山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

‘12年 北海道くるま旅くらしレポート <第11回>

2012-07-12 07:31:04 | その他

 

 【昨日(7月11日)のレポート】    

≪行程≫

里見が丘公園キャンプ場 →(R241)→ 道の駅:あしょろ銀河ホール21 →(R241他)→ 西美里別Aさん宅 →(道道・R274・R38)→ 道の駅:しらぬか恋問 →(R38・道道53)→ グリーンパークつるい →(道道53他)→ 鶴居キャンプ場(泊)  <148km>

≪レポート≫

 里見が丘キャンプ場の朝は、白樺やカラマツなどの大樹の緑に囲まれて、青空も覗く真に清々しい気分の空気に満たされたものだった。森林公園の中にあり、近くに野外施設の様なものもあるようだったが、樹木の中に作られているので、歩かないとみることはできない。ブログを書いていると散歩する余裕がなくなってしまい、外に出て空気を深呼吸するだけだった。昨夜の大歓談会の余波も薄まって、今朝は各家族がそれぞれに朝食をとり、その後は暫くの歓談が続き、9時には皆で揃って、足寄町のもう一つの道の駅:あしょろ銀河ホール21の近くにあるパンやさんに行き、美味しいと評判のパンを買うこととなっての出発となった。

 足寄のその道の駅には数年ぶりの立ち寄りとなったが、駐車場などは以前よりもきれいになっており、ちゃんと「キャンピングカー用」と利用エリアの案内板が建っていたのを見て嬉しくなった。多くの場合は無表示か函館などではキャンピングカー禁止などというネガティブな駐車場もある中で、足寄は素晴らしいなと思った。単に土地に余裕があるという条件の良さだけではなく、そこには外部から来るさまざまな人たちへの心づかいが現れているのだと思った。皆このような気持ちでの行政や管理を行ってくれたらこの世の中はもっと暮らしやすいものとなるに違いない。同じ北海道でも売ることばかりには偽の笑顔風を振り回し、自動販売機にさえも回収の箱を置かずに持って帰れなどとエゴ丸出しの商売を平気で行っている所もある。世の中さまざまといえども非常時の絆だけでは本当の信頼関係など維持できるはずがない。足寄は旅の者には優しい町なのだなと思った。

 さて、そのパン屋さんは来てみると開店が10時半だという。暫く待っていたが、皆さんパンへの執着が次第に薄まったようで、そんなに長時間待つのは止めにしようということになった。陸別の方に向かうTさんを残して、我々とAさんご夫妻はこの近く(といっても10km以上は離れているけど)に家を借りて滞在されているMさんのお宅をお邪魔することになった。西美里別のそのお宅にはMさんの先導に従って20分ほどで到着した。それほど高くない丘というべき山裾に広がる広大な畑の中を走る道の脇に、そのお住まいは在った。北海道の今頃の畑の景観といえば、白や紫色のジャガイモの花が咲く畑と間もなく麦秋を迎える麦畑、そして濃い緑の葉のビート畑と柔らかな緑の大豆や小豆の畑、牧場近くには飼料用のデントコーン(トウモロコシ)の長い列という、広大な在り様を思い浮かべるけど、それらの風景が現前に広がっていた。

 Mさんの家は、確かにご自分がおっしゃるようにボロ屋だった。でも内部はきれいに修復されており、ひと夏を過ごすのには何の支障もないように見受けられた。村人の方たちが今年も来訪するというMさんのために、わざわざ力を合わせて補修を行ってくれたとのお話だった。家の周りには花畑が、そして少し離れた場所にはM観光農園という看板の添えられた20坪ほどの畑がつくられており、そこにはジャガイモやトウモロコシ、ナスやキュウリ、それに枝豆など多彩な野菜類が育っていた。すべてMさんのために村の方々が予め作っておいてくれたのだという。本当はもっと広く作るという話をあとの手入れが大変なので小さくして頂いたとのこと。Mさんご夫妻と村の方々の交流の素晴らしさを改めて実感したのだった。新聞に載るのも当然だなと思った。畑の脇には、Aさんの知人が寄られた時のための駐車場も作られ、更には簡易トイレまでもが用意されていたのには、驚くばかりである。

