
以前みながわさんから “YouTube でザ・ピーナッツの「さすらいのギター」を発見!” というコメントを頂き、 “日本人で最初にこの曲をカヴァーしたのは誰やろ?”という話題で盛り上がったことがあった。この曲は大好きなのでじっくり調べてそのうちブログで特集しようと決意した私は早速「さすらいのギター」収集を開始、一つの曲にターゲットを絞って1枚また1枚と集めていくのは楽しいものだ。プロジェクトのスタートから2ヶ月が経ち、先週になってようやく狙った音源をほぼ集めることができたので、今年最後の “祭り” として大々的に特集しようと思う。
この曲は元々日本軍との戦いで亡くなったロシア兵への鎮魂歌として1906年に作曲されたもので、原題は「満州の丘に立ちて」。長年に亘って吹奏楽曲や歌曲として親しまれてきたロシア歌謡である。1963年にフィンランドのザ・サウンズが荘厳なワルツだった原曲を4ビートのエレキ・インスト・ナンバーに仕立て上げて「Manchurian Beat」としてリリースし、更に70年代に入ってベンチャーズが取り上げて大ヒット、日本では折からのベンチャーズ歌謡のブームに乗って多くの歌手がカヴァーするに至った、というのが大まかな流れ。ということで今日は “さすらいのギター大会” の第1回、【インスト編】だ。
①Central Military Band of the Russian Military of Defence
原曲を YouTube で色々探してみて一番気に入ったのがこのロシア国防軍の楽隊による演奏だ。私はこのようなオーケストラを聴くことは滅多にないのだが、この演奏には音楽のジャンルやスタイルを遙かに超越して心に訴えかけてくるものがある。哀愁のメロディーに関して言えばロシア民謡は最強だ。
"On the Manchurian Hills" (I. Shatrov)
②The Sounds
フィンランドのエレキ・インスト・バンド、ザ・サウンズ最大の功績はやはりこの「さすらいのギター」をロック/ポップスの世界に紹介したことだろう。全体的にシンプルな演奏だが、後半の針飛び状態フレーズはベンチャーズを始め寺内タケシやムスタングスらがこぞって採用した秀逸なアレンジだ。
The Sounds - Mandshurian Beat
③Ventures
日本では1971年の夏にこの曲の競作ブーム起こったが、そもそもの火付け役は同年4月にシングルとしてリリースされたこのベンチャーズ・ヴァージョン。東芝の依頼でやったとのことで、担当ディレクターの先見の明はさすがという他ない。イントロのパーカッションの乱れ打ちを始め、メル・テイラーの刻むキレの良いリズムによって他のエレキ・インスト・バンドとは激しく一線を画すグルーヴィーなナンバーに仕上げている。北欧系のバンドと違ってギターの音色が乾いているのも大きな特徴だ。尚、YouTube のライヴ映像ではジェリー・マギーがリード・ギターを弾いているが、スタジオ録音盤ではボブ・ボーグルが弾いているので聴き比べてみるのも一興だ。
Ventures Manchurian Beat
④Spotnicks
スウェーデンのエレキ・インスト・バンド、スプートニクスはボー・ウィンバーグの透明感溢れるギターの音色が一番の魅力。この曲も敢えてシンプルなアレンジで料理することによって彼のギターが引き立ち、原曲に潜む哀愁を見事に引き出していると思う。全編に立ち込める “カレリアな” ムードは唯一無比だ。
さすらいのギター(静止画) 「スプートニクス」
⑤寺内タケシ
日本のエレキ・インストの第一人者といえばこの人、寺内タケシ。アレンジはザ・サウンズのものに近いが、とにかくギターの音色が甘いので聴いててめっちゃ気持ちイイ(^o^)丿 日本人としてのアイデンティティーを強く感じさせるこのヴァージョン、まさに歌心溢れる “歌のない歌謡曲” だと思う。
Takeshi Terauchi - Manchurian Beat (Early 1970s)
