shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Led ZeppelinⅣ

2018-07-08 | Led Zeppelin
 レッド・ゼッペリンの全アルバムの中で最もターンテーブルに乗る回数が多いのは「Physical Graffiti」のディスク1とこの「Led ZeppelinⅣ」(←正式名称が無いので Untitled とか 4 Symbols とか呼ぶ向きもあるが、やっぱり Ⅳ が一番自然でしょ?)だ。このレコードは最初に買った日本盤もその後に買ったCDもショボイ音だったので、長い間 “曲はエエねんけど何か音が籠っとるなぁ... 録音が悪いんかなぁ...” と思っていた。
 今から十数年前に1人で盛り上がった “第1次ゼップ・オリジナル盤祭り” の時に買った「Ⅳ」はB①が「Misty Mountain Top」とミス表記されているマトA4/B3盤で、商品説明に “Rare UK 1st Press Wow!”(←欧米人ってホンマに “ワウ!” 好っきゃなぁ...) とあったので迷わず入札し、$57で落札。音の方は手持ちのCDがゴミに思えるような素晴らしさで、やっぱりUKオリジナル盤はエエなぁ... と悦に入っていた。
 しかしそれから何年か経って、たまたま eBayで A3/B3盤の存在を知ってしまったのが不幸の始まり...(笑) “A4であんなエエ音するんやから A3ならもっと凄い音がするに違いない...” という想いが自分の中で日に日に大きくなっていき、ついに“真のUK 1st プレス盤” 購入を決意。色々調べてみるとマト番以外にも Peter Grant クレジットとか、4シンボルズのパーシーを表す羽根のマークが上下逆(←Inverted Featherって言うらしい...)になってたりとか、いろんな特徴があるのだが、何よりも大事なのはもちろん盤質。結局Peter Grantクレジット以外の条件をすべて満たしているNM盤を£131でゲットした。
 このマト A3の 1stプレス盤をマト A4の 2ndプレス盤と聴き比べてみたところ、A3盤の方が音の鮮度が高いせいか楽器の音の粒立ちが良くて音場がやや広く感じるが、価格差ほどの音質差はない。このレコードに関しては少しでも良い音で聴きたかったので思い切って買って全く後悔はしていないが、コスパを考えれば A4盤が断然お買い得と言えるかもしれない。まぁ、そんなこんなで大好きな「Ⅳ」の真のUK 1stプレスを手に入れることができて私としてはメデタシメダタシ... となるはずだった。
 そもそも私がこのようにオリジナル盤 1stプレスに拘る理由は好きなアーティストの音楽を少しでもマスターテープに近い生々しい音で楽しみたいからで、音の鮮度を考えればイギリスのアーティストは UK盤で、アメリカのアーティストは US盤で集めるのがベストのはず。しかし心の片隅に常に一つの疑念があったのも事実で、それはつまりイギリスのアーティストでも活動の拠点がアメリカならば US盤の方が音が良いのではないか、という疑いである。何年か前にそれを検証すべくジョン・レノンのソロ作品を US盤で買って聴いてみたところ、恐れていたように UK盤よりも生々しい音で鳴ってしまい(笑)、それから慌てて US盤を買い集めたのは以前このブログにも書いた通り。
 ジョンのソロが一段落した後、私の中で “ほんならゼップはどーなんや???” という疑問が浮かび上がってきた。彼らは米アトランティック傘下のアーティストであり、イギリスよりもアメリカ市場を第一に考えた活動をしていたからだ。ちょうどそんな時に絶妙なタイミングで「LED ZEPPELIN - UNTITLED:Ⅳ PECKO/PECKO DUCK Edition」という LHギフト盤に遭遇。インフォに “ゼップの『Ⅳ』英米初版にはマトリックス部分にA面 Porky、B面 Pecko Duck という刻印が彫ってあるが、US初版に稀にA面に Porkyではなく Pecko刻印があるイレギュラー盤が存在し、肝心の音質でも Pecko刻印 US盤に軍配があがる。” とあったので即ゲットして聴いてみたところ、確かに CDとは思えないような鮮烈な音で鳴る。こいつはちゃーんとした本物のアナログ盤で手に入れたいと思い eBayをチェックしたところ、ほとんどの盤は A面 Porky / B面 Pecko Duck の組み合わせだったが(←因みに私の UK盤は2枚とも刻印が逆パターンで、A面が Pecko DuckでB面が Porky だ...)1枚だけ「A面 Pecko / B面 Pecko Duck」の盤があったのでそいつをゲット。BUY IT NOWで$25だった。
 届いたレコード(→マト末尾はD/E)は盤質がめちゃくちゃ良かったせいか、ブートCDを更にパワーアップさせたような鮮烈な音が聴けて大満足(^o^)丿  中低域の厚みは UK盤に一日の長があるが、高域の伸びに関しては Pecko刻印 US盤の方が勝っている。一言でいうとキレッキレの音なのだ。中でもジミー・ペイジが腰を抜かしそうになったというボンゾの超ド迫力一撃必殺ドラムが愉しめるB④「ホェン・ザ・レヴィー・ブレイクス」なんかもう凄すぎて言葉を失う。というワケで轟音爆音好きには断然 US盤がオススメだ(^.^)
 この時点で「Ⅳ」は3枚目だが、どの盤もそれぞれ音に個性があってしかも超の付く高音質なのだから嬉しくってしようがない。私はその時々の気分で UK盤と US盤をとっかえひっかえしながら愉しむという贅沢を満喫しながら、「Ⅳ」に関しては今度こそ “これにて一件落着!” と思っていた。
 しかしこれで終わらないのがレコード・ジャンキーの哀しさ... 今回の “第2次ゼップ・オリジナル盤祭り” で盛り上がっている真っ最中に今度はヤフオクで “見てはいけないブツ”(笑)を見つけてしまったのだ。それこそが禁断の白プロモ盤、しかも PRプレスときたもんだ。ゼップの白プロモ盤なんて少し前までは畏れ多くて買おうなんていう気すら起こらなかったが、青ロゴ盤を手に入れた勢いで完全に “怖いモノ無し状態” になっていた私は本能の趣くままに参戦して無事落札! これで財布はすっかりカラになってしまったのでしばらくはレコ買えへんな...
 届いた白プロモ盤に針を落とすと、まるで目の前でゼップが演奏しているかのような生々しいサウンドがスピーカーから迸り出てきてビックリ(゜o゜)  音の特徴を一言で言うと、ちょうど US Pecko Duck盤と UK A3盤の長所を合わせた様な感じで、分厚い中低音と伸びやかな高音のバランスが絶妙なのだ。もちろん音のエネルギー感もハンパない。これが白プロモ盤の威力なのか、マト末尾が Cという若いアルファベットだからなのか、プレズウェル・プレス盤の底力なのか、はたまたそういったいくつかの要素が組み合わさった相乗効果なのか私には知る由もないが、ただ一つ言えるのは思い切って買ってホンマに良かったということ。こんなに良い音が愉しめるのなら何ヶ月か “猟盤断食” してもエエかな... と思える今日この頃だ。
When The Levee Breaks - Dark Remaster