Motoharu Radio Show #173

2014年01月16日 | Motoharu Radio Show

2014/01/14 OnAir - 2nd. Week - 特集:佐野元春が答える恋愛相談 2
01.佐野元春:月と専制君主 - Boys & Girls Version -
02.Steve Nieve:Summer Song (Espionage) [feat. Glenn Tilbrook]
03.Steve Nieve:Halloween (Bonfire Night) [feat. Ron Sexsmith]
04.LaBelle:Lady Marmalade
05.Mary J. Blige:Can't Get Enough
06.Ronald Isley:Dinner and a Movie
07.佐野元春:レイナ
08.Diana Krall:Let's Fall In Love
09.Sam Cooke:Nothing Can Change This Love
10.Laura Nyro:Wedding Bell Blues
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■内容の一部を抜粋

・月と専制君主 - Boys & Girls Version -
佐野元春 : 今夜の一曲目は僕のレコードで「月と専制君主 (- Boys & Girls Version -)」。女性シンガーCoccoとデュエットしました。以前、僕が主催する音楽イベントに出演してくれたこともありました。とても個性的で素晴らしいソングライターです。

・3PICKS!
「Motoharu Radio Show」では毎月番組推薦盤3枚のCDをピックアップしている。今月1月の「3PICKS!」はメイヴィス・ステイプルズ『One True Vine』、スティーヴ・ナイーヴ『Together』、そしてべス・オートン『Sugaring Season』。どのレコードも心に響くよいソングライティングと素晴らしいサウンドがあると元春。この中から今週はスティーヴ・ナイーヴ『Together』。

・スティーヴ・ナイーヴ
英国のミュージシャン。現在55歳。エルヴィス・コステロのバンド、アトラクションズのキーボード・プレーヤー。アトラクションズの結成は1977年だから、もう35年以上、エルヴィス・コステロと一緒にやってることになる。正に音楽的なパートナーと言ってもいい。もともとクラシックやジャズを学んでいたのでエルヴィス・コステロのレコードでもスティーヴ・ナイーヴのアイディアがコステロの音楽をよりコンテンポラリーに響かせていたということもあるだろう。スティーヴ・ナイーヴのソロとしての活動を見てみると、現在まで8枚のアルバムを出している。今回取り上げたのは9枚目のソロ・アルバム『Together』。友人のミュージシャンたちとセッションをしている。このアルバムに参加しているのはヴァネッサ・パラディ、ローリー・アンダースン、ロバート・ワイアット、ロン・セクスミス、グレン・ティルブルック、スティング、そしてエルヴィス・コステロといった人たち。それぞれデュエットといったかたちでレコードになっている。スティーヴ・ナイーヴは現在、家族とフランスに住んでいるということ。レコードにはフランスのシンガーも何人か参加しているようだ。ソロ・アルバム『Together』から素晴らしいソングライターとの共演を2曲続けて。1曲目は元スクィーズのグレン・ティルブルックとの共演で「Summer Song 」、2曲目はロン・セクスミスとの共演で「Halloween」。

・佐野元春が答える恋愛相談

佐野元春 : いつも番組を聴いてくださってるリスナーのみなさん、中でも三十代以上の大人の世代の方たち、番組でもよくメールをいただいていますが、日々いろいろな悩みを抱えているようです。実をいうと僕はある女性雑誌(DRESS)で読者からの恋愛相談に答えて質問者の方にお勧めの一曲を送るという、そんなことをやっているんですが(「街空ハ高ク晴レテ」)、そこでも読者からのメールに触れてみると、本当にたくさんの大人たちが、いろいろなことで悩んでる様子がわかります。そこで番組ではその恋愛相談のラジオ版をやってみようということで、ちょっといつもとは雰囲気を変えて先週今週二週に渡って特集をしています。

