yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

いぶし銀の味

2012-10-13 05:27:25 | 文化
渋い味があることを「いぶし銀」のような味があるとよく言います。華やかさに欠けますが実力が抜群で、枯れた渋い味わいのあるベテランや、その作品、芸を賞賛する言葉が「いぶし銀」でしょう。銀をいぶすと艶が失われ味わいのある灰色になることから「いぶし銀」の味といわれます。私が愛読する藤沢周平の作品には「いぶし銀」がぴったりの味わいがあります。
去る10月2日に逝去した俳優の大滝秀治さん、あらゆる役を演じた名脇役でした。本人によれば、「いぶし銀」のような演技をすると言われるのはお好きでなかったようです。生涯、現役として元気一杯に活躍されたかったのだと思います。将棋の桐山清澄九段(64歳)もよく「いぶし銀」のような棋風をもつといわれますが、桐山九段も「いぶし銀」と評されるのをお好みでないかも知れません。今も現役で活躍されています。
落語界のいぶし銀は、例えば桂歌丸師匠(76歳)。
歌舞伎界のいぶし銀は、例えば、故・五代目中村富十郎といわれます。

さて話は代わって、従来の我が家のいぶしの和瓦は大変重く、震度7の地震が来ると屋根の重みで家屋が倒壊する危険があるというので、この夏、撤去の運びとなり、我々住人は「熱いトタン屋根の猫」になりました。いぶしの和瓦の重厚な風格と快適な居住性は失われ、替わった鋼板の屋根は、夏は暑く、冬は寒く、反、省エネ住宅に変わってしまいました。嗚呼、地震大国は住みにくい。
コメント
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