず、信頼感を得る。そのために外交で頑張り、民間交流を進める。海岸線が長くて守りづらい日本にとって、これが最大の国益につながるはずだ。再び戦争への道を歩まないためにどうするか。政治家の言葉を真に受けず、自ら考える。来春には統一地方選もある。引き返す意思を示せる機会は、まだ残っている。
賢者は歴史から学ぶと言います。識者の意見に同感です。