shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Blitzkrieg Over You ~ A Tribute to the Ramones ~

2010-11-06 | Ramones
 性懲りもなく11月に突入した “ラモーンズ祭り” だが、やればやるほど新発見・再発見があって楽しーなったら楽しーな(^o^)丿 もうパンクしか聴けない身体に...なるワケないか(笑) 冗談はさておき、今日は数多いラモーンズ・トリビュート・コンピレーション・アルバムの中でも一二を争う愛聴盤「ブリッツクリーグ・オーヴァー・ユー」だ。 NASTY VINYL というドイツのレーベルから出ているせいか、全26トラックの半数を超える14組がドイツのバンドということで、怪しいドイツ語が乱舞する面白いコンピ盤になっている。
 アルバムの冒頭を飾る Die Toten Hosen (←読み方わからへん...)の①「ブリッツクリーグ・バップ」は何とフィーチャリング・ジョーイ・ラモーンだ。いきなり本家の登場である。その辺りの経緯も含めてこのバンドのことは全く知らないが、ドライヴ感溢れる弾むような演奏が圧巻で、バンドが一体となって生み出す高揚感がたまらない(≧▽≦) この曲のカヴァーでは間違いなくベスト!と思える痛快なヴァージョンだ。
 この盤で私が知っていた数少ないアーティストが②「R.A.M.O.N.E.S.」のモーターヘッドと⑭「Lass' Mich In Ruhe」のニナ・ハーゲンだ。②は彼らが作ったラモーンズ賛歌で、これぞモーターヘッド!と快哉を叫びたくなるような轟音にシビレてしまう。彼らの持ち味である猥雑なエネルギーに満ち溢れたアグレッシヴなサウンドにアドレナリン大爆発だ。因みに本家のラモーンズもこの曲を逆カヴァー(?)しており、アルバム「グレイテスト・ヒッツ・ライヴ」のボートラでスタジオ録音ヴァージョンが、ラスト・ライヴの模様を収めた「ウィーアー・アウタ・ヒア」ではゲストのレミーが CJ とヴォーカルを分け合っているライヴ・ヴァージョンが楽しめる。⑭のニナ・ハーゲンはゴリゴリのパンク・ナンバーで彼女とディー・ディーの共作というのが興味深いが、聴けば聴くほどクセになるスルメ・チューンだ。彼女のアクの強いヴォーカルは好き嫌いが分かれそうだが私は結構気に入っている。
 Gigantor feat. Leonard G. Phillips の④「シーズ・ザ・ワン」はドイツ訛りの強いヴォーカルがちょっとアレだが軽快なリズムが耳に心地良いし、Rasta Knast の⑤「ティーンエイジ・ロボトミー」も高速で飛ばしながらも原曲のメロディーを崩さずに演奏しているところがエエ感じ。 Die Arzte の⑦「Die Wikingjugend hat mein Mädchen entführt」はタイトルを見た時は一瞬ドイツ語のオリジナル曲かと思ったが、曲を聴いてビックリ... この親しみやすいメロディは「KKK」だ!歌詞はサッパリわからないが、ゴツゴツしたドイツ語で聴く「KKK」も中々味があって乙なモンだ。
 Scattergun の⑧「アイム・アゲインスト・イット」は曲に入る前の“I don’t like ○○, I hate ××...” という呟きが絶妙なイントロの役割を果たし、ハイハットのカウントから一気呵成に突っ走る流れがカッコイイ(≧▽≦) Sigi Pop の⑨「Seppi War A Punk Rocker / Kumm Danz」は「シーナ...」と「ドゥー・ユー・ウォナ・ダンス」のメドレーをスラッシュ・メタルっぽいサウンドで聴ける面白いトラックだ。この手の演奏は曲がつまらないとタダの騒音になってしまうものだが、さすがは名曲2連発、コレは十分傾聴に値するヴァージョンになっている。唐突に挿入されるヨーデル(?)みたいな雄叫びは意味不明だが...
 ⑪「ロッカウェイ・ビーチ」をカヴァーしているのはイギリスの Action Pact feat. Steve Drewett。底抜けに楽しい曲想のせいか、この曲はラモーンズ・ナンバーの中で「シーナ...」と並んで被カヴァー率が最も高いんじゃないかと思うぐらいよく取り上げられている。ここでも期待を裏切らないノリノリの演奏が楽しめ、まさに “名曲は名演を呼ぶ” の典型のようなヴァージョンに仕上がっている。PATARENI というクロアチアのバンドの⑮「エンドレス・ヴァケイション」はチェーンソーみたいなギターの爆音を大胆にフィーチャーしたアレンジがめちゃくちゃカッコイイ。へヴィーなリズムを叩き出す無骨なドラムも最高だ。
 Hass というバンドの⑯「エクスポート」はガチガチのドイツ語だがよくよく聴けば「カリフォルニア・サン」だ。ハードコア・パンクっぽいサウンドをバックにがなり立てるようなヴォーカルが炸裂、私にはちょっとハードすぎて体調が良い時でないと聴けません(>_<) ドイツのブギーマンというバンドによる⑳「サーフィン・バード」のカヴァーは1分を過ぎたあたりからスクラッチを多用したハウス・サウンドが乱入、ハチャメチャ一歩手前で何とか踏みとどまるのだが、これではまるで M/A/R/R/S の「パンプ・アップ・ザ・ヴォリューム」だ。いくら何でもちょっと遊びすぎちゃいますか?
 (23)「Siinä On Punk Kari」は “又々登場!” という感じの「シーナ...」だが、何とコレがフィンランド語というからラモーンズの世界的影響力の凄さを改めて痛感させられる。Ne Luumäet というのはフィンランドでは名の知れたラモーンズ直系バンドらしいが、私は読み方すら分からない(ネ・ルーメート???)。言葉は分からなくっても音楽は世界最高の共通語というのが実感できる親しみやすいトラックだ。ザ・アディクツの(25)「アイ・ウォナ・ビー・セデイテッド」はオリジナルの良さを活かしながらもしっかりと自分たちのカラーを出しているところが◎。特に “バァーバァーババァバ~♪” と繰り返すパートのアレンジがめっちゃ気に入っている。
 ジャケットは本物のラモーンズの写真に目隠し加工しただけ(←こんなんでエエんかいな...)というイージーなものだが、中に詰まっている音楽にはエネルギーが漲り、躍動感に溢れている。まさにラモーンズ・スピリットの伝承盤といった感のある痛快な1枚だ。

Die Toten Hosen - Blitzkrieg Bob


Motorhead - Ramones


Die rzte - Die Wiking-Jugend hat mein MBdchen entfrt


The Adicts-I Wanna Be Sedated

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