 家の中で暫く歓談する。村(=集落)の話や暮らしぶりなど大変面白いものだった。すぐお隣といっても50mほどあるけど、そこが郵便局なのだが、それを利用する人を見るのは滅多にないとのこと。又その先の隣といえば、2kmほど先になり、反対側のお隣は100m以上離れた農家とのこと。その他にも家が点在しているように見えるのだが、お聞きすると皆空家となっているのだとのこと。機械力なしでは成り立たない農業の後継者がない家は、高齢化の暁にはもはや止めるしかないという厳しい現実を垣間見る気がした。ふと座っている脇を見ると大型のストーブが置かれ、その脇には扇風機が涼しげに置かれていた。今の季節でも時にはストーブが必要なのだとか。それだけ厳しい自然環境の中にあるのだというのも実感できたのだった。昨年に引き続いての家を借りての滞在というので、今回も集落をあげてのウエルカムパーティが開かれたとのことで、集落の人たちに対する参加案内の回状がMさんの机の上にあるのを見せて頂いたけど、そこには村の人たちのMさんに対する敬愛の思いが溢れているのを感じたのだった。齢(よわい)80にしてこのような人間交流をくるま旅の旅路の先でつくられる人をまだ見たことが無い。とても自分たちにはAさんご夫妻と同じようなことはできないけど、真に心強い生き方の目標を示して頂いていると思った。

 お昼にはホテルのバイキングの会食へのご招待をいただき、家を出て近くの本別グランドホテルというのへご案内頂いた。至れり尽くせりのご歓待を受けて恐縮の連続である。森の中の2階建てのホテルのたたずまいはそれなりの落ち着きがあって、いい雰囲気だった。そのような中で頂く昼食は美味しいに決まっているのだが、このところ過食過飲の連続で来ている糖尿君共存の身では、好きなものを思いっきり頂くというわけにはゆかず、誠に残念で申しわけない小食のレベルにとどまった。その分相棒は蕎麦が美味しいと頑張ってくれていたようである。ご一緒のAさんご夫妻の健啖ンぶりには頭が下がるばかりだった。

 昼食を終えて、お別れの時刻が到来した。これから札幌に戻られるというAさんご夫妻を見送った後、我々もMさんご夫妻に名残を惜しみながら別れての出発となる。本当にありがとうございました。「少年のように」を地で行かれているそのお姿をしっかりと胸に刻み、自分もそれに近づけるように努めてゆきたいと思います。Aさんご夫妻に深謝。多謝。

 今日の予定は釧路湿原の傍にある鶴居村のキャンプ場に行って泊まるだけである。本別の中心街から白糠町に向かうR274に入って山の中を進行する。この道は登りが少なくてその分下りが多いので、楽である。通る車もほとんどなく、間もなく白糠の市街地が近づいた。この辺りから気象の様相が一変し、海の方から邪悪な色をした霧が押し寄せてくるのが見えた。海霧である。海岸沿いに走るR38に入った時には完全に霧の中で、道の駅:しらぬか恋問に着いた時は濃霧の中で、気温は一気に下がって寒いというしかないほどだった。先ほどから眠気を催していたので、30分ほど仮眠をとる。眠くなったら眠るというのがくるま旅の運転の鉄則である。30分の仮眠は活力を回復させてくれて、ゴールの鶴居村に向かって出発。

 鶴居村のキャンプ場に入る前に、近くにあるつるいグリーンパークという宿泊施設の温泉に入ることにして立ち寄る。ここもモール系の温泉で源泉100%のいい湯なのである。1時間ほど温泉を楽しんだ後、すぐそばにある茂雪裡川沿いのキャンプ場へ。ここはキャンパーには人気の場所で、大勢の人たちがテントを張っていた。キャンピングカーも数台混じっていたけど、テントを張っているのは普通の車や軽自動車で来られた方たちである。長期滞在の方も多いようだ。それぞれの楽しみ方があるのだから、それでいいと思うけど他人に迷惑をかけない、特に地元の人たちが顔をそむけるようなことは決して行ってはならないと思う。自分自身を戒めつつそのようなことを思った。このところずっと知人を訪ねることばかりが続いていたので、何だか旅の終わりの様な感覚になっているけど、明日からが旅の本番である。しっかりと疲れを取り除くべく、早めの就寝となった。

 【今日(7/12の予定】 

鶴居キャンプ場 →(釧路市街経由)→ 浜中町・霧多布湿原の原生花園 → 別海町ふれあいキャンプ場 (泊)

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