Motoharu Radio Show #172

2014年01月08日 | Motoharu Radio Show

2014/01/07 OnAir - 1st. Week - 佐野元春が答える恋愛相談
Stevie Wonder:Fun Day
Mavis Staples:Can You Get to That
Mavis Staples:Far Celestial Shore
Michael Bublé:You Don't Know Me
STING:Fields of Gold
Bob Marley & The Wailers:Is This Love
Aretha Franklin:(You Make Me Feel Like) a Natural Woman
Bonnie Raitt:Love Has No Pride
Michael McDonald:Loving You Is Sweeter Than Ever
Prefab Sprout:Life's a Miracle
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■内容の一部を抜粋
・Fun Day
スティービー・ワンダーの「Fun Day」。

・3PICKS!
「Motoharu Radio Show」では毎月番組推薦盤3枚のCDをピックアップしている。今月1月の「3PICKS!」はメイヴィス・ステイプルズ『One True Vine』、スティーヴ・ナイーヴ『Together』、そしてべス・オートン『Sugaring Season』。どのレコードも心に響くよいソングライティングと素晴らしいサウンドがあると元春。この中から今週はメイヴィス・ステイプルズ『One True Vine』。

・メイヴィス・ステイプルズ
米国のゴスペル、ソウル・グループ、ザ・ステイプル・シンガーズのメンバーのひとり。ザ・ステイプル・シンガーズはゴスペル、ソウルの歴史を語るのに欠かすことのできない重要なグループのひとつ。そのグループのメイン・ヴォーカルを務めていたのがメイヴィス・ステイプルズ。1999年にロックの殿堂入りを授賞。2005年にはグラミー賞の特別功労賞を授賞している。現在70歳。伝説的なベテラン・ソウル・シンガーといえる。ソロになったのは1969年。ソウル・ミュージックのレーベル、スタックス・ヴォルトからレコードを出した。そのときのプロデューサーはスティーヴ・クロッパーだった。その後活動を続ける中で1989年にプリンスとの出会いがあった。プリンスが主催するレーベル、ペイズリー・パークから2枚のアルバムを出している。そのメイヴィス・ステイプルズは今回、ウィルコのメンバー、ジェフ・トゥイーディーがプロデュースしてレコードが出た。もともとジェフ・トゥイーディーはメイヴィス・ステイプルズの大ファンだったということで自らプロデュースを申し出たということ。アルバム・タイトルは『One True Vine』。このアルバムの中から「Can You Get to That」と「Far Celestial Shore」。

・佐野元春が答える恋愛相談

佐野元春 : 2014年新しい年を迎えました。新しい年を迎えてうれしい人、そうでない人、様々だと思います。景気の方も上向きになって来ているかのように見えますが、個人の生活ということでいうとサヴィヴァルしてゆくのはなかなか大変な時代ではないかと思います。番組を聴いてくださってるリスナーの中でも三十代以上の大人の世代の方たち、番組でもメールをいただいていますが、日々いろいろな悩みを抱えているようです。実をいうと僕はある女性雑誌(DRESS)で読者からの恋愛相談に答えるという、ちょっと柄にもないことをやっています(「街空ハ高ク晴レテ」)。もちろんこれはふざけたものではなく、真面目なこととしてやってます。日頃、読者からのメールに触れてみると、本当にたくさんの大人たちが、いろいろなことで悩んでる様子が見えてきます。そこでMotoharu Radio Show、ちょっと異例な企画になりますけれども、その女性誌でやってきた僕と読者のやりとりを番組で再現してみたいと思います。また、相談をいただいた方には僕からのお勧めの曲もあります。よいレコードを選んで来ているので是非そちらも楽しんでください。

●アキさん 36歳 出版社勤務
「今、付き合ってる人がいます。私は彼と結婚したいと思ってます。でも彼はなかなか結婚しようと言ってくれません。出会ったのは去年の夏なのでもうすぐ一年です。私から結婚したいと言ったら、逃げられてしまうような気がして、自分から言い出せずにいます。佐野さんは女性からプロポーズされるのはどう思いますか? 」

