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てらまち・ねっと



 昨日の夕刊各紙には教科書問題が並んだ。
 「新しい歴史教科書をつくる会」の中学社会科が『検定』を通った。

 とはいえ、同内容にもかかわらず、内紛により従来の「扶桑社版」と今回の「自由社版」が並存することになる。
 争いは法廷に持ち込まれて(次の提訴の見込みも含めて)おり、著作権やその他の問題の判決が確定すればどちらかが使えなくなる可能性が高い。

 検定の次の高いハードルは各教育委員会の教科書の「採択」。
 出版の権限の不安定な教科書を敢えて「採択」するところは少ないだろう。

(関連のエントリー)
 2005年7月21日
    ⇒ ◆「新しい歴史教科書をつくる会」問題。 扶桑社。不公正な取引行為として公正取引委員会に申告

 2007年10月4日
    ⇒ ◆教科書検定の訂正/沖縄戦。安倍内閣なら絶対あり得ない選択/検定や歴史教科書は?
 2008年12月22日
    ⇒ ◆田母神/ネットユーザーが右傾化するワケ/新しい歴史教科書をつくる会/ホテルチェーン・アパグループ
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ここのところ6位、7位あたり


●教科書検定:「つくる会」516カ所指摘 大戦表現などに意見--08年度   毎日 2009年4月9日 夕刊
 ◇申請2冊が合格
 文部科学省は9日、08年度の教科書検定結果を公表した。「新しい歴史教科書をつくる会」(藤岡信勝会長)が主導し自由社が発行する中学社会科(歴史的分野)の教科書は516カ所の欠陥が指摘されいったん不合格となり、再申請でも136カ所に意見が付いたが、すべて修正して合格した。2年連続不合格だった東京書籍の生物2(高校)は、3回目の申請で合格した。

 ◇iPS細胞登場--生物2
 08年度検定は主に中学で10年度から使う教科書が対象。中学は新学習指導要領全面実施が12年度に迫り、対応する教科書の検定が10年度に予定されているため、申請は中高合わせて2冊のみで他の教科書会社は見合わせた。

 自由社の教科書は、第二次世界大戦に関する「日本軍も(略)侵攻した地域で、捕虜となった敵国の兵士や非武装の民間人に対しての不当な殺害や虐待を防ぎきれなかった」との記述が「理解し難い表現」と指摘され、「(略)不当な殺害や虐待をおこなって多大な惨禍をのこしている」と修正した。

 また開国後の朝鮮について日本が「近代化を援助した」との記述は「誤解の恐れがある」とされ、「軍制改革を援助した」に修正。日本の南方進出についての記述も「アジア諸国の独立に寄与したかのように誤解する恐れがある」と指摘され、表現を変えた。

 藤岡会長は「確かにそうだと思える指摘がほとんど。史実が正確になり質が向上した」と話している。単純ミスが多かったことについては「コンピューターの誤作動が原因」とした。東京書籍の生物2は132カ所に意見が付きすべて修正した。人工多能性幹細胞(iPS細胞)を開発した山中伸弥・京都大教授に関する記述が初めて教科書に登場した。【加藤隆寛】

 ◇「つくる会」分裂状態 09年度、2冊同時に採択対象
 今回の検定合格で、「新しい歴史教科書をつくる会」主導の歴史教科書2冊が同時に09年度の採択対象となる見通しとなった。教育現場が混乱する恐れもあるが、背景には会の分裂騒動がある。

 「つくる会」現会長の藤岡信勝・拓殖大教授らが中心となって執筆し、扶桑社から発行された歴史教科書は00、04年度の検定に合格。だが藤岡氏らと元会長の八木秀次・高崎経済大教授らの対立が強まり、07年になって八木氏らが「教科書改善の会」を設立して扶桑社の子会社から新教科書の発行を目指すことになった。

 藤岡氏らは新たに自由社をパートナーに迎え、昨年4月に今回の教科書を検定申請。6月には扶桑社を相手取り、「印税比率で73%の著作権は自分たちにある」として、現行教科書の出版差し止めを求める訴訟を起こした。

