山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

キャンピングカーのタイヤバースト事故に思う(2)

2015-07-17 05:11:52 | くるま旅くらしの話

さて、心得の次は、問題のタイヤについて考えてみます。今回の磐越道での事故は、走行中にタイヤがバーストして、ハンドルをとられて中央分離帯に激突し、反対車線に飛び出して対向車と衝突するという大事故だったとのことですが、何故突然タイヤがバーストしたのか、それに係る原因を考え、予め普段からしっかりしたメンテナンスをしておくことが重要だと思います。

 では普段からどのようなことに気をつけ、取り組む必要があるかを考えてみます。先ずタイヤとはどんなものなのかといえば、これはもう誰でも知っていることで、ゴムを主体とした製品です。この製品を考える場合にユーザーとしては、安全運転のために考えておかなければならないこととして次の三つの事項があると思います。

① 「摩耗

② 「経年劣化

③ 「損傷

この中で日常のチエックで最も基本となるのは③の損傷のチエックでしょう。新品レベルのタイヤでも、何かが原因で傷がついていたり、エアが抜けていたりしている場合があります。車を動かす前の目視点検等は不可欠です。

① の摩耗は、走行距離との関係で見てゆくものだと思いますが、摩耗のレベルはタイヤにある目印でおよその見当をつけることができます。しかし、そんなことよりも旅車の場合は、より早めに交換することが大事だと思います。私の場合は走行3万キロ程度を目安にしています。

② の経年劣化ですが、これは特に旅車を普段滅多に使っていない場合に要注意です。例えば年間5千キロくらいしか走っていない場合、5年間で2万5千キロという走行距離となりますが、一般的にはタイヤの交換は4~5万キロくらいと考えられていますので、まだまだ大丈夫と考えがちです。本当に大丈夫なのかの判断は、難しいと思いますが、私の考えでは、4年以上経ったら無理しても交換するのが肝要と決断します。

 旅車のタイヤ管理の実際では、これら三つの項目をトータルして日常の管理を行っているわけです。私の場合について紹介しますと、損傷のチエックは車を動かす前に毎回必ず行い、タイヤの空気圧も足で押してみて確認するようにしています。又摩耗については、年間の走行距離が1.5~2万キロくらいですので、最長でも3年経過すれば新品へ交換するようにしています。私の車は3トン以上あって重い方ですので、タイヤだけは決してケチったりしないことにしています。経年劣化というケースは、私の場合はあり得ません。

 このように書くと真に当たり前のことと思われるかもしれません。そうなのです、当たり前のことを当たり前のようにきちんとこなすことが大切なのです。それは、いわゆる始業点検ということになりますが、ま、エンジンルームを覗いての点検が毎回必要かどうかは別として、安全走行という観点では、タイヤの入念な点検は不可欠だと思います。頭の中だけで考えて大丈夫だと思いこんでいるケースが、意外と多いような気がします。ご留意ください。

 ところで、毎回きちんとタイヤの始業点検を行っていれば安全かといえば、必ずしもそれだけで絶対安全とはいえません。私の場合は、もう一つ心がけていることですが、「可能な限り高速道は利用しない」という発想です。逆にいえば、できる限り一般道を走って目的地に着く、ということです。何故かといえば、当然のことながら、高速道はスピードを出して走るために、まさかの時には一瞬にして事故に巻き込まれる危険性が高いからです。高速走行は目的地に着くのに時間が少なくて済みますから、短期間で距離のある場所でも多少無理しても到着が可能です。今回の磐越道の事故も、恐らく可愛いお孫さんと一緒の、大阪から福島県方面へ短期間の旅だったのではないかと思いました。500kmを超えるような連続走行の場合は、タイヤにかかる負担は、一般道を走る場合とは大きく違ってきます。摩耗も大きく、熱を持ってきますので、途中の休憩もたっぷり取る必要があります。このような時に、タイヤが劣化していたり、或いは見かけ以上に摩耗していた場合は、突然のバーストに結びつくことになり、高速走行でのバーストが多い原因の一つになっているように思います。これを防ぐには、基本的に高速道は走らないことが第一です。一般道なら仮にバーストしても高速道よりは事故の規模は小さくて済むはずです。

 しかし、決められた期間の中で目的を果たすためには、どうしても高速道の利用が必要な時があると思います。そのような場合は、事前にタイヤの摩耗や空気圧等について専門業者の点検を受け、念には念を入れることが大切ではないでしょうか。私の場合は、毎年夏は北海道の旅を楽しんでいますが、出発前に必ず業者による点検(オイル・空気圧・摩耗度等)を受け、アドバイスを求めることにしています。多少知識があると、安易に大丈夫となりがちですが、遠出の場合は、くれぐれもしっかり事前の点検を行うよう心掛けたいものです。

 昨年だったか、東北道でキャンピングカーが炎上して、これも子供さんが亡くなられるという痛ましい事故がありました。新車だったと聞きましたが、どうして炎上するなどというとんでもない事故になったのか、大いなる疑問でした。後の調査では路上に落下していた金属片が燃料タンクに突き刺さり、そこから漏れた燃料にスパークした火花が引火して燃料タンクが爆発したというような報道を耳にしました。通常では全くあり得ない、信じられない出来事だと思います。これはタイヤなどではなく、悪しき偶然が重なっての事故だったと思いますが、こんなこともあるのか!と驚いたのを記憶しています。同時に、このような事態をどうしたら防げるのだろうかと思いました。夜間の走行でしたから、落下物の発見は困難なことだったのだと思います。しかし、思ったのは、どんな時でも落下物から目を外すような油断は禁物だということ。そして、できるならば夜間の走行は避けて、安全が確認できる時間帯で運転するような計画を立てることだなということです。走行中というのは、ある意味で普通ではない動きの中にあるわけですから、事故の未然防止のためには、旅のプラン、道路(=コース)の選択、時間帯、等など、慎重に決める必要があると思います。

 ま、しかしそうとは言うものの、現実にはどうしても安易になってしまうのが人間としての哀しい性なのかもしれません。「解っていてもそうしない」というのが、多くの事故の真因であることが多いように思えてなりません。「解ったら必ずそうする」という行動のケジメもつことが悲惨な事故を防ぐためにも大切なことではないかと、改めて思いました。

そうそう、タイヤ「冬タイヤを夏は使用しない」ということも、念のため申し上げておきましょう。タイヤのこのような使い方をしている人はあまりいないとは思いますが、中には冬タイヤの方が夏も制動能力が大きいと勘違いされて、敢えて使用している方がおられるかもしれません。これは間違いで、逆効果となります。冬タイヤは、凍結路や氷上などでの制動を良くするために普通タイヤよりはソフトな材質で作られています。これを夏の一般道や高速道で使用すると、逆に制動能力は下がり、摩耗も大きくなってしまいます。年間を通して冬タイヤを使用するようなことは、安全上も絶対に避けるべきです。

以上、自分の経験を通して思いつくことを述べさせて頂きました。くるま旅を楽しもうとする仲間の中から悲惨な事故に巻き込まれる人が絶無となることを心から願っています。また、不幸にして事故に遭遇された皆さまには、お見舞い申し上げますとともに、お亡くなりになられた方々に対して心からご冥福お祈りいたします。

 

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