四月二日
春らしい穏やかで あたたかい日だ
ピンポンとベルが鳴った
今日は袋物の宿題などを何人かでするので
そろそろサカチカさんが来るころだとドアを開けると
木戸に温厚そうな年配の男性が居た
出てみると
昔にこの近くに住んでいて、
懐かしいので来てみた
同じ場所に
聞き覚えの苗字があったので、
話しを聞きたくベルを鳴らしたという
昔とは
今から65年以上も前の戦前のこと
まだ私は生まれていない
祖父と祖母の四人の子供
父と姉と妹と弟
その記憶があり、懐かしい
と 嬉しそうにしている
今はガゼータの母上、わが伯母がただひとり生存しているが
他は皆すでに彼岸へと行っている
「男の子がいたでしょう」と 一足前に出て訊ねてくる
自分より二、三歳上の男の子とよく遊んだのだ、と
その人は今、八十一歳と言うから、父ではなく叔父の次雄叔父さんらしい
叔父は昭和18年15才の時コレラで亡くなったと昔に祖母から聞いた
話しの上手な祖母の、その叔父の悲しい話を聞くと、そのたびに私も泣いていた
亡くなったというと
そうですかと寂しそうにしていた
遠い昔に亡くなり、会った事も無い叔父だが
確かに生きていたのだ
そして たとえ体が無くなってしまっても、
今も生きている
心の中には生きているのだ
子供の時あの辺で遊んだとか、釣りをしていたとか
楽しそうにひとしきり話し、
互いに礼をして見送った
もっと叔父の話を聞いておけばよかったと
あとでそう思ったが・・・
すれ違いにサカチカさんが来て、
家に入ると一瞬で日常に戻った
いずれ
私も、彼岸へ行くのだ
そこで
ツギオ叔父さんに会ったら、
昔の友達が来たよと
この話しをしよう
苗字はヨシダさんと言ったが
さて 名前は知らない
ちゃんと聞いておけば良かったのに
またも
あとでそう思った・・・
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春らしい穏やかで あたたかい日だ
ピンポンとベルが鳴った
今日は袋物の宿題などを何人かでするので
そろそろサカチカさんが来るころだとドアを開けると
木戸に温厚そうな年配の男性が居た
出てみると
昔にこの近くに住んでいて、
懐かしいので来てみた
同じ場所に
聞き覚えの苗字があったので、
話しを聞きたくベルを鳴らしたという
昔とは
今から65年以上も前の戦前のこと
まだ私は生まれていない
祖父と祖母の四人の子供
父と姉と妹と弟
その記憶があり、懐かしい
と 嬉しそうにしている
今はガゼータの母上、わが伯母がただひとり生存しているが
他は皆すでに彼岸へと行っている
「男の子がいたでしょう」と 一足前に出て訊ねてくる
自分より二、三歳上の男の子とよく遊んだのだ、と
その人は今、八十一歳と言うから、父ではなく叔父の次雄叔父さんらしい
叔父は昭和18年15才の時コレラで亡くなったと昔に祖母から聞いた
話しの上手な祖母の、その叔父の悲しい話を聞くと、そのたびに私も泣いていた
亡くなったというと
そうですかと寂しそうにしていた
遠い昔に亡くなり、会った事も無い叔父だが
確かに生きていたのだ
そして たとえ体が無くなってしまっても、
今も生きている
心の中には生きているのだ
子供の時あの辺で遊んだとか、釣りをしていたとか
楽しそうにひとしきり話し、
互いに礼をして見送った
もっと叔父の話を聞いておけばよかったと
あとでそう思ったが・・・
すれ違いにサカチカさんが来て、
家に入ると一瞬で日常に戻った
いずれ
私も、彼岸へ行くのだ
そこで
ツギオ叔父さんに会ったら、
昔の友達が来たよと
この話しをしよう
苗字はヨシダさんと言ったが
さて 名前は知らない
ちゃんと聞いておけば良かったのに
またも
あとでそう思った・・・
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