yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

春秋の筆法

2010-01-29 06:45:42 | 文学
「春秋」は中国春秋時代に関する編年体の歴史書で儒教の聖典、「四書五経」の一つです。孔子等により紀元前450年頃に書となったとされています。孔子の厳しい批判の態度が随所に表現されていると言われています。
「春秋の筆法」という言葉があり、批判精神に富むという意味もありますが、些事をとりあげて、大局との関係を説く論法であることから、間接的な原因を直接的な原因として表現する論法を指すことが多いようです。また一見、論理に飛躍があるように見えるが、一面の真理をついているような論法のことを言います。例えば、「日本軍の南方進出により、アジア諸国の独立が実現した」というのは一面の真理でもあり、「春秋の筆法」の一つではないかと思われます。 
さて春秋の筆法とは異なりますが、似たものとして、日本のことわざに「風が吹けば桶屋が儲かる」というのがありますが、これは江戸時代一流の洒落で、大いに論理の飛躍があるので、なぜだろうと思う人もいるのではないでしょうか。これには、大胆なこじつけを含む因果関係があります。風が吹くと土埃が舞い、目に入ります。すると目を患う人が増え、盲人は門付けなどをして糊口をしのぎます。門付けの盲人は三味線を弾きますので、三味線がよく売れます。三味線の胴は猫の皮で張ります。すると猫が減って鼠が繁殖します。鼠が増えると桶がかじられます。従って桶屋が繁盛して儲かるというのです。江戸っ子は、このような無理なこじつけをシャーシャと楽しんで笑い飛ばしていました。
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