yoshのブログ

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レイティング

2010-01-21 12:30:12 | 将棋
レイティングは二者で競う競技やゲームにおいて、競技者の強さを数値で表現する指標で、チェスや将棋には広く用いられています。将棋の場合、レイティングの持ち点と段位を関係付けて利用されています。アマチュアの将棋界、例えば「インターネット将棋道場」ではレイティングが常用されており、1000点で6級、1500点で1級、2000点で参段、2500点以上は六段などとなっています。プロの棋界ではレイティングを使っていませんが、例えば、最近の棋戦の結果から、羽生善治名人が2930点、渡辺明竜王は2733点、鈴木大介八段は2796点という計算をしている人がいます。ちなみにチェス界における世界チャンピオン、グランドマスターであったギャリー・カスパロフ氏は2800点、日本人のチェスの最強者、羽生善治氏は2382点と言われています。
チェスの世界でよく使われている「レイティング」の計算で、国際公式競技組織 DCI (Duelist Combocation International)で世界的に公認されているレイティング計算法があります。彼我のレイティングの持ち点差(DR)と期待勝率(ES)の関係、つまりロジスティック関数を利用しています。
ロジスティック関数とは、下記の式で表されます。

ES=1/(10^(DR/400)+1)
  ^は冪乗を示す記号です。
ES: 自分の期待勝率
  DR: 相手のレイティング-自分のレイティング
 
 DR=0 の時  (自分と相手の棋力が同等の時)     ES=0.5
 DR>>1の時  (相手が自分より大いに強い時)    ES=0 に漸近
 DR<<-1の時 (自分が相手よりが大いに強い時)  ES=1 に漸近
であり、合理的な関数式に思えます。

上記のロジスティック関数を使って、一連の競技が終わった後に新しいレイティングが計算されます。

「新しいレイティング」=「古いレイティング」+K(獲得ポイントーES)

   獲得ポイント  勝利の場合 : 1
           引分けの場合: 0.5
           敗北の場合 : 0
レ-ティングが自分より100だけ少ない相手(DR=-100, ES=00.6401)と4回試合をして2勝1敗1引分けの時、獲得ポイントは、2+0.5+0=2.5となります。

   K値      対戦マッチ毎に(試合の種類やレベル)毎に、レイティングの増減
           幅を定める係数で、32とか24とか16が選ばれます。
           アマチュアの大会では16が使われることが多いようです。
   この例の場合、自分のレーティングの増加分は式から29.76と計算されます。
   自分が新たに得たレイティングの増加分と相手が失ったレイティングの減少分は等しく
   なっています。
   新しいレイティングを使って、絶えずレイティングを更新し、レイティングの値と
   実際の勝率の関係が妥当な所に収斂することが期待されています。
    ロジスティック関数を使った上記のレイティング計算法は代表的なものですが、
    これ以外の計算法もあります。
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