佐野元春 : そうですね。もちろん女性からプロポーズされたらうれしいし光栄ですね。自分から言い出したら逃げられてしまうような気がする、そんな心配をなさっていますけれども、ここは是非積極的に働きかけてみていいと思います。求婚されて逃げ出してしまう男性であれば、むしろそのことの方が心配です。現在36歳とのこと。女性の年齢のこともあります。女性は体内に生物学的な時計を持っています。特に仕事を持たれている方であればキャリアと出産とのタイミングをどう取るのかが課題だと思います。そのことで気がせいてる女性も多いと思います。ただ大抵の男のひとたちはそのことについてあまりよくわかっていません。ですので面倒かもしれませんが説明してあげてください。言われなければ気がつかないというのも情けない話ですが、よきパートナーでいてもらうためにも深刻にならずに楽しく率直に明日のことを語り合うということが大事ではないかと思います。

・You Don't Know Me
マイケル・ブーブレの「You Don't Know Me」。

●マユミさん 41歳 自営業
「二十代の頃から十年付き合った人と別れてから恋人がいません。今も彼のことを忘れられないというのもあります。彼は結婚して子どももいるので、もう一度やり直すのはできないとわかっています。もうどうやって恋をするのかも忘れてしまいました。ひとりの時間が長くなると、自分の生活リズムを崩されるくらいなら、結婚なんてしなくていいと思うようになりました。でも本当はこれから先ひとりで生きてゆくのは寂しい。恋人がほしい。結婚したいです。どうしたら恋をできるようになりますか?」

佐野元春 : そうですね。長く付き合った人とのことを大事に心に留めていらっしゃる。きっといい時間がそこにあったんだろうと察します。しかしそのことで未来を躊躇してしまう。でもどうでしょうか。別れた人は既に新しい人生を歩んでいます。そうであれば新しい人生を歩んでください。過去を克服するにはまっさらな恋に出会うしかありません。まっさらな恋と出会うためにはやることがあります。それは心の扉を開けることだと思います。恋の仕方を忘れてしまったとのことですけれども、まずは恋をしたいという気持ちが大事ではないかと思います。新しい誰かと出会うために、新しい場所へと歩きはじめる。過去のことばかり考えずに、例えば旅に出たり、どんどんいろんな人にあったりして、とにかく当たって砕けろの精神を勧めます。恋をするということは自分の生活のリズムが崩れるぐらいの覚悟がいるかもしれません。リスクを負ってでも前進してください。

・Fields of Gold
スティングの「Fields of Gold」。

・GreenPeople
環境問題に取り組むユースたちを紹介するレポート「GreenPeople」。毎週このコーナーでは環境を巡る社会活動を通じて様々なアクションを起こしている人たちを紹介。

今週は「芝浦工業大学石垣島を元気にするプロジェクト」。日本を代表するサンゴの生息地石垣島で珊瑚礁の保全を目的に活動している学生団体。

●カヤさん 42歳 メーカー勤務
「ずっと不倫の恋から卒業できずにいたのですが、先日、年下の気になる男性と出会いました。こちらから誘ったら彼の友だちを含む大勢で遊ぶことになり二回ほど大人数で遊びました。その後、彼からは連絡がありません。彼は7歳年下で社交的で、女友達に言わせると遊んでるタイプ。向こうから誘われないなら脈はないから諦めたほうがいいとアドバイスしてくれる男友達もいます。相手から誘ってこないということは諦めるべきなのでしょうか。どうしたらいいかわかりません」

佐野元春 : 言いづらいんですけれど、脈はないと思います。女性から誘っても連絡がないことがすべてを語っています。この恋は本物でしょうか。もうひとりの自分から問いかけてみてください。もしかしたら本当はもっとおおらかで清正とした恋愛を望まれているのではないでしょうか。そのためにもまず過去、そして現在の気持ちを整理するところからはじめてみてはどうでしょうか。焦らずに前進してください。

・Is This Love
ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズの「Is This Love」。

