ポールのスタンダード特集も何やかんやで第6回、今日は以前アップしたインタビューの中でポールがジョン・クレイトンとのコラボレイションについて熱く語っていた「ザ・グローリー・オブ・ラヴ」だ。この曲は1936年にビリー・ヒルが書き、ベニー・グッドマンの演奏で大ヒットを記録、その屈託のない明るいメロディー故かその後も様々なアーティストたちによって取り上げられている名曲だ。
この曲は当時のスタンダード・ナンバーには珍しく、映画やミュージカル用に書かれたものではなかったが、1967年にキャサリン・ヘプバーンがアカデミー賞の主演女優賞を受賞した映画「招かれざる客」(←まだ人種差別の激しかった時代に、白人の娘が黒人の彼氏を家に連れてきて結婚したいと言って両親を悩ませるというストーリー)のテーマ曲として使われてリバイバル・ヒットした。
歌詞は “少しあげて少しもらう 少し傷つくこともあるわ... 少し笑って少し泣く それが愛の物語であり、愛の素晴らしさなのよ” という内容で、 “二人でいる限り世界の素晴らしさは私達のもの... たとえ世界が私達に背を向けても 二人には抱き合う腕があるわ” と歌うBメロ・パートなんてこの映画のテーマにピッタリだ。フランク・デ・ヴォールの心憎いアレンジも聴き所↓
招かれざる客 (Guess Who's Coming to Dinner - Glory of Love)
この曲の私的トップ5は以下の5組だが、これら以外にもカウント・ベイシー(1937)、プラターズ(1956)、ケイ・スター(1958)が、比較的新しいところではベット・ミドラー(1988)やクリフ・リチャード(1990)なんかもカヴァーしており、ジャンルを問わずに人気のあるスタンダード・ナンバーといえるだろう。
①Jackie & Roy
ヴォーカリーズもこなすオシドリ・デュオ、ジャッキー・アンド・ロイのABCパラマウント移籍第1弾となった名盤「ザ・グローリー・オブ・ラヴ」(1956年)のアルバム・タイトル曲。彼らの魅力であるジャジーでお洒落な雰囲気が横溢、その都会的なセンス溢れる洗練されたコーラス・ハーモニーは絶品だ。バックのメンバーも、ギターがバリー・ガルブレイス、ベースがミルト・ヒントン、そしてドラムスがオシー・ジョンソンと、趣味の良いプレイを身上とする名手揃いで(←ピアノはもちろんロイが担当)、メンツを見ただけで音が聞こえてきそうな感じがする。特にオシー・ジョンソンのブラッシュ・ワークは何度聴いても巧いなぁ...と唸ってしまう素晴らしさ。曲良し・演奏良し・雰囲気良しと三拍子揃った名演だ。
Jackie and Roy - THE GLORY OF LOVE
②Peggy Lee
ジャッキー・アンド・ロイと甲乙付け難い名唱がこのペギー・リーのヴァージョンだ。彼女にとってのキャピトル第2期の幕開けを飾る名盤「ジャンプ・フォー・ジョイ」(1958年)に収められたこの曲で、ネルソン・リドル指揮のビッグ・バンドをバックに “ペギー節” 全開で気持ち良さそうにスイングしている。1950年代半ばあたりからその表現力に一段と磨きがかかり、深みを増してきた彼女のヴォーカルが存分に楽しめる快唱で、歌詞を大切にしながら自然体で歌っているところが良い。ジャケットに写った彼女の表情も最高だ。
Peggy Lee - The Glory Of love
③Benny Goodman feat. Helen Ward
この曲で最初に大ヒットを飛ばしたのがこのベニー・グッドマン。それも6週連続全米№1というのだから恐れ入る。当時のビッグ・バンドは “バンド・シンガー” と呼ばれる専属歌手が売り物の一つだったが、ヴォーカルは “The Queen Of Big Band Swing” と呼ばれ当時の若者達のアイドルとして絶大なる人気を誇ったヘレン・ウォード。彼女は抜群のリズム感と確かな歌唱力、そして何よりも溌剌とした歌いっぷりが魅力の美人歌手で、当時まだ18才だった彼女のピチピチと弾けるような活きの良い歌声がめちゃくちゃ気持ちいい(^o^)丿 スイング・ジャズの古臭いリズムは好き嫌いの分かれるところかもしれないが、慣れてしまえば気にならない。グッドマンのソロも快調だ。
Benny Goodman feat. Helen Ward
④Patti Page
