新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

アンコールは、上皇后さま作詞『ねむの木の子守唄』

2019年05月02日 | 音楽
10連休の中日はヴォラとメゾ・ソプラノとピアノのなかなかみられない組み合わせのコンサートです。
メゾソプラノの透明感のある素晴らしい歌声はピアノ伴奏、ヴィオラ伴奏でさらにスケールが大きくなりました。歌曲は馴染みが薄いのですが、イタリア語はわからなくても心に深く触れるところが音楽の妙です。
ピアノ演奏はマッシミリアーノ・ムッラーリ。ヴィオラは植村理一。メゾ・ソプラノは藤田彩歌。


オペラ《サムソンとデリラ》の「あなたの声に私の心は花開く」はメロディーが好きでよく耳にしていました。知っている曲が出てくると嬉しいものです。

ブラームス《アルトとヴィオラ、ピアノのための二つの歌》は三人での演奏で、舞台いっぱいに広がるスケールの大きさ。ヴィオラは人間の声に一番近いと言われているだけに歌声にもピッタリ合っていました。

ブラームスの《ヴィオラ・ソナタ第2番》。ヴィオラとピアノの25分の演奏は圧巻。ブラームスはやっぱりいいです。

リヒャルト・シュトラウスの歌曲3曲はこれも三人での演奏です。ちなみにウィーンのシュトラウスとは血縁関係はありません。二時間、十分に楽しめました。

このコンサートの主催者は萬年順子さん。主婦です。43歳のとき、夏休み中の娘さんと一緒にフィレンツェに語学留学をした事が、コンサート主催の始まりということです。 
その時フィレンツェ歌劇場のヴィオラ奏者柳川直美さんと出会い、更にマッシミリアーノさんとの出会いがあり、どんどん輪が拡がって演奏者のアンサンブルが結成され、日本公演となり、NHK芸術劇場での放映にまで及びました。
多くの人にクラシック音楽の素晴らしさを伝えたいとの思いから企画し始めてから、もう35年間も続いているそうです。一人の主婦の力量を遥かに越している、といつも驚きと感動です。
今回は国際NGO『SOS子どもの村』支援のためにコンサートが企画されました。フィレンツェを核にして繋がった演奏者と企画者。その思いも音楽も美しく力強いものです。

イタリア人のマッシミリアーノさんが、ちょうど「平成」から「令和」に変わる劇的瞬間に立ち会えてとても感激されたそうで、そこから上皇后さま作詞の美しい子守唄を選曲されたそうです。美智子さまの功績を忍び、令和をことほぐのにこれほどピッタリの歌曲はありません。皆さん大喜びで大拍手でした。

藤田彩歌さんのOfficialBlogに、コンサートの前に主催者萬年さんの家にステイされたことが書かれています。
心のこもったおもてなしを受けたこと、異文化交流のこと、リハーサルのことが書かれていて、温かい草の根外交が素晴らしいです。
起承転結全てよし!ブログを見て更に今日のコンサートが温かみを増し、10連休に、令和のスタートに、とてもいい印象を残しました。
    

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