●ミナコさん 40歳 広告関係勤務
「以前は私は恋愛至上主義と豪語して憚らず、激しい恋愛に身を焦がすことに夢中でしたが、あるとき自分のことを一途に思ってくれる男性に押され、お付き合いがはじまりました。今はメリー・ゴー・ラウンドに乗ってるかのような平穏な毎日。でも心の何処かでは昔のような興奮や楽しさを、もう一度味わいたいという気持ちが湧き出てきます。彼は一緒にいて楽なのですが、私を向上させてくれるようなタイプではありません。今のままでよいものなのか、佐野さんはどう思われますか?」

佐野元春 : そうですね。恋愛至上主義を貫き通すのもひとつの生き方だと思います。女性としての魅力を絶やさず、失恋してもヘコまない。何があったって世界の真ん中にいるのは私よ、とそんなふうにどこまでも突っ張り通す根性ですよね。世の中にはそこに惚れる男の人もいます。決して無責任なことはいえませんが、体力が続く限り自分らしく生きていいんじゃないかと思います。

・Lady Marmalade
ラベルの「Lady Marmalade」。

●アリサさん 36歳 専門商社勤務
「佐野さん、こんにちは。佐野さんはずっと音楽活動を続けて来られた中で、スランプのようなものはありませんでしたか? 私は最近スランプというか、仕事が行き詰まってる感じがして、ついつい食欲に走ってしまい、3キロほど体重が増えてしまいました。佐野さん流のスランプ脱出法がありましたら、是非教えてほしいです」

佐野元春 : そうですね。失礼かもしれませんがかわいらしいなと思いました。スランプのせいで体重が3キロ増えたとのことですけれども、3キロなんて大したことありません。また気持ちが沈んでいるということですけれども、僕の経験によるとスランプというのは一時的な思い過ごしです。スランプはやがて終わります。安心してください。

・Can't Get Enough
メアリー・J・ブライジの「Can't Get Enough」。

・GreenPeople
環境問題に取り組むユースたちを紹介するレポート「GreenPeople」。毎週このコーナーでは環境を巡る社会活動を通じて様々なアクションを起こしている人たちを紹介。

今週は「LADBAND」。音楽とエコを繋ぐ架け橋を合い言葉にする学生団体。若者のエコ意識を高めるため環境に配慮した音楽フェスの企画や運営を行っている。

●ヒロミさん 37歳 商社勤務
「彼氏がいますが、周りに素敵な男性がいて、食事に誘われるとうれしくなってしまいます。そんな自分は誠実ではないんじゃないかと気になって自己嫌悪に陥ってしまいます。彼氏がいて、他の男性と二人きりで食事に行くことは、やはりいけないことでしょうか? 佐野さんはどう思いますか?」

佐野元春 : そうですね。誘われたらうれしい気持ちになるのは誰もがそうだと思います。しかしそのことが誠実ではないんじゃないかと気にされてます。でもそんな後ろめたさというのは、考えてみたら、その彼に対する誠実な気持ちの表れでもあるんじゃないでしょうか。それほど自分を責めることではないと思います。ただ男性からの誘いがロマンチックな夕食ということであれば、ちょっと考えたほうがいいと思います。簡単に誘いに乗るのは冒険的すぎるかもしれません。もし迷っているならば、思いきって、彼に他の男性から食事の誘いが来てることを話してみてはどうでしょうか。ただし言い方を間違えるととんでもないことになってしまいますから、そこは茶目っ気を交えながら、くれぐれも慎重に、誠実に話してみてはどうでしょうか。

・Dinner and a Movie
ロナルド・アイズレーの「Dinner and a Movie」。

●ヨシエさん 37歳 通信関係勤務
「世間では有名人のシングルマザーが話題になることがありますが、実は私自身、今、シングルマザーになっても産みたいと思っています。彼は妻子ある身です。佐野さんはシングルマザーについてどう思いますか?」

佐野元春 : 母子家庭のお母さんを見てみると、選択の余地なくシングルマザーになった場合と、そうでない場合とがあります。いうまでもなく女手ひとつで子どもを育てるのは様々な困難が付き纏います。どんなケースにしても、それをやり抜いているお母さんたちの苦労というのは、計り知れないくらい大変だろうと思います。質問の中で気になる点があるとしたら、それは彼が妻子がある身だという点です。人は行き着く先のことを考えずに歩き出してしまいがちです。その代償のために、思わぬ負を背負って困ってしまってる人たちもいます。シングルマザーであることを引き受けるには、覚悟と勇気がいると思いますけれども、ご自身が決めたということであれば、どうあれ、まずは待ち受けてるこれから先の負担に備えてください。