 扶桑社版と自由社版では構成やほとんどの記述が同じだが、文部科学省は「外形的に明らかな著作権侵害が認められなければ申請を受理する。『民対民』に口は挟めない」と併存を認める姿勢だ。

 扶桑社版は現在、東京都立の中高一貫校や杉並区立中などで使われており、採択率は0・4%。

 各教育委員会や国私立校の校長は、今夏までに10年度以降に使う教科書を文科省が作成する目録から選ぶが、訴訟で著作権侵害が確定すればどちらかの教科書が発行できなくなる可能性もある。文科省は「発行できなくなれば、教委などに採択替えを求める」としている。【加藤隆寛】

●「つくる会」分裂、ほぼ同内容で2冊目合格 教科書検定  朝日 2009年4月9日15時4分
 文部科学省は9日、来年度から新たに学校で使われる教科書についての検定結果を発表した。今回申請があり、検定に合格したのは「新しい歴史教科書をつくる会」が主導した自由社の中学歴史と、東京書籍の高校生物の2冊。同日の教科用図書検定調査審議会の総会で報告された。

 「自虐史観の克服」を掲げる「つくる会」は過去、扶桑社から教科書を出してきたが、会は意見対立で分裂。中心の筆者らは今回、出版社を変えて教科書をつくったが、細かな文章表現まで扶桑社版とほぼ同じ内容になっている。扶桑社も従来通り発行を続けるため、代表執筆者も内容も変わらない2冊が存在する異例の状態となる。

 「つくる会」による扶桑社版の中学歴史教科書は過去、00年度と04年度の検定に合格。今回の自由社版は04年度の改訂版を踏襲しており、章立てや項目の表記もほぼ同じだ。日本の優れた点や公(おおやけ)、天皇に献身する精神に焦点を当てた記述の多さも変わらないが、今回はさらに、戦艦大和や、昭和天皇の発言を紹介するコーナーを追加している。

 申請本には516カ所に検定意見が付き、つくる会側は修正して再申請。さらに136カ所の意見が付いたが、修正して合格した。検定意見の多くは固有名詞の誤記などの単純ミスだが、過去の扶桑社版の検定時に意見がついたものを再度記し、同じように検定意見が付いた個所も複数あった。

 教科書検定はほぼ4年に1度実施され、通常は大量の申請がある。しかし今回は、中学の新学習指導要領の本格実施が12年度に迫っており、それに対応した教科書検定が来年度にあるため、ほとんどの出版社が申請を見送った。東京書籍の高校生物は過去に2回申請し、誤りを多く指摘され不合格になっていたもので、今回、3回目で合格した。(上野創)

●08年度検定に「つくる会」教科書合格  出版社変更、300か所修正
    2009年4月9日 読売新聞
 文部科学省は9日、2008年度の教科書検定結果を発表した。

 合格したのは2教科2冊で、うち1冊は「新しい歴史教科書をつくる会」(藤岡信勝会長)のメンバーらが執筆した「中学社会 歴史」(自由社)。同会の「新しい歴史教科書」(扶桑社)は以前の検定で、第2次大戦の歴史認識などを巡り物議を醸したが、扶桑社が発行継続を拒んだため、出版社を変えて新たに検定を受け直した。

 同省によると、同会の新教科書の初稿には、旧日本軍が大戦中、敵国捕虜や民間人に対して「不当な殺害や虐待を防ぎきれなかった」との記述があった。しかし同省は、これでは日本が多くの国々に多大な損害を与えたことが伝わらないとの検定意見を付け、「不当な殺害や虐待をおこなって多大な惨禍をのこしている」に修正された。同会は従来の歴史教科書を「自虐史観に基づく」と批判。今回も不適当な記述が300か所近く認められ、いずれも検定で修正されたという。

 今回の初稿は、04年度に検定を受けた扶桑社版の初稿とよく似ており、検定を経た結果、内容・表現のほか、ページ建てまで扶桑社版とほぼ同じになった。新教科書は教育委員会が採択すれば、来年度からの使用が可能になる。