「テネシー・ワルツ」で有名なパティ・ペイジが1949年にラジオ放送用にレコーディングしたのがこの曲で、1940年代~1950年代前半のトランスクリプション音源を扱うハインドサイト・レーベルからリリースされた「パティ・ペイジ・ウィズ・ルー・スタインズ・ミュージック」に収録。彼女はポップスからカントリー、そしてスタンダード・ナンバーに至るまで様々なタイプの楽曲を歌いこなすヴァーサタイルな才能を持ったシンガーだが、私的にはやはりスタンダードを歌う彼女が一番好き。この曲でもそのしっとりと艶のある歌声でソフトに、そして軽やかにスイングしており、スタンダード・シンガーとしての魅力が存分に味わえる逸品だ。
Patti Page - The Glory of Love
⑤Lou Donaldson
最後にジャズのインスト物を一つ。アルト・サックスのルー・ドナルドソンはガンガン吹きまくるパーカー派路線のスリリングなプレイよりも、アーシー&グルーヴィー路線の余裕と寛ぎに溢れた演奏の方が私には合っている。そんなリラックスしたリズムに乗って抜けの良いクリアなアルトの音を楽しむには美しいメロディーを持ったスタンダード・ナンバーがピッタリだ。フレーズもより滑らかになっているし、このような小粋な曲でこそルーさんの良さが活きると思う。やれポップになっただの堕落しただのと頭の固いジャズ・ファンからはボロクソに言われるが、コンガの導入によってアットホームな雰囲気が加わり、聴く者をほのぼのとした気分にさせてくれる。ブルーノート・レーベルの4000番台の前の方というのは軽快で親しみ易いアルバムが多いが、この曲の入った「グレイヴィー・トレイン」(1962年)もそんな楽しい1枚だ。
Lou Donaldson - Glory Of Love
この曲は当時のスタンダード・ナンバーには珍しく、映画やミュージカル用に書かれたものではなかったが、1967年にキャサリン・ヘプバーンがアカデミー賞の主演女優賞を受賞した映画「招かれざる客」(←まだ人種差別の激しかった時代に、白人の娘が黒人の彼氏を家に連れてきて結婚したいと言って両親を悩ませるというストーリー)のテーマ曲として使われてリバイバル・ヒットした。
歌詞は “少しあげて少しもらう 少し傷つくこともあるわ... 少し笑って少し泣く それが愛の物語であり、愛の素晴らしさなのよ” という内容で、 “二人でいる限り世界の素晴らしさは私達のもの... たとえ世界が私達に背を向けても 二人には抱き合う腕があるわ” と歌うBメロ・パートなんてこの映画のテーマにピッタリだ。フランク・デ・ヴォールの心憎いアレンジも聴き所↓
招かれざる客 (Guess Who's Coming to Dinner - Glory of Love)
この曲の私的トップ5は以下の5組だが、これら以外にもカウント・ベイシー(1937)、プラターズ(1956)、ケイ・スター(1958)が、比較的新しいところではベット・ミドラー(1988)やクリフ・リチャード(1990)なんかもカヴァーしており、ジャンルを問わずに人気のあるスタンダード・ナンバーといえるだろう。
①Jackie & Roy
ヴォーカリーズもこなすオシドリ・デュオ、ジャッキー・アンド・ロイのABCパラマウント移籍第1弾となった名盤「ザ・グローリー・オブ・ラヴ」(1956年)のアルバム・タイトル曲。彼らの魅力であるジャジーでお洒落な雰囲気が横溢、その都会的なセンス溢れる洗練されたコーラス・ハーモニーは絶品だ。バックのメンバーも、ギターがバリー・ガルブレイス、ベースがミルト・ヒントン、そしてドラムスがオシー・ジョンソンと、趣味の良いプレイを身上とする名手揃いで(←ピアノはもちろんロイが担当)、メンツを見ただけで音が聞こえてきそうな感じがする。特にオシー・ジョンソンのブラッシュ・ワークは何度聴いても巧いなぁ...と唸ってしまう素晴らしさ。曲良し・演奏良し・雰囲気良しと三拍子揃った名演だ。
Jackie and Roy - THE GLORY OF LOVE
②Peggy Lee
ジャッキー・アンド・ロイと甲乙付け難い名唱がこのペギー・リーのヴァージョンだ。彼女にとってのキャピトル第2期の幕開けを飾る名盤「ジャンプ・フォー・ジョイ」(1958年)に収められたこの曲で、ネルソン・リドル指揮のビッグ・バンドをバックに “ペギー節” 全開で気持ち良さそうにスイングしている。1950年代半ばあたりからその表現力に一段と磨きがかかり、深みを増してきた彼女のヴォーカルが存分に楽しめる快唱で、歌詞を大切にしながら自然体で歌っているところが良い。ジャケットに写った彼女の表情も最高だ。
Peggy Lee - The Glory Of love
