未唯への手紙

未唯への手紙

小さなクルマには正義がある

2012年08月29日 | 5.その他
『正義のクルマ、軽自動車』より

軽自動車のサイズは、全長3400m以下、全幅1480m以下、全高2000m以下という規格が設定されていて、エンジンの排気量も660a以下に制限されている。乗車定員も4名以下でなければならない。韓国にも「軽」があるそうだが、日本の「軽」に比べてボディサイズや排気量などがやや大きい。

日本の「軽」規格は、世界でも最小クラスに相当する自動車規格であり、ほかの国にはない日本独自の自動車規格なのだ。そして日本では、このサイズと排気量の「軽」が、多くのユーザーから支持されている。

「軽」に限ったことではないが、いまの時代、小さなクルマには正義があると思う。 小さなクルマであれば、鉄鋼や樹脂などの資源を使う量が少ない。省資源の時代において、そのこと自体が正義となるだけではない。一台あたりの資源消費量が少なければ、外国から輸入する鉄鉱石や原油を運んでくるためのコストを少なくすることにもつながる。

また、鉄鉱石を精錬して鉄鋼にするなど材料を加工するときのエネルギー消費も少なくなるから、小さいこと、軽いことは、なにかにつけて省資源・省エネルギーにつながっていく。資源・環境のため、地球のためによいことが、加速度的に積み重なっていくからだ。

もちろん、クルマが使われるときの燃費においても「軽」は有利だ。現在は「軽」より燃費のよい(イブリッド車もあるので、小さな「軽」だから単純に有利ということにはならないが、前述のように大きくて重いガソリン車に比べたら、「軽」が燃費で有利なのは間違いない。

2012年5月上旬の時点で、軽自動車の燃費ベストテンは17ページの表のようになっている。(イブリッド車を除く登録車の一位はデミオ(マツダ)の25.0/リットルだから、いまは「軽」が登録車に燃費で負ける時代ではなくなった。かつて10・15モードで24.0/リットルを記録し、長らく燃費トップを続けていたフィット(ホンダ)も、JC08モードで計測すると20・6㎞/リットルになり、登録車のなかでベストテンにも入らない状況だ。これはアイドリングストップ機構を採用していないことも大きな理由である。

小さな「軽」には、ほかにもいろいろなメリットがある。それを順に紹介していこう。

小回りがきいて取り回しがしやすいのが、典型的な「軽」のメリットだ。「軽」の最小回転半径は、一般的には4・5m程度である。2リッター級のFF車が5・4m程度あるのに比べたら、8掛けくらいの数値となる。

ボディが小さくて小回りがきくので、都市部の狭い路地や地方の山道・農道などで威力を発揮する。狭い駐車場などでも苦労することが少ない。

日本は、国道でも大型車が擦れ違えないような区間があるほどだが、これが市町村道になるとさらに狭くなる。市町村道の車道部の幅員は、平均が3・5m程度というデータもあり、これだと「軽」でないと擦れ違えないことになる。

ボディが小さいことによる駐車のしやすさも見逃せない。「軽」の全長と全幅を掛け算すると、面積は5・を少し超える程度だ。5ナンバーサイズの小型セダンだとこれが7・5・程度になるから、ざっと3分の2くらいの面積しか「軽」は使わない。小回りのよさと合わせて、車庫入れのときに苦労することが少ないのが「軽」の特徴である。

「軽」には女性ユーザーが多いので、それを意識して運転のしやすさに配慮したクルマが多い。というか、女性ユーザーに使われることを前提にクルマづくりがなされているのが普通だ。いまでは2ベダルで乗れるAT車だけの設定という車種が増えているし、パワーステアリングの装着も常識である。

また、シートリフターやチルトステアリングなどの採用によって、最適なドライビングポジションを得やすくした「軽」も多い。ただし廉価グレードでは、これらの装備を外すことで、低価格を実現する例もあるので注意が必要だ。最適なドライビングポジションを得られるということは安全運転にもつながるので、廉価グレードといえども標準装備にしてほしい。

(ンドルを前後方向に動かすテレスコピックステアリングになると、装備していない車種が「軽」に多いことはたしかだ。現実には「軽」に限った話ではないのだが、「軽」にはまだまだ努力する余地があるのもたしかである。それでも「軽」は、基本的に運転しやすいクルマだと考えていい。

運転のしやすさが結果として事故の少なさにつながるという意味では、「軽」は事故を起こすことが少ないクルマといえる。各種統計をみても、「軽」が第一当事者になった事故の発生率は、普通車・小型車の7掛けくらいである。

室内の広さだって文句のないレベルだ。いまどきの「軽」のリアシートに座ったら、「軽」を知らない人は驚くと思う。大人が余裕で足を組めるくらいの居住空間が確保されているからだ。タント(ダイ(ツ)やパレット(スズキ)などの超(イト系と呼ばれるジャンルのクルマでは、前後方向と上方向に大きな余裕がある。

強いていえば、横方向がやや狭い。ドライバーがシフト操作をしようとしたとき、手が助手席の人の体に触れてしまうことがある。でもそれくらいのことを除けば、「軽」の広さは文字どおり十分なものである。

ほかにもワゴンR(スズキ)やムーヴ(ダイハツ)などのハイト系のモデルを中心に、ワンボックスカー、SUV、スポーツカーなど、さまざまなタイプの車種がそろっている。各メーカーの「軽」を合わせると、登録車と変わらないくらい豊富なラインナップが用意されている。

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