●自由社の歴史教科書が検定合格  「つくる会」メンバーら執筆   サンケイ 2009.4.9 11:05
 文部科学省は9日、来春から使用される教科書の検定結果を公表し、中学歴史(自由社)と高校生物II(東京書籍)の2冊が合格した。自由社の教科書は「新しい歴史教科書をつくる会」のメンバーらが執筆し、扶桑社が発行する中学歴史教科書と記述の約8割が共通している。扶桑社版、自由社版ともに教育委員会などで8月までに行われる採択の対象となる。

 教科書検定は4年に1度の周期で行われ、今年は22年度から使用する教科書を選ぶ採択年に当たる。中学教科書は新学習指導要領に準拠し24年度から使用される教科書の検定を控え、現行の教科書会社は改訂を見送った。このため中学の検定申請は自由社だけだった。

 自由社の教科書は昨年12月、誤字を中心に516カ所と多くの修正点が指摘され、いったん不合格となった。同社は修正して再申請し、136カ所の検定意見が付いたが再修正して合格した。

 扶桑社版と異なる点は、図版の大半を差し替えたほか、「昭和天皇のお言葉」に1ページを割り当て、見開きで昭和天皇について記述。戦艦大和の戦いについても1ページを割いた。つくる会の藤岡信勝会長は「公共の精神の尊重など、改正された教育基本法の理念を取り入れた」としている。

 つくる会のメンバーらが執筆陣の教科書は扶桑社版が12年度と16年度検定に合格。その後、運営方針の対立などから一部メンバーが分かれ、「日本教育再生機構」を設立した。

 扶桑社側は子会社・育鵬社から新指導要領に合わせ教科書を出す。育鵬社版の執筆は再生機構が事務局の「教科書改善の会」のメンバーが参加する。

 藤岡会長らは昨年6月、現行の扶桑社版について22年度以降の出版差し止めを求めて東京地裁に提訴し、著作権をめぐり係争中。扶桑社は「教科書は執筆者、監修者、出版社が著作権を有する共同著作物。当社は22、23年度の教科書を引き続き発行し、教科書発行者としての責任を全うしたい」とコメントしている。

 自由社、東京書籍の教科書は5月25日から7月24日まで、東京都江東区千石の教科書研究センターで公開。自由社の教科書の検定意見と修正内容は、4月下旬から文科省のホームページに掲載される。

●「過去の過ち正当化」=つくる会教科書検定合格に抗議-韓国政府  時事通信 2009/04/09-16:25
 【ソウル9日時事】韓国外交通商省の文太暎報道官は9日、「新しい歴史教科書をつくる会」会員らが執筆した中学用歴史教科書が2008年度の教科書検定で合格したことについて、「過去の過ちを正当化、美化する誤った歴史認識に基づいている」と日本政府に抗議し、是正を求めた。

●韓国、「つくる会」の教科書検定合格に抗議  日経 4.9
 韓国外交通商省の趙泰永(チョ・テヨン)東北アジア局長は9日、在韓日本大使館の高橋礼一郎公使を呼び「新しい歴史教科書をつくる会」が編集した教科書2点が検定合格したことに抗議した。青瓦台(大統領府)の報道官は11日に予定される日韓首脳会談で「特別な話はしない」と述べた。(ソウル支局)(00:16)

●【時事評論】「新しい歴史をつくる会」採択率0.4%の意味
  韓国 中央日報 /圭哲(チョ・ギュチョル)韓国外大教授(日本政治学)2005.09.05 0>

日本の「新しい歴史をつくる会」などが筆を執った2006年扶桑社版中学校歴史教科書の採択率が0.4%程度になるという暫定集計結果が出た。これは4年前の0.039%に比べて10倍程度増えたが、出版収益が発生する10%には大きく及ばない水準だ。

半月前まで朝日新聞は採択率が1%水準になると推定していたが、実際にはその半分以下にとどまったという点で韓日両国未来のためには大変幸いなことに違いない。問題は採択率0.4%をどう評価するかである。「韓日両国市民運動と良心勢力の勝利」で「日本右翼の敗北」と喜ぶか、でなければ4年前に比べて採択率が10倍程度増えた分、日本が10倍程度右傾化されたと判断しようか。
    (略)

