ボストン美術館に5万点も収蔵されているという浮世絵。その中から、ほとんどが日本初公開というものが、136点も福岡市立美術館にやってきました。
『浮世絵史の教科書ともいえる充実した構成!』と歌っているように、その流れがよくわかる構成になっていました。
第1章は「浮世絵初期の大家たち」。17世紀後半、草創期の菱川師宣たちの墨一色の肉太の絵から、紅摺絵へと発展していく流れが、はっきりとわかるように陳列されていました。
第2章は「晴信様式の時代」。画期的だったのは、18世紀後半、絵暦の流行で、色数の多い錦絵が開発されたこと。晴信が活躍します。重ね摺、空摺りなど工夫を凝らした技法には、彫師、摺師の存在も忘れてはいけません。名前が出るのは、いつも絵師だけ。彫師、摺師がいなかったら、単に肉筆画だけになっていたと思います。
第3章は「錦絵の黄金時代」。18世紀末には、豪華な多色刷りの錦絵がさかんになって、大首絵の歌麿、個性的な役者絵を描いた写楽、八頭身美人画の鳥居清長などが、江戸の繁栄の中で活躍します。
第4章は「幕末のビッグネームたち」。江戸後期には、風景画や花鳥画などの新しいジャンルが生まれ、北斎、広重、国政、国芳などが活躍し、海外にも大きな影響を与えるようになりました。
多色刷りの仕組みは、口頭の説明だけではなかなか理解できません。そんな疑問を解決するかのように、色の数の版木と、摺り重ねていくたびに多色摺りの絵のになっていく過程が、わかりやすく陳列されていました。でも、透かしの部分や、蚊帳の細かい網目なんかは、どんなふうにして彫るのでしょうか・・・。
明治の時代に、これだけの作品がはるばる海を越えてアメリカに渡り、良好な保存状態で秘蔵されていたことは、ある意味ではラッキーだったのかもしれません。
上のパンフレットの写楽の≪金貸し石部金吉≫は、昨年の「ギメ東洋美術館所蔵浮世絵名品展」の時も展示されました。浮世絵だから、同じものが何枚もあることはわかってはいますが、こんな風に数を揃えた名品展になると、やはり外国からの里帰り展になるのが、ちょっと悲しい気もします。
着物の絵柄を見るだけでも、その図案化のすばらしさに心を打たれます。時代を越えた斬新な感覚は、今でも新鮮に心に響きます。日本美術を生み出した精神構造は、ゴッホやモネが浮世絵のとりこになったことでもわかるように、日本人として誇るべきことだと思いました。
この展覧会は、今年に入って名古屋から新潟へ、そして福岡にやってきたものです。期間は8月31日まで。10,11月は江戸東京博物館に巡回の予定。1年かけて日本を縦断します。
慶喜さん、英明なのか、愚鈍なのか・・・。
教科書の評価と違って、本で読んだ時に
大阪から江戸に逃げてしまうくだりで失望しました。
評価はいろいろあるようですね。
ぼちぼちブログを再開します。よろしく!
篤姫の着物、上質の絹の感触が伝わってきます。着物はやはり美しいですね。
以前「和宮様御留」を読みましたが、NHKの和宮とはずいぶんイメージが違って
いました。
>ゆうさん
おめでとうございます!
出版の声がかかり、自分の本が店頭に並ぶなんて、なんと素晴らしいことでしょう!
さっそくアマゾンで注文しました(*^-^*) ニッコリ☆
>kjuさん
なるほど誇り高き「ボストニアン」の功績で、日本の美術が生き残ったのですね。
ビゲローは、コレクションの浮世絵を公開しないようにとの遺言を残したようですが、
今回は、出版物ということで、「本」が展示されていました。
今回のコレクションは色も退色していなくて、ボストンで収集されたことはとても
ラッキーだったと思います。
ボストンにはもっと沢山・・日本の宝が眠っています。
依然書いた記事です。http://blog.goo.ne.jp/kju96/e/fe8c0eefaa9a821c18a5efc53efdcac9
此方もゆるやかなロンドン生活・・・・ぼちぼちアップします。
いつも、萎えそうな時にぐっと堪えると、その後良い事があるんですね♪本を作る過程はとても面白く、また次が書きたくなりました。
あまり『東京の日本茶カフェ』では、関係のない本かもしれませんが、日本茶の良さをめいっぱい含ませたつもりです。ちゃぐままさんには、どこかでご覧いただけたらば、本当に幸せです。長くお付き合い下さって、ありがとうございます。詳しい情報はリンクさせて頂きました。
絵師、彫師、摺り師がそろわないとできないものです。
江戸の日本文化はやはり素晴らしいの一言に尽きます。
>テラさん
シンクロのデュエット、すばらしかったですね。
その時の水着に思わず見入りました。
あの模様は、光琳の水の模様とそっくりで、
日本人の美的センスに思わず拍手を送りました。
>ももりさん
明治前後にすっかりはまっているようですね。
読書のスピードも速い!
