shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

邦楽 “ビートルズ・オマージュ” 曲特集

2023-07-02 | 昭和歌謡・シングル盤

今日はちょっと趣向を変えて、邦楽曲の中でビートルズを連想させるオマージュ曲をいくつかピックアップしてみた。もちろんこの他にも一杯あると思うが、真っ先に私の頭に浮かんだのが以下の4曲だ。

①原田真二「キャンディ」(1977.11)
 原田真二は吉田拓郎のプロデュースで「てぃーんず・ぶるーす」「キャンディ」「シャドー・ボクサー」と1ヶ月ごとにシングルをリリースするという当時としては前代未聞のデビューを飾った大型新人で、私も結構気に入ってレコードを何枚も買ったものだった。彼のシングルでは「タイム・トラベル」とこの「キャンディ」が断トツに素晴らしいと思う。曲想はモロにビートルズの「Michelle」で、クリシェを用いた作風はもちろんのこと、バック・コーラスの付け方なんかにも彼のビートルズ愛がビンビン伝わってきて嬉しくなってしまう。彼が随所に散りばめたビートリィな要素を “あっ、ここにもある!” と大喜びで味わい尽くすのが由緒正しいビートルズ・ファンというものだ。
原田真二「キャンディ」


②沢田研二「おまえがパラダイス」(1980.12)
③南佳孝「スローなブギにしてくれ」(1981.1)
 私は中学に入った1975年から音楽を聴き始めたので、ちょうどジュリーの全盛期をリアルタイムで経験できた幸せ者なのだが(←ザ・ベストテンとか毎週見てた...)、32枚目(!)のシングルにあたるるこの「おまえがパラダイス」を初めて聴いた時はさすがに目が点になった。ビートルズの「Oh! Darling」そのまんまではないか! イントロからいきなりあの有名な旋律をモロに引用していて “これって盗作とかにならへんのかな?” と不思議に思っていたら、そのすぐ後に南佳孝が今度は曲調までそっくりな「スローなブギにしてくれ」を出したので、またまたビックリ。副題が「I Want You」なので、こっちの方はわざと狙ってやってるフシがある。「Abbey Road」から10年以上経って日本のヒット・チャートに「Oh! Darling」もどきが次々と出現したのには笑えたが、当時は “日本って何でもアリなんやな...” と妙に納得していた。これらの曲をまだ聴いたことのないビートルズ・ファンの方は是非一度聴いてみて、イスから転げ落ちて下さい(笑)
沢田研二「おまえがパラダイス」

南佳孝「スローなブギにしてくれ」


④PUFFY「これが私の生きる道」(1996.10)
 邦楽ビートルズ・オマージュ曲特集のトリは奥田民生のビートルズ愛をシングル曲としてギュッと凝縮したパフィーの2ndシングル「これが私の生きる道」だ。3分少々のこの1曲中に「Day Tripper」を始めとして「Please Please Me」「From Me To You」「Twist And Shout」「She Loves You」(まだまだ他にもいっぱいあるかも...)といった珠玉の名曲のリフやらフラグメンツやらがそこかしこに散りばめられており、ビートルズ・ファンにとっては宝探し感覚で楽しめてしまうナンバーなのだ。何かというとすぐにパクリ云々する悪癖がマニアにはあるが、こういうスマートで洗練されたオマージュの仕方は実にクールでカッコイイと思う。1990年代という時代に敢えてモノラル録音を敢行という徹底した拘りっぷりも最高だ。
PUFFY「これが私の生きる道」