2014/03/18 OnAir - Finale - ラジオ・デイズ
01.The Fifth Avenue Band:One Way or the Other
02.Maria Muldaur:Sweetheart
03.佐野元春 & 雪村いづみ:もう憎しみはない
04.The Band:Time To Kill
05.Carole King:Goin' Back
06.佐野元春:ラジオ・デイズ (Single Version)
07.佐野元春:君の魂 大事な魂
08.佐野元春:希望
09.佐野元春:荒地の何処かで
10.佐野元春 & The Coyote Band:La Vita e Bella
11.佐野元春:ポーラスタア
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■内容の一部を抜粋
佐野元春 : さて、Motoharu Radio Show。2009年の春からはじまって、5年間続けてきましたが、今夜が最後の放送となります。最終回にふさわしい番組にしたいと思います。いつも通り、ごきげんなレコードをたくさん用意してきました。最後まで聴いてくださいね。
・One Way or the Other
フィフス・アベニュー・バンドの「One Way or the Other」。
佐野元春 : 先日、あるテレビ番組の収録があって、漫画家の浦沢直樹さんとニューヨークに行ってきました。2月の下旬のことだったんですけれども、とにかく寒かったですね。浦沢さんとは今回初めてお会いしたんですけれども、ロック音楽が大好きだということで、二人でずいぶん話が盛り上がりました。テレビの収録ではウッドストックのほうにも足を伸ばして、ザ・バンドのファースト・アルバムで有名なビッグピンクなど、ロック音楽に縁のある場所にも行ってきました。番組はNHKのドキュメンタリーなので、そのうちお知らせがあると思います。是非、ご覧になってください。ウッドストックといえば思い出す女性シンガーといえばマリア・マルダー。'70年代のレコードから一曲聴いてみたいと思います。曲は「Sweetheart」。
・Sweetheart
佐野元春 : いいですね。ブルース、ジャズ、フォーク。そうしたルーツ音楽を歌いこなしてきたシンガーです。現在70歳。最近の写真を見るとずいぶんとビッグ・ファット・ママという感じですけれども、歌声の魅力には変わりはありません。このあとは3PICKS!。年を経ても歌声の魅力に変わりのないシンガー。日本にもいます。この後、聴いてみたいと思います。
・3PICKS!
「Motoharu Radio Show」では毎月番組推薦盤3枚のCDをピックアップしている。今月3月の「3PICKS!」はBeck『Morning Phase』、ベンモント・テンチ『You Should Be So Lucky』、そして雪村いづみ & 佐野元春『トーキョー・シック』。どのレコードも心に響くよいソングライティングと素晴らしいサウンドがあると元春。この中から今週は雪村いづみ( & 佐野元春)『トーキョー・シック』。
佐野元春 : 雪村いづみ。昨年でデビュー60周年を迎えました。それを記念してふたつの記念盤が出ました。ひとつはビクター・レコードからのベスト・アルバム。そしてもうひとつは僕のレーベルから『トーキョー・シック』という新しいレコードです。ちょっとしたご縁があって雪村いづみさんとはレコーディングに、ライヴに、活動を一緒にしてきました。中でも僕がプロデュースしたセッション『トーキョー・シック』ですね。2012年のレコーディングです。編曲と指揮は僕からの指名で前田憲男さんに担当してもらいました。すでに「トーキョー・シック」という曲をシングルとして出していましたが、もう1曲、僕が書き下ろして雪村さんとデュエットした曲があります。曲のタイトルは「もう憎しみはない」。この曲、雪村さんもとても気に入ってくださって、とても素晴らしい歌声で歌ってくれました。歌のテーマは愛と憎しみ、そして寛容です。愛も憎しみもとても激しい感情。それは表裏一体です。その激しい感情を沈めるには寛容というとてもよく効く薬があります。では、早速その曲。「もう憎しみはない」聴いてください。
・もう憎しみはない
佐野元春 : 今夜の3PICKS!はデビュー60周年を記念したアルバム『トーキョー・シック』から雪村いづみ & 佐野元春「もう憎しみはない」を聴いていただきました。
・トゥイッター
「さて、Motoharu Radio Showでは今番組を聴いてくれている全国リスナーのみなさんがインターネット上で楽しくコミュニケーションできるトゥイッターを公開しています。ここに参加したいという方は今からURLをお知らせするので是非書き取ってください。www.moto.co.jp/MRS/ 番組からトゥイッターのお知らせでした」と元春。
http://www.moto.co.jp/MRS/
・Time To Kill
・Goin' Back
ザ・バンド「Time To Kill」とキャロル・キング「Goin' Back」。