 文部科学省  教科用図書検定規則
  ●  教科用図書検定調査審議会  2. 教科書改善の具体的方策
  1 教科用図書検定基準等の改善○ ・・・・・
  ●  義務教育諸学校教科用図書検定基準
[社会科(「地図」を除く。)]・・・・・・・ 


新しい歴史教科書をつくる会 から一部を紹介
●『新編 新しい歴史教科書』検定に合格!
   つくる会 Webニュース 第250号 平成21年4月9日(木)

 文部科学省は、本日(4月9日)午前、教科書検定審議会を開催し、『新編 新しい歴史教科書』(自由社版)の検定合格を正式に発表しました。

 新しい歴史教科書をつくる会は、この検定合格発表を受けて、午後1時から文科省記者クラブで会見を行い、次の「見解」を発表しました。記者会見には、藤岡信勝会長、杉原誠四郎、福地惇両副会長、鈴木尚之事務局長が出席しました。

 この教科書の作成に当たられた方々及びご支援をいただいた多くの皆様に心より感謝申し上げます。

 今後は、いよいよ採択戦に入りますが、この素晴らしい歴史教科書が、ひとりでも多くの子供たちに届けられ、教室で学ぶことができるよう一層のご協力をお願い致します。
 「つくる会」三度目の挑戦にお力添えを
  ー自由社版『新しい歴史教科書』の検定合格についての見解ー

      (以下、略)


●教科書採択の真相 かくして歴史は歪められる (PHP新書) (新書)  アマゾン 
 商品の説明   出版社 / 著者からの内容紹介
「新しい歴史教科書」の登場とともに浮上した「教科書採択問題」の背景と問題構造を明らかにする。問題なのは「検定」ではなかった!
教科書は誰が選ぶのか? 教室で子どもに教える現場の教師か、教育委員会か、首長か、それとも父母か――四年前の『新しい歴史教科書』の出現は、半世紀変わらぬ教科書制度のあり方に、大きな一石を投じた。と同時に、教科書問題の主舞台が「検定」から「採択」の場に移り、採択が世間の注目を集めるきっかけともなった。

▼ところが、『新しい歴史教科書』の市販本は65万部を売り上げたにもかかわらず、実際の採択結果は11校521冊、採択率わずか0.039%に終わったのである。この落差はいったい何なのか? 「つくるよりも採択してもらうことのほうがはるかに難しかった」――本書は「新しい歴史教科書」の編纂に加わった著者が、「採択率のカベ」を振り返りつつ、採択制度と実態のズレ、問題の真相を明らかにする。日本の歴史教育をダメにしたのは誰なのか――。
 (略)

●教科書検定:つくる会教科書は不採択を 市民団体アピール   毎日新聞 2009年4月9日
 08年度の教科書検定で「新しい歴史教科書をつくる会」が主導し自由社が発行する中学社会科(歴史的分野)の教科書が合格したことを受けて、歴史問題や平和、教育関係などの市民グループ34団体が9日、東京都内で記者会見し、教科書の不採択を訴える共同アピールを発表した。

 アピールでは、つくる会の教科書について「太平洋戦争が侵略戦争だったことを認めず、アジア解放に役立った聖戦と美化している」と批判。「侵略戦争への反省から生まれた日本国憲法の理念を敵視する考え方を一方的に子どもに注入するような教科書は許されない」と主張している。

 一方、つくる会の藤岡信勝会長は同日、記者会見で「伝統と文化の尊重や愛国心などを明記した改正教育基本法を踏まえて編集した。新学習指導要領の方針も先取りしている」と話した。【加藤隆寛、井上俊樹】

●沖縄戦の歴史歪曲を許さず、沖縄から平和教育をすすめる会  つくる会教科書が検定合格しました
「沖縄戦の歴史歪曲を許さず、沖縄から平和教育をすすめる会」の最新情報を発信するためのブログです。入会の問い合わせ、ご意見など自由に書き込んで下さい。

つくる会教科書が検定合格しました
本日、教科書検定結果が発表されました。
その中で、「新しい歴史教科書をつくる会」の自由社より発行された歴史教科書が検定合格しました。
その内容等問題点をしてきた共同アピールを出しましたので紹介します。
【共同アピール】 (リンク先にあり・・・)

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