goo

地域別の人口動向と高齢化

『超高齢社会』より

(1)2050年の人口減少社会

 まず地域別の人口動向についてみると、ほとんどの圏域で一貫して減少していますが、東京圏は当面はまだ増加します。その東京圏も2020年には減少に転じます。減少率でみると、東京圏、名古屋圏が全国平均の減少率である25.5%よりは小さいのに対して、北海道では40%を超えるなど、人口減少率の地域差は大きなものとなります。

 2050年に向けての三大都市圏と地方圏の人ロシェアを比べると、三大都市圏の人ロシェアは従前から一貫して上昇傾向にあり、その殆どが東京圏のシェア上昇分でしたが、今後も同様の傾向が続くものと考えられます。すなわち、これから人口減少局面にあっても東京一極集中は継続し、強化されることになると想定されるのです。

 特別区を含めた市区町村の人口規模別の人口減少度合いをみると、人口規模が小さくなるにっれて人口減少率が大きくなる傾向がみられます。現在人口が10万人以下の市区町村では、全国平均の人口減少率である25.5%を上回って減少する市区町村が多く、特に人口6,000~1万人規模の市区町村では、人口がおよそ半減すると見込まれます。

 さらに全国を行政区画単位ではなく、1キロメッシュの地点ごとにみると、現在の居住地域の9割の地点で平均的減少率以上の人口減少となります。そして居住地域の6割以上の地点で人口が半分以下になるのに対し、2050年において今よりも人口が増加している地点の割合というのは、わずか2%にも満たないのです。反面、現居住地の20%以上の地点で人がいなくなる、すなわち無居住化か進むと思われます。

(2)2050年の高齢化社会

 高齢人口の構成比に目を転じます。人口に占める高齢人口の割合である高齢化率は、2050年に向けて単調に伸長していきます。地域別では地方圏が高く、東京圏、名古屋圏は全国平均よりは低い率を保って推移していきます。しかし高齢者数でみると、その増加スピードは全国的には2020年頃までが急で、その後次第に緩やかになり、2040年をピークに減少に転じると思われます。圏域別の高齢人口をみると、三大都市圏の方が地方圏を上回るスピードで増加します。特に東京圏での高齢者の増加率、増加数はともに際立っています。

 2050年にかけて、高齢者増加率の全国平均が約47%であるのに対し東京圏の増加率は87%,全国で約1,200万人の高齢者増加数のうち東京圏での増加が500万人以上を占めています。このように増加する高齢者を年齢階級別でみると、各年齢コホートでそれほど増減の変動は大きくありませんが、80歳を超える年齢階級から高齢になるに従って、その増加数、増加率はともに大きくなります。

(3)2050年の世帯構成

 世帯に着目して見てみますと、総世帯数は, 2015年まで増加し、その後減少に転じます。世帯構成の内訳を見ますと、2050年に総世帯の約4割が単独世帯となります。さらにそのうちの55%は高齢者単独世帯と見込まれます。

 すなわち世帯は小規模化の一途を辿り、その結果、高齢者の単独世帯が増加していくという構図です。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 糖尿病と合併症 読んだ本で感... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。