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てらまち・ねっと



 6月29日に大阪本社で開催された石原産業の株主総会。
 報道機関の姿勢が現れますね。

 タカマサさんも 石原産業の株主総会 [2006年06月30日(金)] 同様に述べられています。

 今回比較してみて、中日の29日夕刊は、『密室総会』との見出しもつけた、わりと厳しい内容の記事。
 しかし、一転、翌朝30日朝刊は、『進行淡々と 混乱なし』。もちろん、内容も無難な総会の体(てい)。どういう配慮かな? (なお、紙面の記事の方は全文であるとして、インターネット配信分は抜粋として縮められてますね) 
 29日夕刊が会場に入る株主の写真、30日朝刊が終わって出てきた株主と報道陣(らしき)は、配慮か。

●読売。 石原産業 株主総会で批判続出 フェロシルト回収で107億赤字
     2006年6月30日 読売新聞
 大手化学メーカー・石原産業の株主総会が29日、大阪市西区の本社で開かれ、田村藤夫社長は、土壌埋め戻し材「フェロシルト」の不正処理事件や撤去問題について改めて陳謝した。株主からは「なぜ防げなかったのか」「経営責任をどうするのか」など批判や疑問の声が相次いだ。
 フェロシルトの不正処理が昨年10月に発覚して以降、初めての株主総会には、株主約120人が出席した。同社の2006年3月期決算は、フェロシルト回収費用として326億円を計上したため、107億円の税引き後赤字になった。
 総会では、株主から復配の見通しや、愛知県瀬戸市の埋め立て地を巡って県を提訴した経緯、経営責任について次々と質問が出された。
 これに対し、同社は「より安全な『封じ込め案』の提案が受け入れられず、提訴した」「回収にめどを付けた後、(責任などについて)明確にしたい」と述べるにとどまった。
 総会は、例年の倍近い約1時間20分で終了した。
(2006年6月30日 読売新聞)


 (左)読売6月30日朝刊 (上で引用した記事)

 (右)岐阜6月30日朝刊 (下で引用した記事)

(写真をクリックすると拡大。写真右下あたりのクリックでさらに拡大)


●共同(岐阜)。 フェロシルト事件を陳謝 株主総会で石原産業社長
     共同通信・配信 2006年6月29日18時43分
 化学メーカー「石原産業」(大阪市)の田村藤夫社長は、29日の株主総会で、産業廃棄物に当たる土壌埋め戻し材「フェロシルト」を違法に処分したとされる事件について「捜査や行政当局からの命令に誠実に対応し、社会からの信頼を回復したい」などと述べ、陳謝した。
 株主から経営責任を問われた同社長は「問題を防止できなかったのは遺憾。フェロシルトの回収にめどをつけた上で、責任を明確にする」とした。愛知県瀬戸市幡中町の埋設分に対する、同県などの全量撤去命令の取り消しを求め提訴したことについては「撤去作業に伴う周辺住民への二次被害を引き起こす懸念がある」などと説明した。


●朝日。 企業姿勢問う発言相次ぐ 不祥事起こした企業の株主総会 
     2006年06月29日 朝日
 29日にピークを迎えた企業の株主総会で、この1年間に相次ぎ問題を起こした企業が厳しい批判にさらされている。各社の首脳陣は深々と頭を下げてコンプライアンス(法令順守)の徹底を繰り返し訴えたが、株主らから基本的な企業姿勢を問う発言が相次いだ。
 天然ガス車の燃料スタンド工事入札をめぐってグループ会社が談合に関与していた大阪ガスもこの日、大阪市中央区の本社で株主総会を開いた。芝野博文社長は冒頭、「再度コンプライアンスの徹底を図っていきたい」と謝罪した。
 日立造船は大阪市西区の大阪科学技術センターで株主総会を開いた。同社は今月12日、汚泥・し尿処理施設工事入札を巡る談合事件で起訴されたばかり。冒頭、古川実社長は「株主さまにご心配をかけ、申し訳ありません。起訴は厳粛に受け止めている」と述べた。
 同事件で社員が起訴された三菱重工業は28日、東京都港区の本社近くのホールで総会を開き、佃和夫社長は「過去との決別をキーワードに、再発しないよう全社を挙げて取り組んでいる」と釈明した。やはり社員が起訴されたクボタ(大阪市)は23日に総会を開き、幡掛大輔社長が「かかる事態がまた起きてしまい、遺憾の極み」と陳謝している。
 土壌埋め戻し材「フェロシルト」から有害な六価クロムが検出され、廃棄物処理法違反の疑いで京都府警など4府県警の合同捜査を受けている石原産業は、大阪市西区の本社で総会を開き、田村藤夫社長は「皆さまの信頼を裏切る事実が判明し、深くおわび申し上げます」と謝罪。大阪市の男性(66)は終了後、「会社全体の責任という意識が乏しい」と話した。

