Life in America ~JAPAN編

I love Jazz, fine cuisine, good wine

マイノリティが過半数を占める日。

2012-05-28 15:08:56 | アメリカ生活雑感
注)アメリカン・アイドル優勝者のネタバレあり





“American Idol”のシーズン11が先週終了。
最近は、何の魅力もない「ちょっと歌が上手いガキのショー」になっていたので、
私の一押しのフィリップ・フィリップスが無事にWinnerとなった今年はちょっと気分がいい。
翌日の新聞によると、これでAmerican Idolのwinnerは5年連続「白人の男性」となったそうだ。
そういえば、ここしばらく黒人がベスト4に残ったという記憶がない。
今年は久々にルイジアナ出身の黒人、ジョーシュアがベスト3に入る健闘を見せ、その圧倒的な歌唱力からもひょっとしたら・・と思わせたが、ガッテンそうはいかなかった。

所詮、American Idolの視聴者&投票者は、圧倒的に白人。それも若い女性ときているから
ちょっとチャーミングな白人男性が出てくると、歌唱力はともかく必ず上位を占めることになる。
やはりマイノリティが「アイドル」になることは、滅多なことでは許されない世の中なんである。
過去にはシーズン2のルーベン、シーズン3のファンティジアと黒人winnerが続いたこともあったが、視聴者の若年齢化が急速に進みすぎた結果だろう。
それに、黒人歌手に求めるものが時代と共に変わってきているという見方もある。

「American Idolにみる、黒人歌手のマンネリ」


マイノリティといえば、シーズン8のファイナルでもちょっとした「物議」があった。
最後に残ったクリスとアダム、どちらも白人男性。
ステージパフォーマンス、歌唱力、何をとってもアダムのほうが圧倒的に上だったのだが、勝ったのはクリスという大波乱だった。
要因はただひとつ、アダムは“ゲイ”だったのだ。
「アメリカンアイドルがどうしても崩せなかった壁。」

アメリカでマイノリティが日の目を見るのは、並大抵のことではない。
2008年に黒人大統領が誕生した今でも、その反動で白人による黒人排除の波が以前にもまして激しく動いているのがわかる。
口ではリベラルを唱えながらも、実際にマイノリティが上に立つと居心地が悪いらしい。
人種差別は決してなくならないのだ。
シカゴ近郊を車で走ってみると、人種で町がくっきり分かれていることを肌で感じることができる。
白人の住んでいた町に一世帯でも黒人家族が引っ越してくるとそこはもう「濁った町」になる。いわゆる「(血の)一滴の法則」だ。
白人たちは黒人が与える“いろいろな影響”に恐れて町を出て行き、もとの町は黒人たちのものとなる。
今でもそんな「黒白の境界線」がくっきりと存在している。これがアメリカという国なのだ。


先日新聞で面白い記事を読んだ。
センサスの調べによると、2011年にアメリカで産まれた子供に占めるマイノリティ(非白人)の割合が、初めて50%を超えたという。
今まで多数派だった白人は、これから徐々に数の上では非白人に対抗できなくなっていくのだ。
彼らが成人したころのアメリカはどうなっていくのだろう。国として今のような形を保っていられるだろうか?




Congratulations, Phillip!






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