shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

「さすらいのギター」別テイクの初期プレス盤ゲット!

2023-05-21 | 昭和歌謡・シングル盤

 ベンチャーズ歌謡の傑作といわれる小山ルミの「さすらいのギター」には一般に出回っているノーマル・ヴァージョンの他に “初期プレス”ヴァージョンというのが存在する。アルバム用にシングル・ヴァージョンとは別のテイクを録音するというパターンはたまに見かけるが、このようにシングル発売から短期間でこっそりと(笑)別のテイクに差し替えられた例というのはキャンディーズ「やさしい悪魔」の通称 “木魚”ヴァージョンぐらいしか記憶にない。
 そもそもこの別ヴァージョンの存在を初めて知ったのはもう今から10年以上も前のことになるのだが、小山ルミの大ファンを自認する私としてはそのレアな音源とやらを是非とも聴いてみたいと思って色々調べた結果、幸いなことに手持ちの「SINGLE COLLECTION」というCDに収録されているのがわかり、とりあえず両方のヴァージョンを聴き比べることが出来た。明確な違いはヴォーカルとギター・パートで、特に随所に登場するギターのオブリガート・フレーズが全く違うのが非常に面白い。
 しかし好きな音楽に関しては徹底的に極めないと気がすまない私はその時もCDだけでは飽き足らず、アナログ・シングル盤でもこの “初期プレス” ヴァージョンを手に入れたいと思ってネット検索したところ、あるレコ屋の通販サイトに “初期プレス・ヴァージョン” と明記してあるのを見つけてラッキーと思い即オーダー。ところが送られてきたのはどこにでも転がってるノーマル・ヴァージョン盤だったので “こんなん詐欺やんけ!” とブチギレてメールで問い詰めると、“以前に出品した商品の説明をそのまま流用してアップしてしまいました... 申し訳ありません...m(__)m” と平謝りされた。エエ加減な商売しとるのぉ...
 まぁ無いモンはしゃーないということで再度ネットで調べてみると、別のお店の通販で “レア盤初期プレス!”というのを発見。いくらなんでも今度は大丈夫やろ...と思ってオーダーしたところ、あろうことかまたまたノーマル盤が送られてきてブチギレ(>_<) 言い訳も先のお店と全く同じ “昔の商品の説明を流用してました” とのことで、開いた口がふさがらない。おどれらはド素人か!
 それから何年か経ったある時、たまたまこの初期プレス・ヴァージョンのことを思い出して今度はヤフオクで探してみたが、20枚近く出品されているのにヴァージョン違いに関する記載は一つもなかったので、各セラーに質問を送ってみることにした。手持ちのノーマル・ヴァージョンのマト末尾は N3 なので、初期ヴァージョンは N1 か N2 ということになる。そういうワケで “マト末尾番号を教えて” とメールを送りまくったところ、5~6人くらいが返事をくれて皆 N3 ですとのことだったが、一人だけその日のうちに商品を削除してガッツリ値上げしてから再出品した畜生(笑)がいたのには呆れてモノも言えなかった。おそらく初期プレス盤だったのだろうが、いくらレアな盤とはいえ、これに3,000円も出すアホはおらんやろ... レコードには適正価格っちゅーモンがあるんやで。
 そしてこの4月、仕事のストレス解消のためにネット通販のサイトを色々見ていた時にふとこの盤のことを思い出し(←レコードに関しては執念深い...)、今度はド素人相手ではなくディスクユニオンの通販で探してみようと思い立って在庫詮索でヒットした2つのお店に問い合わせてみたところ、昭和歌謡館の方に N2 盤があるとのことで即オーダー。お値段たったの 563円だった。
 盤が届いて真っ先にマトを確認すると、まごうことなき N2 盤でひと安心。実際に針を落として聴いてみても初期プレス・ヴァージョンで間違いない。それにしてもこのテイクのギターのフレーズってノーマル・ヴァージョンに比べるとまだまだアイデアの練り込みが足りないというか、不自然なくらい饒舌なギターだけが浮いてしまっているような感じがする。差し替えを行ったのはまさに慧眼と言えるだろうが、何度も聴いているとボツにされたこの軽薄なギター・フレーズ(笑)に愛着がわいてくるから不思議なもの。まぁ食べ物で言うと “珍味” みたいなモンだろう。
 ということでかなり時間はかかったが、3度目の正直で念願のレア盤を手に入れることが出来て気分も上々。マト末尾 N1 盤が存在するのかどうかという謎は依然残ったままだが、そんなのはどこぞのマニアか研究家に任せればいい。私としては N2 盤の良い音で初期プレス・ヴァージョンを聴けるというだけで十分満足だ。
初期プレス・ヴァージョン

ノーマル・ヴァージョン