●中日 29日夕刊 謝罪と釈明  石原産業、警備員置き密室総会
  29日 中日
 有害物質の六価クロムを含み、三重県リサイクル認定製品として流通した土壌埋め戻し材「フェロシルト」を製造していた化学メーカー「石原産業」の株主総会が29日午前10時から、大阪市西区の本社で開かれた。総会では経営陣の責任を問う声も出たが、社員株主らの議事進行を求める掛け声が目立ち、突っ込んだやり取りはほとんどなし。株主からは「社長の話は教科書通り」と厳しい声も漏れた。
 昨年10月の不正発覚以来、初めての総会は、株主以外には完全非公開という“密室総会”に。本社周辺では警備員が目を光らせ、緊迫した雰囲気に包まれた。
 総会には株主約120人が出席。冒頭、田村藤夫社長が「皆さまの信頼を裏切る事実が判明し、刑事告発と撤去命令を受けたが、一部埋設地では撤去期限までの回収工事を完了するには至らなかった。ご心配とご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げます」と述べ、役員約10人が直立不動で頭を下げて謝罪した。
 株主側からは「経営陣の責任は」「撤去に伴う損失はどうするのか」といった質問が約5人から飛んだ。田村社長は責任問題については「フェロシルト問題を処置した上で(辞任など)責任を明らかにしたい」、損失については「3年計画で立て直したい」と述べた。

 一方、撤去の遅れには「処分場がなくて困っている」、愛知県の撤去命令取り消しを求める提訴には「県と話し合いながら解決したい」と話したという。だが、大きな混乱はなく、総会は約1時間20分で終了した。
 大阪府東大阪市の自営業男性(70)は「フェロシルト問題を解決する自信も見通しもないのではないか」と不信感をあらわにしていた。

●中日30日朝刊 【広域】 謝罪、進行淡々と 石原産業株主総会、混乱なし
    6月30日 中日朝刊
 型通りの謝罪でシャンシャン-。29日、大阪駅近くにそびえ立つ18階建ての本社ビル内で開かれた石原産業の株主総会は、土壌埋め戻し材「フェロシルト」をめぐる混乱もなく1時間半弱で終了。東海3県とは違い、フェロシルトの埋設現場が少ない関西在住の出席者が多いため、一連の問題に無関心の株主も目立ち、経営陣の“思惑通り”に運んだ。
 フェロシルト問題の影響か、例年より約20人多い株主124人が出席。時間も例年より30分ほど長く、午前10時から約1時間20分かかった。出席者によると、総会そのものは淡々と進行。田村藤夫社長は「今後の捜査、行政当局からの命令に誠実かつ真摯(しんし)に対応し、早急にフェロシルトの回収工事を完了し、一日も早く社会からの信頼を回復したい。ご心配とご迷惑をお掛けし、心よりおわび申し上げます」と“毎度おなじみ”の言い回しで謝罪した。
 株主からは経営責任を問う声も上がったが、田村社長は「フェロシルトの回収にめどを付けるなど、経営責任を果たした上で最終的な責任を明確にする」と辞任時期を示さない従来通りの回答を繰り返した。復配の時期を問う声や退任取締役への退職慰労金贈呈を疑問視する声など計8件の質問があったが、踏み込んだ回答はなかった。
 総会を終えた株主からは「大企業がこうした問題を起こすとは理解できない」「あんな説明しかできないのは、株主を説得する材料がないからでは」と批判も。一方、大阪市西区の無職男性(74)は「フェロシルトは聞いたことがない」と言い、神戸市東灘区の無職男性(74)はフェロシルトを「シトロフェロ」と読み違えるなど、関心の薄さをうかがわせた。
 炭野泰男・取締役経営企画管理本部長は「基本的には会社の方針について、株主の理解を得られたと思う」と、株主以外は完全非公開という厳戒態勢で臨んだ総会に“手応え”を感じていた。
(沢田敦、黒谷正人)

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