1冊読めばそれが次々と波及して、あれもこれも
読みたくなるのがよくわかります。
やっと「ローマ人・・・」を終えました。心に残る出会いでした。
>mokaさん
海外に流出した浮世絵の保存状態のよさに感心します。
ヨーロッパに陶磁器を輸出する際の包み紙に浮世絵を使っていたとか。
日本人は、なんともったいないことをしたのででしょう。
同じ浮世絵は何枚もあるようですが、摺る時期が違えば、色も違ってきて、
どこ所蔵の浮世絵…ということも問題になってくるようですね。
さほど興味はなかったのですが、浮世絵はいろんな人に影響を与えていることを
考えると、凄いのですよねーー。一度行ってみたくなりましたが、大分までくる
のでしょうか??中々土田舎の大分まで来る展覧会は少ないですね~~~。
それにしても、綺麗に保存されていてよかったです。たとえ外国の地でも。
焼失したり、バラバラになる可能性は日本だったらあったかもしれませんね。
来秋から、1年に4回の割合でNHKのドラマが始まるようです。
壮大な小説をどんなふうにドラマ化するのかと思ったら、
好古、真之、子規を中心とした青春ドラマになるとか・・・。
好古は阿部寛。そういえば日本人離れしたイケメンみたいな
くだりが出てきましたよね。ドラマの放映は4年とか。
下のサイトにでています。
www.nhk.or.jp/matsuyama/sakanoue/
>多摩さん
毎日、午後には強い夕立で、フィリピンもこんなスコールがあるのかしらと
思っています。
夕立のあとは、空気がひんやりするのがうれしいです。
「抜けるような青空と海の写真」が、今背景です!
選手生命を、ママの今まで持続してきたこと自体が超人です。
昨夜の開会式、すごかったですね!
あの統一のとれた完璧なマスゲーム。ミスを探そうと思っても見つからないくらいに。
有無を言わせぬ人海作戦は、世界に中国の力を見せつけました。
あの力で来られたら、日本人はやはりひるみそうですね(°_°;)ハラハラ
私も涼しい処で、美術鑑賞したいものです。
どれだけの美術品や仏像が流出したことか・・・。
今となってはあとのまつりですが。"(>0<)"クヤシイ!
>マリーナさん
先生と美術館巡り・・・。
学生時代は、こんな素晴らしい講義を極自然に受けられるから、
本当に贅沢ですよね。("▽"*)
主婦になってしまえば、遠い話。
思い出だすだけで、胸キュンですね。
>ももりさん
ギメ、いかれたのですね。
フランスでは美術館の優先順位があるから、ギメまでいける人は
少ないと思います。例の着物で書に挑まれた時ですか?
そうそう、教えていただいたゴーヤのレシピ。
ばっちりでした!豚肉の油とマイタケで
一味違いました。☆⌒(*^-°)v Thanks!!
>ゆうさん
(^Q^)/゛お久しぶりです!
超華やかなオリンピックの開会式を見ていて、
古来からの日本人の抑えた色とデザインは、他では真似のできない
素晴らしいものだと思いました。
ゆうさん宅のトマトは、よくできたんですね~。
それに抹茶のソース、あの発想は素晴らしいと思いました。
さっそく真似てみます。φ(°ρ°*)メモメモメモ
昔の色使いって、本当にステキですね。
わが家の夏色の、トマトの和菓子も~!
知りませんでした~。一度頂きたいなぁ。
わが家のミニトマトも今年は、最高に甘いです♪
浮世絵、通信の大学で科目をとっていたので、なんだか懐かしく拝見しています。
浮世絵の歴史や作者、版画の職人さんなど、細かく勉強すると、本当に奥が深くて、難しいけれど、とても楽しかったのを思い出します。
あの時、美術の先生とスクーリングで美術館めぐりをしましたが、実際の浮世絵に触れるって素晴らしい経験ですよね。^^