この曲は元々日本軍との戦いで亡くなったロシア兵への鎮魂歌として1906年に作曲されたもので、原題は「満州の丘に立ちて」。長年に亘って吹奏楽曲や歌曲として親しまれてきたロシア歌謡である。1963年にフィンランドのザ・サウンズが荘厳なワルツだった原曲を4ビートのエレキ・インスト・ナンバーに仕立て上げて「Manchurian Beat」としてリリースし、更に70年代に入ってベンチャーズが取り上げて大ヒット、日本では折からのベンチャーズ歌謡のブームに乗って多くの歌手がカヴァーするに至った、というのが大まかな流れ。ということで今日は “さすらいのギター大会” の第1回、【インスト編】だ。
①Central Military Band of the Russian Military of Defence
原曲を YouTube で色々探してみて一番気に入ったのがこのロシア国防軍の楽隊による演奏だ。私はこのようなオーケストラを聴くことは滅多にないのだが、この演奏には音楽のジャンルやスタイルを遙かに超越して心に訴えかけてくるものがある。哀愁のメロディーに関して言えばロシア民謡は最強だ。
"On the Manchurian Hills" (I. Shatrov)
②The Sounds
フィンランドのエレキ・インスト・バンド、ザ・サウンズ最大の功績はやはりこの「さすらいのギター」をロック/ポップスの世界に紹介したことだろう。全体的にシンプルな演奏だが、後半の針飛び状態フレーズはベンチャーズを始め寺内タケシやムスタングスらがこぞって採用した秀逸なアレンジだ。
The Sounds - Mandshurian Beat
③Ventures
日本では1971年の夏にこの曲の競作ブーム起こったが、そもそもの火付け役は同年4月にシングルとしてリリースされたこのベンチャーズ・ヴァージョン。東芝の依頼でやったとのことで、担当ディレクターの先見の明はさすがという他ない。イントロのパーカッションの乱れ打ちを始め、メル・テイラーの刻むキレの良いリズムによって他のエレキ・インスト・バンドとは激しく一線を画すグルーヴィーなナンバーに仕上げている。北欧系のバンドと違ってギターの音色が乾いているのも大きな特徴だ。尚、YouTube のライヴ映像ではジェリー・マギーがリード・ギターを弾いているが、スタジオ録音盤ではボブ・ボーグルが弾いているので聴き比べてみるのも一興だ。
Ventures Manchurian Beat
④Spotnicks
スウェーデンのエレキ・インスト・バンド、スプートニクスはボー・ウィンバーグの透明感溢れるギターの音色が一番の魅力。この曲も敢えてシンプルなアレンジで料理することによって彼のギターが引き立ち、原曲に潜む哀愁を見事に引き出していると思う。全編に立ち込める “カレリアな” ムードは唯一無比だ。
さすらいのギター(静止画) 「スプートニクス」
⑤寺内タケシ
日本のエレキ・インストの第一人者といえばこの人、寺内タケシ。アレンジはザ・サウンズのものに近いが、とにかくギターの音色が甘いので聴いててめっちゃ気持ちイイ(^o^)丿 日本人としてのアイデンティティーを強く感じさせるこのヴァージョン、まさに歌心溢れる “歌のない歌謡曲” だと思う。
Takeshi Terauchi - Manchurian Beat (Early 1970s)
「さすらいのギター」特集ありがとうございます。しかも祭りにしていただいて大感謝です。
インストもグループによる違いが面白いです。
ベンチャーズも大好きですが、スプートニクスもこの曲の哀愁的な雰囲気とマッチしていてお気に入りです。
祭りのつづきも楽しみです。\(^o^)/
こんな興味深いネタをいただき
こちらこそ大感謝です。
曲に絞って集めていくのは「夢シャン」以来、
ホンマに何年ぶりかだったので
久しぶりに “曲コレクター” の血がたぎり
めちゃくちゃ楽しかったですよ!
仰る通り、同じ曲でエレキ・インスト・グループを聴き比べると
その違いがハッキリと浮かび上がってきて
面白いです。
スプートニクスは全てのカヴァー・ヴァージョンの中で
最も “哀愁” を感じさせてくれますね。