③Benny Goodman feat. Helen Ward
この曲で最初に大ヒットを飛ばしたのがこのベニー・グッドマン。それも6週連続全米№1というのだから恐れ入る。当時のビッグ・バンドは “バンド・シンガー” と呼ばれる専属歌手が売り物の一つだったが、ヴォーカルは “The Queen Of Big Band Swing” と呼ばれ当時の若者達のアイドルとして絶大なる人気を誇ったヘレン・ウォード。彼女は抜群のリズム感と確かな歌唱力、そして何よりも溌剌とした歌いっぷりが魅力の美人歌手で、当時まだ18才だった彼女のピチピチと弾けるような活きの良い歌声がめちゃくちゃ気持ちいい(^o^)丿 スイング・ジャズの古臭いリズムは好き嫌いの分かれるところかもしれないが、慣れてしまえば気にならない。グッドマンのソロも快調だ。
Benny Goodman feat. Helen Ward
④Patti Page
「テネシー・ワルツ」で有名なパティ・ペイジが1949年にラジオ放送用にレコーディングしたのがこの曲で、1940年代~1950年代前半のトランスクリプション音源を扱うハインドサイト・レーベルからリリースされた「パティ・ペイジ・ウィズ・ルー・スタインズ・ミュージック」に収録。彼女はポップスからカントリー、そしてスタンダード・ナンバーに至るまで様々なタイプの楽曲を歌いこなすヴァーサタイルな才能を持ったシンガーだが、私的にはやはりスタンダードを歌う彼女が一番好き。この曲でもそのしっとりと艶のある歌声でソフトに、そして軽やかにスイングしており、スタンダード・シンガーとしての魅力が存分に味わえる逸品だ。
Patti Page - The Glory of Love
⑤Lou Donaldson
最後にジャズのインスト物を一つ。アルト・サックスのルー・ドナルドソンはガンガン吹きまくるパーカー派路線のスリリングなプレイよりも、アーシー&グルーヴィー路線の余裕と寛ぎに溢れた演奏の方が私には合っている。そんなリラックスしたリズムに乗って抜けの良いクリアなアルトの音を楽しむには美しいメロディーを持ったスタンダード・ナンバーがピッタリだ。フレーズもより滑らかになっているし、このような小粋な曲でこそルーさんの良さが活きると思う。やれポップになっただの堕落しただのと頭の固いジャズ・ファンからはボロクソに言われるが、コンガの導入によってアットホームな雰囲気が加わり、聴く者をほのぼのとした気分にさせてくれる。ブルーノート・レーベルの4000番台の前の方というのは軽快で親しみ易いアルバムが多いが、この曲の入った「グレイヴィー・トレイン」(1962年)もそんな楽しい1枚だ。
Lou Donaldson - Glory Of Love
昔、名画座で観て(まだビデオが高価な時代!)大いに感激した覚えがあります。ハートウォーミングな映画でしたね。もちろん曲もshiotch7さんがいうとおり映画にピッタリで素敵でした。
"The"がつかない同名異曲で、同様に映画 べスト・キッド(1984・米映画)の主題歌も思い出します。
こちらは、シカゴの元メンバー、P・セテラの大ヒット曲でした。
映画はムチャおもろかったネ~!
私、「クローリー・オブ・ラヴ」という曲名を聞いて真っ先に思い出すのは
この曲じゃなくてピーター・セテラの方なんです。
やはりでリアル・タイムで体験したというのもありますし、
何と言っても歌詞がロマンチックでしたからね。
映画のカラテ・キッド2も大好きでした。
毎週ワクワクしながらチャートを追っかけてたあの頃は楽しかったな~
P・セテラの曲は続編『ベスト・キッド2』の主題歌だったね~。
ガールフレンド役だったっけ?日系の女優タムリントミタちゃんが日本でも映画雑誌の表紙を飾るぐらい人気もあったっけ。
ロッキー・シリーズもしかりで、スポーツ映画とロック・ミュージックは相性がいいですね。
あのシリーズで一番印象に残っているのは
ワックスがけやペンキ塗りをして
知らず知らずのうちに空手が上達しているという発想のユニークさ。
http://www.youtube.com/watch?v=8aYl7N0JPWs
単純な私は「ワックスかける、ワックスとる」とブツブツ言いながら洗車したものです(笑)
エエ思い出やなぁ...
Nice choice!
The movie was very touching, and the song was used in an impressive way in that movie. Old songs really turn me on!