yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

山中伸弥教授

2012-10-22 06:47:28 | 文化
今年のノーベル医学・生理学賞は山中伸弥教授とイギリスのジョン・ゴードン博士が受賞しました。 受賞理由はiPS細胞の研究でした。受賞の連絡は自宅で洗濯機の修理をしている時に国際電話があり、「サンキュー」と答えているのを隣室の家族がもれ聞いて、ノーベル賞の受賞を察したということです。
その山中教授が直後に語ったのは、「感謝と責任です。速く研究現場に戻って研究を進めたい」という謙虚な研究者の言葉でした。感謝は、家族と研究の同僚達とiPS細胞研究所を支援してくれた国家に向けられたものでした。責任とは、一刻も速く研究生活に戻り、病人を救いたいという意味でした。iPS細胞研究所は政府の特段の支援により設立され、iPS細胞に関わるすべての活動を効率的・効果的に実施できるように配慮されているそうです。そこでは、逸早く世界中に特許出願を行いましたが、それは山中教授によれば、特定の国や団体のみが、人類共通の宝を独占することから防衛することにあり、日本や山中教授の研究所がiPS細胞を独占するというような意図は全くないとのことです。iPC細胞の利用は無限の可能性があり、病気(特に難病)の治療、新薬の製造、病気のしくみの解明につながるなど、医学・生理学の発展のための画期的な人類の成果と言われます。一方、iPS細胞の応用を実現するには、臨床研究、医学倫理、法規制の整備、国民のコンセンサスの形成など、多方面に亘る課題が山積しているそうです。
受賞後のNHKのインタビューで山中教授はこんなことを言いました。「自分は外科手術が下手で、同僚や教官に山中ではなく、「じゃま中」と言われたこともある。一つの成功の蔭に無数の失敗がある。研究者は失敗を恐れてはならない。」また、「プレッシャーを受けてお疲れになることが多いでしょう。そんな時にどうやって気分転換をしますか」というキャスターの問いに「音楽を聴きながらジョギングをします。」「その曲名は?」と重ねて聞かれ「プレッシャーです。」インタビューをしたNHKのキャスターも、思わず吹き出していました。山中教授はご自分を「東大阪のおっさん」と言っていました。その通りで、大阪のおっさんは笑いを取るのがうまい!と思いました。
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