佐野元春 : さて、Motoharu Radio Show。2009年の春からはじまって、5年間続けてきましたが、今夜が最後の放送となります。'80年代「サウンドストリート」の時代からはじまって、北は北海道、南は沖縄まで多くのリスナーのみなさんとごきげんな音楽を分かち合うことができました。四半世紀のときを経てこのNHKのスタジオに戻ってきたときには本当にうれしかったですね。そのとき番組の再開を喜んでくれたリスナー・ファンのみなさんからのメッセージ。今でも大事に仕舞ってあります。これは岡山県NARUから。「こんばんは。数えてみました。圧倒的な数字です。'80年代、Motoharu Radio Showは6年で全248回の放送。オンエア曲はのべ2405曲。そして'00年代、MRSは5年で179回の放送。オンエア曲はのべ1886曲となります。多感な頃に聴いていた'80年代。まだまだ知らない音楽があることを知った'00年代。たくさんの素敵な音楽を届けてくれてありがとう」ということ。そうですか。番組でかけた曲の数、数えてくれてどうもありがとう。これは大変な数字ですね。世の中には「音楽なんてどうでもいいよ」なんて言う人もいます。しかし、僕たちは音楽がなかったとしたら、どうやって生きていけるだろう。それがMotoharu Radio Show、この番組のモットーでした。これまで音楽を通じてみなさんと一緒にいろいろな景色を見てこれたこと。それが僕にとってはとてもうれしいことでした。よくメディアでも僕は言ってるんですけれども、とにかくラジオが僕は大好きで、ラジオについての曲を何曲か書いています。つい最近も、「ラジオ・デイズ」という曲を作りました。このMotoharu Radio Showのテーマとしても使ってるので、みなさんにもお馴染みだと思います。そこで番組のお別れにあたって、この「ラジオ・デイズ」という曲のシングル・ヴァージョンを作ってきました。すでに出てるアルバム・ヴァージョンをもとにシングル用に作り直したヴァージョンです。番組を応援してくれたリスナーのみなさんにこの曲を差し上げたいと思います。気に入っていただけるとうれしいです。では、早速聴いてください。「ラジオ・デイズ」。
・ラジオ・デイズ
佐野元春 : さて、今日は番組最後ということなので、少し僕自身のことをお話します。今から10年前、2004年。僕は自分のレコード・レーベルを作りました。DaisyMusicというレーベルです。今年はそのレーベルをはじめて10年目ということになりました。自分で言うのもなんなんですけれども、この音楽ビジネス不況の中でよくここまでやってきたなと思います。それも聴いてくれるリスナーのみなさんのおかげだと思ってます。この場を借りて感謝の気持ちを伝えたいです。どうもありがとう。レーベル10年間でスタジオ盤を4枚、そのほか以前のレーベルからのリイシューを含めるとだいぶ数が多くなると思います。今やメジャー・レーベルはすっかりかたちを変えてしまいましたけれども、これも時の流れといえると思います。今はインディペンデントが圧倒的におもしろい時代となりました。Motoharu Radio Show、今夜はDaisyMusic10周年ということで、この10年間の自分のレコードを振り返ってみたいと思います。まずはレーベル第一作目のレコード、2004年に出した『THE SUN』というアルバムから聴いてください。「君の魂 大事な魂」そして「希望」。2曲続きます。
・君の魂 大事な魂
・希望
佐野元春 : アルバム『THE SUN』から2曲聴いていただきました。演奏はホーボーキングバンドです。とても演奏の力がしっかりとしたミュージシャンたちです。この『THE SUN』というアルバム。ロック、ジャズ、R&B、そしてフォーク、いろいろな要素が交じった音楽的にとても深みのあるアルバムになっています。是非、他の曲も聴いてみてください。今年10年目を迎えた自分のレーベル、DaisyMusicからのレコード。続いては『COYOTE』そして『ZOOEY』という2枚のアルバム。はっきり言ってこの2枚のアルバムはポップですね。それまでのホーボーキングバンドのジャム・セッション的な演奏から、もっと自分のソングライティングを生かした演奏にしてみました。バンドは新しくはじめたコヨーテバンド。自分より若い世代のバンドですけれども、とても僕の音楽を理解してくれている素晴らしいミュージシャンたちです。ではアルバム『COYOTE』そして『ZOOEY』から「荒地の何処かで」、「La Vita e Bella」2曲続きます。
・荒地の何処かで
・La Vita e Bella
佐野元春 : さて、Motoharu Radio Show。2009年の春からはじまって、5年間続けてきましたが、今夜が最後の放送となります。ラジオ番組ということで思うのは、番組そのものは普遍的だけれども、それを届けたり、新しい価値を加えるのは、その時代毎に最新の手法を選ぶということですね。今ではインターネットとの連動ですよね。海外と比べても先端的な方法を、Motoharu Radio Showは実践してきたと思いますし、NHKのみなさんとそれを一緒にできたというのがとても意味があるのではないかと思っています。この番組はよきスタッフにも支えられてきました。NHK制作ディレクター、プロデューサー、スタッフのみなさん、番組アシスタントの後藤くん、そして番組ウェブサイトやアプリケーションの開発に携わってくれた僕のインターネット・チームのスタッフ。そして何よりGreenPeopleの取材スタッフのみなさんですね。現在全国でがんばってるいいアイディアを持ったNPOの活動を知らせてゆこうということで、これまで多くのNPOの方から声を寄せてもらいました。番組にご協力いただいたみなさんに改めて感謝したいです。どうもありがとう。
・リスナーからのフィードバックを読んで
佐野元春 : みなさん、本当にいろいろな場所で、いろいろな状況で、ラジオに耳を傾けてくれたんだなぁと思いますね。温かいメッセージをどうもありがとう。Motoharu Radio Show 終わっても、分かち合ったたくさんの音楽は、僕たちの心の中でしっかりと鳴り響くと思います。またいつかお会いしましょう。では最後にこの曲を聴いてお別れです。僕のレコードから「ポーラスタア」。
・ポーラスタア
佐野元春 : さて、Motoharu Radio Show。この番組は今夜の放送を持って終了することになりました。長い間番組を愛聴してくださったみなさんに心から感謝したいと思います。どうもありがとう。DJ 佐野元春。ではまたいつか。ごきげんよう。