東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

2007年03月30日 | 映画

東京タワー オカンとボクと、時々、オトン
Kampo presents 特別試写会 2007年3月25日(日)

リリー・フランキーのロング・ベスト・セラー「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」が劇場用映画になり、4月14日から公開される。3月25日(日)、Kampoの特別試写会が天満橋のエル・おおさかであり、運良く当選したので、一足早く観に行ってきた。

オカンとオトンが別居して、ちくほうのオカンの実家で過ごした少年時代から、ほぼ時系列に進行する。フラッシュバックの手法を使って過去に遡るといった演出があり、ボクが現在いるのは、窓から東京タワーが見える病室で、オカンを見舞いながら仕事をしているのだとわかる。

劇場映画版では、この現在に至るストーリーに伏線を張りつつ、実はそんなに重要視していない。鼻メガネのシーンは外せないものの、ここは敢えてポイントを抑える程度で見せ場はほとんどない。そのせいか前半は淡々とした印象があった。

しかし、この劇場版作品の本当の素晴らしさは窓から東京タワーが見える病室でオカンとボクが過ごした時間の中にある。現実を前にして、どうしようもなく無力なボクと、癌と戦うオカンの苦しみに、胸がキリキリと締め付けられる。目頭が熱くなり、頭がジンジンして、喉の奥はヒリヒリする。

劇場版では実は二度泣いてしまった。最初はオカンが意識朦朧とした中でうわごとを言うシーン。あのシーンは本当に苦しかった。息が詰まりそうになった。二度目はオダギリジョーが泣く場面。まぁ僕は人が泣いてる場面が苦手で、以前から心が動かされてしまうのだが、オダギリジョーの涙を見てもらい泣きするとは思わなかった。

最後にリリー・フランキーについて話したい。僕はあまり好きな人ではなかった。だから原作も読まなかった。でも最近は、この人はとても優しい人ではないのかと思いはじめている。この間、坂本龍一のポッドキャスティングを聞いてると、ゲストにリリー・フランキーが出てきた。番組の冒頭で坂本龍一は「会う前はあまり好きじゃなかったんですよね、実は(笑)。でも会うと好きになっちゃうんだよな」なんて話していた。どうも誤解されてるところがある人みたいだ。「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」はいつか読んでみようと思う。試写会は7,8割が女の人だった。それも若い人はあまりいなくて。そんな人たちに支持されるようになるとは...

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