・レイナ
佐野元春 and The Hobo King Bandの「レイナ」。

●ミチコさん 35歳
「最近、手痛い失恋をしました。結婚まで意識していた男性だったので、しばらく落ち込んでいましたが、仕事に打ち込むことで、恋愛は当分いいやというモードに入ってしまったようです。佐野さんならどうやって次の恋愛のためのスイッチを入れますか? 是非、教えてください」

佐野元春 : そうですね。失恋した後、ガツガツと次の恋愛に向かうと、錯覚から間違いを起こしがちです。人生にはメリハリがあります。常に恋愛をしている必要はありません。まずは傷を癒すことからはじめてみてはどうでしょうか。失恋したことで、きっといろいろな痛みを知って、そこにご自身の成長があったのではないかと思います。まずは現在のご自身を大事に、しかし恋愛したい気持ちも忘れず、構えることなく自分を信じて自然に生活してみてはどうでしょうか。恋はしようと思ってするものではなく、恋は落ちるものです。そしてそれはいつも突然やってきます。そのときのためにいつも魅力的な女性でいてください。

・Let's Fall In Love
ダイアナ・クロールの「Let's Fall In Love」。

●ケイコさん 40歳 外資系金融勤務
「よく以心伝心と言いますが、やはり言葉を使わないと好きな相手にも気持ちは伝わらないと思ってます。ただ年齢を重ねるにつれ、だんだんと話すことも減り、最近では自分の中で言いたいことを飲み込むことも多くなっています。好きな人とのコミュニケーションということで、佐野さんは以心伝心についてどう思いますか?」

佐野元春 : そうですね。簡単にいうと以心伝心はあってほしいですけれども、あり得ないと思っています。自分のことを主張しなくっちゃという気持ちと、謙譲の美徳といって、自己主張は控えたほうがいいんじゃないのかという気持ち。このふたつが交じり合って結局言葉を飲み込んでしまうという場面も多くあります。しかし相手と理解を深めるためには行き着くところ僕は言葉が大事だと思います。単純な話、言いたいことがあれば言えばいいということですよね。そのときどんな表現をすれば相手に思いを伝えられるのか。そこが肝心です。僕自身思い当たる節がふたつあります。ひとつは誠実であること。もうひとつは自分のことをわかってもらおうという以上に相手のことを理解しようと思うこと。それによってまずは相互のコミュニケーションが深まると思います。でも万が一以心伝心がうまくいきそうなパートナーに巡り会えたら、神様に感謝してください。この世知辛い世間でそれは幸運というほか言葉ありません。

・Nothing Can Change This Love
サム・クックの「Nothing Can Change This Love」。

●サトミさん 38歳
「今結婚したい気持ちと、このままでいたい気持ちで揺れ動いています。現在付き合ってる彼のことは大好きですし、結婚するなら彼しかいないと思っています。でもこのままの距離感を保っていたいという積極的現状維持という気持ちも捨てられません。こんな中途半端な私にアドバイスを下さい」

佐野元春 : そうですね。いつかは決断するときが来ると思います。積極的現状維持と言ってますが、この言葉はちょっと曖昧ですね。何かいいわけのためのおまじないにならないように気をつけてください。彼のことが大好き。結婚するならば彼しかいないと思うならば何も迷うことはありません。是非、結婚のベルを鳴らしてください。それが僕からのアドバイスです。

・Wedding Bell Blues
ローラ・ニーロの「Wedding Bell Blues」。

・番組ウェブサイト
「番組ではウェブサイトを用意しています。是非ご覧になって曲のリクエスト、番組へのメッセージを送ってください。待ってます」と元春。
http://www.moto.co.jp/MRS/
コメント (2)
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