●ミホさん 41歳 旅行会社勤務
「男性が求める女性とは何でしょうか? パートナーとしての存在なのか、それとも癒してくれるような存在なのでしょうか」

佐野元春 : 男性が求める女性とはどのような存在なのかですよね。見目麗しく、奥ゆかしく、清潔で気配りができる女性? 一緒にいて楽しく、明るい性格で話が合い、家庭的でしっかりしている人。母親のようで、お姫様のようで、自分にだけ従順で、男性の欲望に関して寛大、男心を熟知していて、精神的に成熟した女性。世の中に溢れる恋愛指南書には大抵こんな言葉が並んでいます。しかし果たしてそのような女性は世間に存在するのでしょうか? むしろ僕はこのことを男たちに問いたいと思います。現実は映画や小説ではありません。恋愛指南書にある女性像は言ってみれば我々男たちの儚い夢。宛のない妄想に過ぎません。むしろ現実は諺にあるように小説より奇なりと見るくらいがちょうどいいのではないかと思います。ですのでこのコラムのよき女性読者であれば是非理想の女性になんかならなくて結構。そんなふうに突っぱねてほしいものです。恋愛は個性を磨くよい経験です。世間が求める理想の女性像に照らして男たちにおもねるように生きるような女性は野暮という他ありません。是非個性を磨いてください。その人だけの個性が輝いて見えるとき、自然と男性はその女性に心惹かれるはずです。

・(You Make Me Feel Like) a Natural Woman
アレサ・フランクリンの「(You Make Me Feel Like) a Natural Woman」。

●ミナさん 41歳 会社員
「独身女性が常々言うことですが出会いがありません。よくある回答は行動すべしですが、出会い系やお見合いパーティーなどは露骨すぎて、参加したことが知人に発覚したときのリスクが高すぎます。四十代女性、地位もプライドも体面もかなぐり捨てるわけにはいかないのです。そんな私はどんな行動をとるのがベストでしょうか? 是非、佐野さんのご意見も伺いたいです」

佐野元春 : そうですね。出会い系やお見合いパーティーなどは露骨すぎて、と感じるのはご自身の美学でしょう。自分の性に合わないことを無理してやることはないと思います。ただ出会いがないという現実に対して、守りの一手では埒が明かないのは事実です。恋愛は自由な精神の自然な発露して生まれてくる野性的な感情だと思います。よき出会いのためなら地位やプライドという社会的な体裁は、むしろ邪魔だという無骨さも必要ではないかと思います。美学を保ちながらよき出会いを待ち続けるか、それとも心を解放した自分に出会いを呼び込むか、幸運は五分と五分です。いずれの橋は渡る価値はあると思いますがどうでしょうか。

・Love Has No Pride
ボニー・レイットの「Love Has No Pride」。

●ノッコさん 37歳 化粧品関係
「久し振りに真剣に恋愛できる男性ができました。ですが交際を重ねたある日を境にパッタリとかまってくれなくなりました。私のことは好きだよと言ってくれるので、他の女性に心移してるのではないと思うのですけれども。佐野さんはこの手の男性の心理についてどう思いますか?」

佐野元春 : そうですね。ある日を境にパッタリと彼氏の態度が変わってしまったということであれば、もしかしたら気持ちが離れてしまってるのかもしれません。何か原因があると思います。思い当たる節はないでしょうか。多くの男性は元気の源となる女性を愛します。そして勇気を奮い立たせてくれる女性に対して時間を使います。好きな女性には寝る間も惜しんで会いたい、仕事を早めに切り上げてでも会いたい。それが男性の心理です。しかし別の視点もあります。これは二人の仲が落ち着いた頃の男性の心理です。まぁ、そんなに慌てず、これから長くゆっくりやっていこうよという気持ち。男性がそうした気持ちであれば肯定的に捉えていいと思います。心配はいりません。

・Loving You Is Sweeter Than Ever
マイケル・マクドナルドの「Loving You Is Sweeter Than Ever」。

●フミコさん 34歳 出版関係
「何か新しいことをはじめようと思ってるのですが、年齢のことを考えると新しい一歩を踏み出す勇気が湧いてきません。年齢は新しいことをはじめようと思うときの障害になるのでしょうか? 佐野さんはどう思われますか?」

佐野元春 : 新しいことをはじめようと思うとき、年齢のことは僕は肯定的に捉えていいと思っています。人は年齢に伴って変化する生活段階において、それぞれの輝きがあります。34歳とのこと。キャリアを持つ方であれば、仕事の幅が広がって力と自身が漲ってるときではないでしょうか。何か新しいことをはじめたいと思ったら、その衝動に忠実にしたがっていいと思います。失敗したとしても後で後悔するよりずっとマシです。自分らしく生きてください。

・Life's a Miracle
プリファブ・スプラウトの「Life's a Miracle」。

・番組ウェブサイト
「番組ではウェブサイトを用意しています。是非ご覧になって曲のリクエスト、番組へのメッセージを送ってください。待ってます。また番組専用のアプリケーションもリリースされていますので是非チェックしてみてください」と元春。
http://www.moto.co.jp/MRS/
コメント (4)
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